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「大手の契約社員と中小の正社員、どっちが得?」

「人が来ない」負のスパイラルに喘ぐ中小企業

2015年9月8日(火)

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 先日「おう、そう来たか!」と、少々答えにつまる質問を学生にされた。

 「大企業の契約社員になるか? 中小企業の正社員になるか? どっちが得なんでしょうか?」と。

 彼は7月に早々と中小企業の内定をゲット。にもかかわらず、現在も就活続行中だ。

 「できれば安定している大企業に入りたい。契約でも派遣でもなんでもいいから、大企業に入ってしまえば、その後、正社員になれるかもしれない」

 そんな淡い期待感があるのだという。

 確かに契約で採用し、3年後に正社員なんて企業もあるので、そういうルートで入りたい会社を目指すというのはアリ、だ。

 でも、どっちが得? の、得ってナニ?

 「最近、大企業は続々と自由な働き方対策進めてるでしょ? ああいうの聞くと、やっぱ大企業の方が得だなって思うんですよ~。給料も高いし……」

 なるほど。在宅勤務オッケー(リクルート)、労働時間のインターバル規制(KDDI)、週休3日(ユニクロ)、などなど、名の知れた「企業=大企業」の働き方改革ニュース諸々が、もともと大手志向の強い学生たちの大企業熱を高めたってことか。

 一方、契約社員と天秤にかけられた中小企業は? 
 「残業が多い」
 「給料が安い」
 「ブラックが多い」
 「簡単にリストラする」
 「パワハラが多い」

 などなど、とかくマイナスイメージがつきまとい、分が悪い。

 知名度のある企業に人気が集まるのと全く逆。情報が少ない分、世間に散乱する“ハラハラ新語”が中小企業の代名詞と化し、名前の知られていない企業ほどマイナスイメージ先行現象が起こっているのだ。

 「“うちに来てくれますよね?”と念を押しただけで、オワハラって言われちゃいますから。中小企業はもっと情報発信をしろ!とか、採用の努力が足りないとか言われますけど……、現実は想像以上に厳しい。その厳しさを知らない人たちが、ごもっともなことを言うんです」

 こう深いため息をつくのは、社員110人の企業の部長職の男性である。

 中小企業受難の時代で、大企業の傘下にない中小企業ほど、厳しさに喘いでいる。

 そこで今回は、「中小のリアル」についてアレコレ考えてみようと思う。

コメント16件コメント/レビュー

大企業を選ぶ理由は河合さんが言うような後ろ向きな理由ではなく、
鶏口ならぬ牛口になれる自信と野心を持ってるからなのではないでしょうか?
私も学生の頃はそういった”裏付けのない自信”を持っていましたし、若者はみんなそうでしょう。成功や挫折を幾度となく繰り返し、自分の分を弁えるようになるものです。

もし、今の学生さんが、本当に、河合さんが言われるような理由で、就職を考えているのなら、日本は終わりです。(2015/09/15 10:15)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「「大手の契約社員と中小の正社員、どっちが得?」 」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

大企業を選ぶ理由は河合さんが言うような後ろ向きな理由ではなく、
鶏口ならぬ牛口になれる自信と野心を持ってるからなのではないでしょうか?
私も学生の頃はそういった”裏付けのない自信”を持っていましたし、若者はみんなそうでしょう。成功や挫折を幾度となく繰り返し、自分の分を弁えるようになるものです。

もし、今の学生さんが、本当に、河合さんが言われるような理由で、就職を考えているのなら、日本は終わりです。(2015/09/15 10:15)

江戸時代でも大手の奉公人かどうかで世間受けは違ったはずです。●私はバブル組の50代オッサンですが、当時は公務員が負け組でしたよ。大卒初任給が文系でも15万円、理系なら18万円超の時代に公務員はキャリア官僚でさえ13万強、そうでなければ11万強でした。就職協定は有名無実で、夏休み前に内定を貰う者が多い中、低賃金で残業無しも幻想の職場が協定通りに採用手続きをする公務員試験まで待つ必要も無し。経団連が「公務員の給料が安すぎて人材が集まらないので賃上げしろ」と真顔で国に申し入れたぐらいです。今では想像できないでしょうけど。(2015/09/10 14:19)

中小企業在籍者です。確かに中小企業は「負け組」です。ご両親のご意見は正しい。しかしそれは日本国内の話。世界的に見れば日本の中小企業も「勝ち組」に入ると思います。「比較」する場合は、そのぐらいしか、自分を納得させることは出来ません。比較せず「絶対的価値観」で見ることができる人が、中小企業にうまく適応できると考えます。(2015/09/09 18:36)

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