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40代がん患者の夢「タイムカードを押したい」

「HOPE」と共に旅立ったくりた陸さん

2017年7月18日(火)

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 今回は「仕事」について考える。

 先週の月曜日(7月10日)、漫画家のくりた陸さんの訃報が Yahoo!ニュースに掲載された。

【訃報】「ゆめ色クッキング」など手がけた漫画家くりた陸さん死去 7月発売雑誌にはがん闘病漫画が掲載

漫画家のくりた陸さんが7月4日早朝に亡くなった。10日、くりた陸さんのTwitterアカウントが「長らく病気と闘ってきたくりた陸ですが、7月4日早朝に、息を引き取りました」と発表し、くりたさんと縁のある関係者や出版社も訃報を伝えている。
くりたさんは1982年に「少女フレンド」でデビュー。「ゆめ色クッキング」「くじらの親子」「オレの子ですか?」などの漫画を手がけてきた。

2003年には乳がんの宣告を受けた、くりたさん。2011年に発売された漫画誌「フォアミセス」(秋田書店)で、宣告された当時の心境を描いた自伝漫画「陽だまりの家」を執筆していた。

7月3日に発売された漫画誌「フォアミセス」8月号(秋田書店)にも、末期ガンで闘病中だったくりたさんが手がけた読み切り漫画「娘とともに…」が掲載された。

秋田書店「エレガンスイブ」編集部の公式アカウントによれば、くりたさんは「フォアミセス」8月号の巻頭カラーを描き上げた後に永眠したという。

なお9月15日には「娘とともに…」、「陽だまりの家」が併せて収録された「~乳がんに襲われ余命宣告を受けた少女漫画家の家族への手記~陽だまりの家」が発売される。

 くりた陸さんが亡くなる6日前の6月28日。私は入院する彼女の病室にいた。
 ベッドのテーブルには、ほとんど手を付けてない昼食、ペットの猫ちゃんの写真、少女漫画本が2冊、Macブック……。

 話すのもやっとだったアノ状態で……、「フォアミセス」8月号の巻頭カラーを描き上げた後に永眠した」だなんて……。なんと言えばいいのだろう。ただ、最後まできちんと仕事できてホントに良かったと思う。

 2年前に亡くなった川島なおみさんも、竹田圭吾さんも、みな最後まで「仕事」の場に身を置いていた。

彼女は20年来の友人でした

 5月末に書いたコラムの中で(「がんに勝ったのに生活破綻、そんなのあり?!」)

 「『自分はがんだから、仕事なんてしなくても良いんだ』なんてことを思った事は、一度もありません。余命宣告を受けたときも、退職させられたときも、1回もない。本当に1回もないんです」

 と語る“がんサバイバー”の女性を紹介したとき、コメント欄には彼女の言葉の真意を汲み取れないコメントが散見されて……、批判覚悟で正直なことを書くと……がっかりしたのです。

 仕事が日常に組み込まれていると、「仕事」というものがどんな意味を持つのかに鈍感になる。かくいう私も、仕事の境界線の内側にいる人間のひとりだ。

 そこで今一度「仕事」について思いを巡らせてみようと思った次第だ。

 話が前後してしまったが、そう、くりた陸さんは、私の20年来の大切な友人である。
 趣味の「バレエ」で、同じ教室に通っていたのだ。

 今から遡ること15年前。突然彼女からメールが届いた。
 「乳がんが見つかったの。薫ちゃん、どうしよう」と。

コメント12件コメント/レビュー

【大切な時間を……、そして、考える機会を与えてくれて、ホントにありがとうございました。】

私達も当コラムに『考える機会』を頂いております事を感謝いたします。
現役時代をふり返れば病を得る事もなく43年間を全力疾走出来た事を改めて世の中全てに感謝したいと思います。社会と家族の接点に己が立ち、そのどちらからも必要とされる構造はしんどくもありましたが張り合いの方が勝っていました。
そんな自分が、もし現役途中で余命宣告を受けたとしたらどの様な行動を取ったかを一日中考えた結果、やはり後任引継ぎ業務を最優先にしたであろうと考えました。
ただその後の自分がそれで満たされるか否かは、そこまでの仕事ぶりが悔いの無い毎日を過ごせていたか否かにかかっている様に思います。
『仕事』が作業に堕してしまいがちな昨今、その中に意義を見つけ出す事が難しい時代であるとは思いますが経営者はそこに思いを致し、企業造りをして頂きたいと考えます。(2017/07/19 23:00)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

【大切な時間を……、そして、考える機会を与えてくれて、ホントにありがとうございました。】

私達も当コラムに『考える機会』を頂いております事を感謝いたします。
現役時代をふり返れば病を得る事もなく43年間を全力疾走出来た事を改めて世の中全てに感謝したいと思います。社会と家族の接点に己が立ち、そのどちらからも必要とされる構造はしんどくもありましたが張り合いの方が勝っていました。
そんな自分が、もし現役途中で余命宣告を受けたとしたらどの様な行動を取ったかを一日中考えた結果、やはり後任引継ぎ業務を最優先にしたであろうと考えました。
ただその後の自分がそれで満たされるか否かは、そこまでの仕事ぶりが悔いの無い毎日を過ごせていたか否かにかかっている様に思います。
『仕事』が作業に堕してしまいがちな昨今、その中に意義を見つけ出す事が難しい時代であるとは思いますが経営者はそこに思いを致し、企業造りをして頂きたいと考えます。(2017/07/19 23:00)

外国の映画では余命を宣告された人の生き方を扱った作品が数多くあります。
「死ぬまでにしたい10のこと」「最高の人生の見つけ方」など、やりたいことのリストは「棺桶リスト」と呼ばれるようです。でも、これらの作品のリストには「仕事」は入っていませんね。
もちろん仕事も自分の人生そのもので大事かもしれませんが、それより他に価値のあるものはないのか、消去法による選択ではないのかと思ってしまいます。仕事に支配された日本人の習性でしょうか。(2017/07/19 09:02)

妻がステージ4の乳がんです。
医者からのアドバイスもあり、転移性乳がんと診断された直後に妻は仕事を辞めました。
仕事と言っても近所のスーパーのパン屋さんでのパート勤務で、この記事にあるような方とは仕事の価値も重みも全く異なると思います。
それでも妻にとっては貴重な社会との接点であり、家庭以外で自分という存在を確認できる大切な場所だったのだと思います。
退職の最後に、月末の棚卸だけはしておきたいとか、自分の代わりのバイトがいつ見つかるかとか、しきりに気にしていた様子が頭から離れません。
家から出る機会が限られるようになった今、それがどのような社会的位置付けであれ、会社で働くということの意味がどれほど大きいのか気づかされました。
河合さんの、心から共感できるコラムに感謝しています。(2017/07/19 00:19)

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川野 幸夫 ヤオコー会長