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西室氏の「老害」だ、と責任逃れを図ってない?

10年前の「ぶっ込みインタビュー」を振り返る

2017年10月24日(火)

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(写真=ロイター/アフロ)

 先週、オリックスの宮内義彦チェアマンとの対談「その1」を公開した(「その2」は来週公開です)。

 で、いつものようにコメント欄を読んでいると……、今さらながらわからなくなった。

 正社員の既得権益、経営者の既得権益、既得権益を変える、既得権益化、既得権益を捨てろ、既得権益層、既得権益が通じない、解雇されない既得権益システム、既得権益をぶっこわす、日本の遅れは既得権益から起こっている、一見既得権益はないように見える、既得権益、既得権益………。

 そうなのだ。コメント欄に散在する「既得権益」という言葉を見て、混乱した。
 「既得権益って何なのだろう?」と。

 メディアでは連日、日産や神戸製鋼所の問題が報じられていて、それを見ながらも「既得権益」という言葉がよぎるという困った有り様で。

 私の脳内には常に、ウサギやらタヌキやらおサルが動き回っているので、自分では200%わかって使っていたつもりの言葉がわからなくなることは往々にしてある。今回も“1人パニック状態”に陥ってしまったのだ。

 ちょうどそのとき。
 「西室泰三氏、死去」との速報が流れた。

 西室泰三氏、享年81歳。

 1996年に東芝の社長に就任し、2000~05年に東芝会長も務め、01年から経団連副会長、地方分権改革推進会議の議長、財政制度等審議会の会長など政府関連の要職を歴任。05年には、株式上場を目指していた東京証券取引所の会長となり、売買システムの障害で当時の東証社長が引責辞任後は社長を兼任。13年6月には、日本郵政の社長に就任し、西室さん自身が「郵政民営化プロセスの集大成」と位置づけていた日本郵政と傘下金融2社の株式上場を15年11月に実現させ、16年に体調を崩し、社長を退任した。

 その西室さんが、亡くなっていたことがわかったという。

 私にとっての西室さんは、これまでお会いした方の中で、誰よりも心に残っている方で。

 2007年、東証の会長をなさっているときにインタビューをさせていただいたのだが、そのときの西室さんの語りは私が歳を重れば重ねるだけ深みを増し、西室さんが紡いだ一語一句は今もなお鮮明に記憶している。


河合:経営面での取材は何度もお受けになったことがあると思いますが、きょうは経営者としての西室さんじゃなく、人間、西室泰三に迫ります!

西室:おやおやおや、何となく恐ろしいことですね(笑)。

河合:ご自分の今までの過去を振り返っていただき、当時のお話を私のほうからいろいろ質問させていただきますので。

西室:はいはい、どうぞ。

河合:それで自己分析をしていただきたいと思っております。

西室:自己分析をするわけ? 大変だ。いやぁ、こんなの初めてだな(笑)


 ……インタビューをテープ起こしした原稿をハードディスクから探し出してみると、当時の私はこんな具合に相当に無鉄砲で、今以上にストレートというか、ぶっ込むというか。

 人間的にも、職業人としても、研究者としても未熟で、海のモノとも山のモノとのわからない存在だった。そんな私を西室さんはとても広い心で受け止めてくれた。
 あとにも先にもあんな方にお会いしたことはない。

 その西室さんがここ数年、批判を浴びるようになってしまったのはホントに悲しかった。

コメント63件コメント/レビュー

河合さんがN氏とのインタビューで好印象を受けて記憶に強く残っておられるとのこと、私もちょっと話をしたことがあるので、よく分かります。、誰にでも温厚で物分りの良い印象を与える方でした。しかし、この方が特に晩年にやってきたことと心の中の本音をしっかり見る必要があります。東芝の会長退任後、2016年まで10年以上にわたって同社相談役の地位にあり、ビジネス上問題のあったWH社買収などでも影響力を行使しました。この方だけの責任ではないですが、この買収による経営危機で、東芝からグローバルで14,450人(早期退職も含めて)が去らなければならなかったのです。10年以上も同じ会社の言わば頂上におれば、どういうことが起こるか想像できるのではないでしょうか。それが、同氏やそれを取り巻く人たちの「既得権益」(著者のおっしゃる)にならないのでしょうか? 世代交代は必須のことです。さもないと、過去のパラダイムから抜け出ることもできません。郵政の時の豪州物流会社の買収でも問題を起しました。主要な動機としては、官の忖度していたとしか思えません。結局、世間で言われるように財界トップになりたいということが心底にあったのでしょう。「これから先は自分が決めるよりは世の中が決めて、期待して、やってくれ、という話は受けざるをと得ない思っています。」というコメントがあります。一見恰好よく見えますが、全く同感できないものです。“世の中”とは誰のことなのでしょうか?自分の意思として、世代交代すべきです。トップに立つ人は、本当の意味で私心を捨てることが求められます。普通の人は皆自分が大事で、なかなかそうは出来ませんね。しかし、トップに立つ人は、このような“回心”することが何より必要だと思います。(2017/11/02 10:19)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「西室氏の「老害」だ、と責任逃れを図ってない?」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

河合さんがN氏とのインタビューで好印象を受けて記憶に強く残っておられるとのこと、私もちょっと話をしたことがあるので、よく分かります。、誰にでも温厚で物分りの良い印象を与える方でした。しかし、この方が特に晩年にやってきたことと心の中の本音をしっかり見る必要があります。東芝の会長退任後、2016年まで10年以上にわたって同社相談役の地位にあり、ビジネス上問題のあったWH社買収などでも影響力を行使しました。この方だけの責任ではないですが、この買収による経営危機で、東芝からグローバルで14,450人(早期退職も含めて)が去らなければならなかったのです。10年以上も同じ会社の言わば頂上におれば、どういうことが起こるか想像できるのではないでしょうか。それが、同氏やそれを取り巻く人たちの「既得権益」(著者のおっしゃる)にならないのでしょうか? 世代交代は必須のことです。さもないと、過去のパラダイムから抜け出ることもできません。郵政の時の豪州物流会社の買収でも問題を起しました。主要な動機としては、官の忖度していたとしか思えません。結局、世間で言われるように財界トップになりたいということが心底にあったのでしょう。「これから先は自分が決めるよりは世の中が決めて、期待して、やってくれ、という話は受けざるをと得ない思っています。」というコメントがあります。一見恰好よく見えますが、全く同感できないものです。“世の中”とは誰のことなのでしょうか?自分の意思として、世代交代すべきです。トップに立つ人は、本当の意味で私心を捨てることが求められます。普通の人は皆自分が大事で、なかなかそうは出来ませんね。しかし、トップに立つ人は、このような“回心”することが何より必要だと思います。(2017/11/02 10:19)

ここまで失敗した人をかばうのはちょっとなあ。
普通の従業員なんてちょっとした失敗でも人格レベルで傷つけられる発言を含めて攻め立てられているし、その中には自殺までした人も少なくなかろう。(2017/10/28 12:40)

経営者の出処進退は、ご本人が決断されることで第三者が介入できるものではない。トップという権力の座には、佞臣が群がる。甘い蜜に集る蟻の如く。帝王学、「貞観政要」が想起される。諫言を受けることができる「師」や「友」に恵まれなかったのかどうか?
 1996年60歳で東芝社長に就任、64歳で東芝会長に。この時東芝の改革道半ばというより、未だ2合目だったと述懐されている。その上69歳の東芝会長退任までの期間、三つの公職に就任。この「公」と「私」(東芝の経営)のバランスをどのように考えておられたのか?
 10年前(71歳)の時点で足に問題を抱えておられた。心身一如。ご本人の意識や感覚とは裏腹に、重責に耐えることが出来なくなっていたのかもしれない。
 戦後最大の経済事件として連日、マスメディアを賑わした「イトマン事件」の渦中にあった磯田一郎住友銀行会長の姿が彷彿と甦る。当時(1990年)77歳。その三年後他界。
 経営者の定年は、一考の価値があるのではないか。(2017/10/27 21:47)

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