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絶望の現場が“自死”し、燃費偽装が生まれた

責任逃れ会見と社長の父の放言に透ける不正の病根

2016年5月17日(火)

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 「担当部長がやった」「子会社がやった」と繰り返すトップたちの会見は、なんだか無性に腹が立った。関係ない私が憤ったところでどうなるもんでもないのだが、今回は、三菱自動車の燃費偽装を巡る記者会見を見て、ふと思い出した5年前の出来事を書こうと思う。

 「私ら技術系の人間の頭の中にあるのは『良いものを作ろう』っていうことだけなんです。でも、今はそれだけじゃダメ。そういったこともウツの社員が多いことに関係してるかもしれません」

 こう話し出したのは、製造業の50代の男性である。メンタルを低下させる社員が増え、「ストレスとのつき合い方を話してほしい」との依頼だった。

 当時はやたらと製造業などの現場の人たちを対象とした講演会が多く、現場(工場などの生産現場)に足を踏み入れる度に、無性に胸が熱くなったのを記憶している。

 そこで働く人たちの実直さが肌にビンビンと刺さり、

「日本という国は、こういう人たちに支えられているんだよなぁ」

と感動したのだ。

 そんな“現場”の1人が、件の男性だった。白いつなぎに身を包んだ彼は、研究開発チームの課長さん。某大手自動車メーカーの技術者である。

 では、さっそく“現場の声”を、お聞きください。

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「絶望の現場が“自死”し、燃費偽装が生まれた」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師