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転勤を命じた相手は、親を介護する52歳の元上司

コスト重視とベテラン軽視の象徴でもある「50代の転勤」

2017年4月4日(火)

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 人事異動の季節。私の周りでも「ええ~~、マジ??」という異動が、相次いだ。

 企業にとっては「社員」の配置転換の一幕だが、当の「社員」や、社員と関係ある人にとっては、ときに緊要な選択を迫られる。

「自分にはどうすることもできませんでした。決して他人事ではないのに、自分の無力さに嫌気がさしています」

 52歳の年上の部下を持つ48歳の課長職の男性は、こうため息をついた。

 男性の話は私自身、とても考えさせられるものだった。というわけで、今回は「50代の転勤」をテーマにしようと思う。

 まずは彼の話をお聞きください。

「もともと彼は僕の上司だったんです。でも、昨年ラインを外れて、部下になった。なので、人事から彼の転勤を打診されたときは、正直ホッとした。関係が悪いわけではなかったんですが、やはり難しい部分もあって。彼も僕が上司だとやりづらそうだったので、彼にも転勤は朗報だと思いました。

 ところが、『親の介護があるので、転勤は勘弁して欲しい』と相談されて。どこに配属されてもいいから、転勤だけは勘弁してくれと泣きつかれてしまったんです。 僕、全く知らなかったんですが、数年前からお父さんの介護で大変だったみたいで。同居しているらしいんですが、奥さんひとりに任せることはできないので転勤はムリだと。僕だけで判断できる事案ではないので、上長に相談しました。

 でも、答えは「ノー」でした。即答です。当然といえば、当然の反応でした。

 今って子育て世代を下手に転勤させると、パワハラとか言われてしまう場合もあるので50代の人たちに行ってもらうしかない。そもそもうちの会社では55歳になると、早期退職か、賃金減額でそのまま60歳まで働くか、賃金維持で転勤や出向も受け入れるかを選ぶようになっていました。ところがこれも非情な話なんですけど、選択する年齢が53歳に引き下げられることになった」

「でも、その方はまだ52歳ですよね?」(河合)

コメント27件コメント/レビュー

わが社の50代はお荷物ではなく頼れる先輩なので、かなり違和感を感じながら読みました。(2017/08/18 10:34)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「転勤を命じた相手は、親を介護する52歳の元上司」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

わが社の50代はお荷物ではなく頼れる先輩なので、かなり違和感を感じながら読みました。(2017/08/18 10:34)

切り捨て派のコメントも50代援護派のコメントも読んで思った事は、いろんな意見があるからこそルールやガイドラインは必要ですね。
未経験大卒を採用し、訓練し、戦力化し安いコストで20代~40代は活用し、50代は過去の貢献分を還元というモデルだったのではないかと思いますが。
米国型の様に大学時代から職業訓練(専門職でもPC操作訓練でもプレゼンテーション訓練でも)を学生が自分で選んで自分のキャリアデザインするという風に10年くらいかけて舵切をするとか、
政府の労働政策も定めないと問題の本質は見えてきませんね。
ただ、こうなった時に、その企業に滅私奉公して企業内でしか活用できないスキルセットを強制的に身に着けさせられた社畜型社員を切り捨ててしまう事に対する、世代間の他人事問題意識が
意見集約できない原因かなと思います。
一方介護と育児の最大の違いは育児は一定の年数で終了が予見されるが介護は終了年数を予見できない事ですね。その意味で安楽死をコメントした方の合理性は素晴らしいと思いました。
就職ではなく就社させる旧来型日本の雇用慣行をどう修正していくかという問題と、
終了年限の見えない介護に対する会社の配慮をどうするかという二つのテーマを
今後はより掘り下げて扱って頂けると嬉しいと思います。(2017/04/05 11:35)

望まない転勤の問題は、それを是としている雇用契約の問題です。
転勤を含む雇用契約は、正社員を解雇しにくい慣習の裏返しです。
退職パワハラも同根。

正社員という言葉に愛着はありますが、様々な問題の根源がこの制度にあることは間違いない。
挙げられたような課題を解決するには、必要に応じて雇用・解雇できる制度と豊富な雇用の流動性が必要ですが、それをするに足る労働者の権利保護がない。
課題ははっきりしているのに雇用・被雇用双方の覚悟がない、というのが日本の現状。(2017/04/05 11:21)

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