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近代日本画再評価は飾り方改革から

ライフスタイルに応じて楽しむための情報が文化を広げる

2016年2月22日(月)

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 子供のころ、日本画は身近なものだった。もう少し正確に言うと、母親が素人画家だったので、家に、岩絵具、胡粉、にかわなどの画材が常にあり、その独特な色・形、においなどに親しんでいたのだ。大抵、書きかけの絵が机上にあり、大判の日本画家の画集が応接間の本棚の一角を占めていたのも思い出す。と言っても、そこは子供のこと、日本画そのものへの興味は低く、いつの間にか、縁遠くなってしまった。

 ありがちなことだが、それから何十年もたって、なぜか日本画を見るのが好きになり、ときどき展覧会に通うようになった。最初は、広重の浮世絵の構図の面白さにひかれるといったところが入り口になり、そのうち、琳派の絢爛さや現代のデザインにも通じる模様の面白さが気になりだす。

 白隠さんや仙厓さんの禅画に息を飲み、山種美術館で近代の諸作家の展覧会を見る機会が続く、というあたりで、「あれ、これって、三つ子の魂なんとか、という類で、幼少期の刷り込みが効いているのだろうか?」と気付かされることになる。おそらくそういう意図はなかったのだろうが、結果的に刷り込み効果を残しておいてくれた母親は既になく、残念なことに「最近、日本画が好きになってきて」と話す機会もないままになってしまった。

 さて、少しずついろいろな日本画を拝見してくると、もっと楽しむために少しは勉強した方がいいという当たり前のことに気づく。

 そんな折り、テレビの鑑定番組でも知られる思文閣の田中大さんから、ご著書を頂戴した。「鑑定士田中大・檀ふみの書画の世界:楽しむためのコツ」(淡交社)という本だ。

 日本の「画」と「書」について、初心者が自分のライフスタイルの中で楽しむために役立つような内容を、田中さんと檀さんが作品を見ながら対談するという仕立てで構成したグラフィックな書籍である。

 実は、ここのところ、何人かのグループで日本画について教えていただく機会を作ってきたのだが、田中さんにも、先だって京都画壇についてのお話をうかがうことができた。その後のフォローアップとしてだろう(おそらくは初心者に最適なものを見つくろって)、お送りいただいたのだ。

 この本、少なくとも私には実に面白く、数年考えてきた課題の解決にも光を与えてくれることとなった。

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「近代日本画再評価は飾り方改革から」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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