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新中間階級を牛耳る意識高い系オジさんの既得権

豊かさを“運よく”手に入れた人たち

2018年5月15日(火)

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 実は男性へのインタビューは、彼の部下からの紹介だった。
「成長する気持ちやチャレンジ精神が強くて、リスペクトしている。自分はいつも見習っている」
 部下は彼をこう評価していた。

自分を俯瞰できた人はジジイにならないはずなのに

 「成長する気持ち」は、健康社会学的には「人格的成長(Personal growth)」と呼ぶ。これは「自分の可能性を信じる」感情で、本コラムで何回も書いているSOC(Sense of Coherence)を高める大切なリソースのひとつだ。

 人格的成長は年齢とともに低下しやすいのだが、この感覚を持ち続けられる人は「老害」にならない。いわば「ジジイ」と対極にいる人にあるリソースで、後輩や部下たちからリスペクトされ、いつまでも若く、元気で、進化し続けるためには必要不可欠なリソースである。

 また、人格的成長を持ち続けることは、「学びたい」という成長に向けた思考態度であり、これによって“今”を「私の人生は、学んだり、変化したり、成長したりする、連続した過程である」と、成長への通過点と捉えることが可能だ。

 つまり、アレだ。先の男性はこのすべてを、今まで実践していたのである。

 その男性が「周りが消えた」と、「自分は負け組だ」と、嘆く。

 「“ジジイ”になりそうになっていた」と、自分を俯瞰できた人はジジイにはならないはずなのに、私は彼の話を聞き、「う~む。これは新種の“ジジイ”かもしれない」と困惑した。

 だって、彼は「次が決まらない」と言い訳し、「動き」を止めていたのだ。
 そんな彼に対し、 「決まらずとも、アレコレ考えずに1、2のさ~んで飛び出せばいいじゃん。それが自分の可能性にかけるってことだよ」
と、脳内のサルが騒ぎ、 「大丈夫だよ。みんなリスペクトしてる。決まらないのは、まだそこでやるべきことがあるってことなのでは?」
と、脳内のウサギは彼を慰め、
「結局、社会的地位、収入といった『豊かさ』を捨てられない人なんだ。ちょっと残念」と、脳内のトラは突き放した。

コメント63件コメント/レビュー

就職氷河期世代の者です。60年代生まれがラッキーしただけなのは全く同意。というか40年代、50年代生まれも同様だと思います。 生まれた家が裕福だっただけで本人の才能・努力は関係ないというのは同意しません。仮に当てはまるとしても日本経済の成長が止まった後の世代では?


単身で600万だったら再分配について考える余裕あるかもしれませんが、毎年社会保険料が上がり続ける中で専業主婦(配偶者控除とれる範囲でバイト)と子供二人の扶養義務を負い住宅ローンがあったりする場合は600ぽっきりだと生活苦しくて再分配どころじゃないんじゃないですか? ましてや「とりあえず飛び出す」なんて無理でしょう。 ご自身がそのオジサンや妻の立場だとどう考えますか?(2018/05/17 13:22)

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「新中間階級を牛耳る意識高い系オジさんの既得権」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

就職氷河期世代の者です。60年代生まれがラッキーしただけなのは全く同意。というか40年代、50年代生まれも同様だと思います。 生まれた家が裕福だっただけで本人の才能・努力は関係ないというのは同意しません。仮に当てはまるとしても日本経済の成長が止まった後の世代では?


単身で600万だったら再分配について考える余裕あるかもしれませんが、毎年社会保険料が上がり続ける中で専業主婦(配偶者控除とれる範囲でバイト)と子供二人の扶養義務を負い住宅ローンがあったりする場合は600ぽっきりだと生活苦しくて再分配どころじゃないんじゃないですか? ましてや「とりあえず飛び出す」なんて無理でしょう。 ご自身がそのオジサンや妻の立場だとどう考えますか?(2018/05/17 13:22)

豊かさを運よく手に入れた方々は、可能なら定年まで働いて、嘱託でしがみついて、退職後は趣味で生きる。それで幸せなんじゃないですかね。この大企業のエリートさんは幸せに見えます。悩みの内容がなかなか贅沢です。負け組と感じるかどうかは、本人の勝手です。はた目から見ればとても幸せな状態。河合さんは足るを知るという言葉を教えてあげればよかったのではないでしょうか。足るを知っていても、なおかつ負け組と思うのであれば、やはり本人の勝手でしょう。河合さんはどうあってほしいのでしょうか?転職して、失敗して、という状態を見たいのでしょうか?(2018/05/17 08:59)

河合さん 「21世紀の資本」を辛抱強く読むと、3世紀に亘る資本、給与、格差等について書かれています。そうすると、河合さんの主張も違った切り口になるかと思います。(2018/05/16 20:48)

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