• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「東芝だけじゃない!」 ノーと言えない部下と無能な上司の因果応報

「不適切会計問題」はどうすれば防げたか

2015年7月28日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「ノーと言えない組織風土って……。フツー言えないだろ?」
 「だよなぁ。所詮、サラリーマンだし」
 「会議とかで意見求められたときなんて、思わず死んだフリ(笑)」
 「言うだけ損ってか?」
 「ハハハハ」――(一同悲しい笑い)。

 例の東芝“不適切会計問題”に関する報告書は、ついこんなシーンを思い描かせる内容だった。

 え? 「そこじゃないだろ! 注目すべきところが。ガバナンスが◎△※●××~~〜〜〜」って?

 はい。そうかもしれません。会計処理やら監査やらに詳しい方たちには、叱られてしまうかもしれません。が、所詮、餅は餅屋。

 世の中で生じる問題の9割は、人のココロが影響すると確信している私には、

 「コレじゃダメだ! どうにかしろ!」と厳しく迫る上司と、
 「………」と口をギュッとへの字にして貝になる部下。

 で、その部下が自分の部署に戻り、
 「コレじゃダメだ! どうにかしろ!」と自分の部下に迫り、
 「……わ、わかりました」と眉間にシワを寄せる部下。

 そんなどこの会社にもある風景が、300ページ近い第三者委員会の報告書を読んでいて、浮かんでしまったのである。

 人は権力の階段を上るにつれ、自分に甘く他人に厳しくなる。

 “権力者”は自分がいつも中心になるから、人の話を聞かなくなる。相手の意見を聞いちゃいないから、自分の欲求の押し付けを、ちっとも悪いと思わない。

 一方、「権力がある」と見なされている上司に、すり寄る部下はいるし、どんなにいい人であっても、権力のない上司は、無能とみなされがち。

 権力にマイナスのイメージがあるにもかかわらず、人は権力を好む。人は権力を嫌うくせに、権力に群がる。

 その結果、「残り3日間で120億円の営業利益の改善をせよ!」なんて真っ黒な要求がまかり通り、「そんなことあり得ないでしょ?」ってことが平気で起こるのである。

 「単なる組織論ではなく、どうやって魂を入れた経営をしていくべきか、我々もちょっと気を許したら同じ問題に陥るであろう。自身も戒めていきたい」

 経済同友会の小林喜光代表幹事は日本記者クラブの会見で、こう語っていたけど、

 「どんなに魂を入れたところで、上司部下の関係が変わらなければ、同じ問題に陥るであろう。みなさま、どうか戒めてください。明日は我が身――」だ。

 そもそも、“魂”ってナニ? って感じだが、いずれにしてもチャンレジという名の数値目標も、ひとつの業務に長年従事するといった異動のない人事ローテーションも、魂という名の精神論だけで、解決できるものでもなければ、東芝が特殊というわけでもない。

コメント8件コメント/レビュー

「不適切」な会計処理は、どこでもあると思う。粉飾ギリギリの解釈で、確定申告したり銀行と交渉する会計処理など、中小企業では日常茶飯事であり、むしろ「チャレンジ」できない中小企業経営者のほうが、会計能力のない無能経営者ではないだろうか。問題になるのは、「不適切」と「不正」の線引きである。判断基準が当局と異なるのは、今に始まった事ではなく、見解の相違はよくある事だ。問題になっている内容を理解していれば、現実的にそれほどの問題ではなく、問題である部分を理解していないサラリーマン的な他人事感覚が問題なのである。(2015/07/28 12:21)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

一覧

「「東芝だけじゃない!」 ノーと言えない部下と無能な上司の因果応報」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「不適切」な会計処理は、どこでもあると思う。粉飾ギリギリの解釈で、確定申告したり銀行と交渉する会計処理など、中小企業では日常茶飯事であり、むしろ「チャレンジ」できない中小企業経営者のほうが、会計能力のない無能経営者ではないだろうか。問題になるのは、「不適切」と「不正」の線引きである。判断基準が当局と異なるのは、今に始まった事ではなく、見解の相違はよくある事だ。問題になっている内容を理解していれば、現実的にそれほどの問題ではなく、問題である部分を理解していないサラリーマン的な他人事感覚が問題なのである。(2015/07/28 12:21)

結論の部分は上下の人間関係についての本質を突いてます。特に日本の大企業のサラリーマンは肝に銘じておくべきポイントのように思えます。「組織は無能な上司を排除することに、必ずしも大きな関心を持たないという悲しい現実」これも言えてますねえ。(2015/07/28 11:30)

上司の指示、意向などに対して「ノー」と言える部下の多くは、いつでも退職できる能力もあるでしょう。(2015/07/28 11:03)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長