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逆上大臣、泣く大臣、守る首相と問題企業の同根

復興相問題に映る、資質なきリーダーの破壊的「見下し力」

2017年4月11日(火)

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 今回は「力と責任」について考えてみる。というのも、ここ最近のニッポンの「高い地位」にいる人たちの無責任な言動に、少々うんざりしているからである。

 「大臣の資質を問題にするだけじゃなく、質問する人も資質を問え」だの、「全文読まないで、まんまとメディアの編集にはめられてるじゃん。質問してるフリーの記者。安倍政権潰すとか言ってるんでしょ。今村さん、かわいそ~」だの、大臣擁護論も飛びかった今村雅弘復興大臣のブチキレ会見(こちらが全文)。

 私は何度も全文もYouTubeも見たけど、アレがリーダーとしての大臣の対応とは到底思えなかった。

 

 6日には発言を撤回し、「自己責任」と発言したことを必死で釈明していたけど、役人が準備した“模範回答”を読みながらじゃないと発言できないとは情けない限りだ。

 しかもこの光景は、これまでに何度も見てきた。

 そうなのだ。「ああ、またか~」――というのが率直な感想なのだ。

遅々として進まぬ復興を「マラソンなら30キロ地点」と言うセンス

 「国が敷いた復興のレールを逸脱するのは、それほどまでに許されないことなのか。事故を起こした東京電力福島第一原発にほど近い福島県富岡町。町の第2次復興計画が、土壇場で変容した事実を知る人は少ない。計画策定に携わった人々は、今もやり場のない怒りを抱えている」

 これは3月8日に河北新報の社説に掲載された「東日本大震災6年 福島/避難者覆う無理解、不寛容」の冒頭の文章である。大臣の言動を擁護する人は、こちらから全文読めるので、是非とも読んで欲しい。

 今年1月、福島市内で行われた「原子力災害からの福島復興再生協議会」でも今村復興相は、「福島、東北の復興も3月にはいよいよ7年目に入る。マラソンでいうと30キロ地点。ここが一番の勝負どころ」と挨拶し顰蹙(ひんしゅく)を買った。内堀福島県知事からも、「避難指示区域にはまだスタートラインに立っていない地域もあり、指示が解除された地域は復興の序ノ口。福島県の復興は長い時間かけて丁寧に進めていかなければならない」と嫌悪感を示されたというのに……。いったい何のためのリーダーなのか。

 え? 大臣はリーダーじゃない、って?

 いやいや、そんなことはない。

 少なくとも組織を率いるリーダーとしての「権限」と「報酬」が与えられている。国務大臣の俸給月額146万6000円。期末手当(ボーナス)476万円。年収は約2900万円。さらには、国会議員として文書通信交通滞在費が1200万円、立法事務費が780万円……。これが「大臣」という地位に与えられている「力」だ。

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「逆上大臣、泣く大臣、守る首相と問題企業の同根」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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