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あの「ウーバー」がセクハラを容認したワケ

成功者が“バカなこと”を止められない背景とは

2017年6月13日(火)

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 今回は「能力のある人が“そんなバカなこと”をやめられないワケ」について、アレコレ考えてみようと思う。

 オンデマンド配車サービスという、革新的サービスを生み出した米ベンチャーの代表格「Uber technologies(ウーバー・テクノロジーズ、以下Uber)」が、とんでもないことになっている。

 なんと「成績さえ良ければ、何をやってもオッケー」と、セクハラを容認していたことが表沙汰になり、20人を超える社員が解雇されたのである。

 コトの発端は、今年2月。

 昨年の12月に退社した元従業員スーザン・ファウラーさん(エンジニア)の、「Reflecting On One Very Very Strange Year At Uber」(Uberで過ごしたとってもとっても奇妙な一年を振り返って)と題されたブログの公開だった。リンクはこちら

 「ご存知のとおり私は昨年12月にUberを退職し、1月にStripeに再就職しました。そのことについてたくさんの質問を受けました。なぜ、私がUberを辞めたのか、私がUberで過ごした時間はどのようなものだったのか、と。

 それはとても奇妙で、魅力的で、少しばかり恐ろしくて、みなさんに話す価値のあることなので、私の心の中に鮮明に残っているうちにありのままを綴っていきます。(河合が簡単に要約しました)」

 このような言葉で始まるブログは、エンジニアとして2015年11月にUber に入社してから辞めるまでの1年間の出来事を、A4のペーパーにすると5ページほどに丁寧にまとめたものだ。

 ファウラーさんによれば、入社当時のUberは新しいモノを次々と開発し、学びのあるいい会社だった。ところが、数週間のトレーニングの後、参加したチームでの初日に“事件”がおこる。

 彼女は上司から社内チャット(=company chat )を通じて、性的な誘いを受けたのである。
 驚いた彼女は上司とのチャットをスクリーンショットで撮り、人事部に報告。

 「私は人事部が適切にこの件を処理し、再び(セクハラ上司のいない)すばらしい人生を歩めると期待した」(彼女のブログを簡約)

「セクハラだけど有能だから」

 ところが事態は予想外の方向に向かったのだ。

 人事部は「これは明らかなセクハラであるが、彼(=セクハラ上司)の成績は極めて優秀で、今までセクハラの訴えを受けたことがない。今回のセクハラは彼の“初犯”であり、口頭での厳重注意のみとする」と回答。

 そして、彼女に「チームを異動するか、そのまま残る(現状に耐える)か」の選択を迫った。“勝者”にはすべてが許される、とでもいわんばかりの物言いに彼女は当惑する。

 なんせ、そのチームは彼女の専門知識を活かせる最良の場だった。社員に与えられた「活躍したいチーム」を選ぶ裁量権を、なぜ放棄しなくてはならないのか。納得できない彼女は、「ここで仕事をしたい!」と人事部に抗議。

 ところが、人事部は一貫していっさい受け付けず、「去るべきはセクハラ上司」と何度訴えても、「アナタには選択肢を与えた。それを選ばないアナタが悪い」と逆に批判されてしまったのだ。

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「あの「ウーバー」がセクハラを容認したワケ」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官