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複数の時間軸に立たないと本質を捉えられない国際情勢や経済動向

だがその感覚を身に付けるのは簡単ではない

2015年9月7日(月)

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 以前、一流ミュージシャンの持つ3種類の時間感覚について、書いたことがある(該当記事:企業は3種類の時間感覚で成長する)。

 優れたミュージシャンは、ノリやグルーブを生む大変短い時間の中での音の配置と流れから、1ステージ単位の長い時間の中でのメリハリ感まで、複数の時間感覚を同時に働かせながら、プロの素晴らしさを感じさせる演奏をしている。

 企業経営においても、同様に複数の時間感覚を同時に持つ。そして、それらの感覚の間を自由に行き来しながら、意思決定を行い、組織を動かしていく。そうしたことが必要ではないかという趣旨の話を展開した。

 自分自身が音楽好きで、素人ミュージシャンだったこともあって、こういう話をしたところもあった。最近、別の局面でも「複数の時間感覚」を同時に持つこと、さらには、それぞれの時間感覚とひもづいた「大きな時代変化」を同時に意識することが大事だな、と思うことしきりだ。

 きっかけは、友人でもある国際政治・地政学の専門家であるイアン・ブレマーとの対談だった。彼との議論の中で、最近、そしてこれからの国際情勢の大きな変化について話をした。その議論の俎上に上がる時間感覚が、「ここ数年」という単位から「1000年」という単位まで、何度も揺れ動くことを繰り返す経験をした。

 彼の専門分野である国際政治についてだけではない。こちらが議論を仕掛ける側に立つ(国際政治と相互に影響を及ぼしあっている)国際経済の状況、そしてその背後にある成長(と衰退)の原動力についても、同様だった。

 至近時点を見る立場から超長期の視点まで、複数の時間軸に立った議論が、本質的な流れと変化点をつかむ上で避けて通れないのだ。

複数の時間軸が重層的に絡み合う

 少し、具体例をお話ししてみよう。地政学的に見れば、現在起こっている世界的なリスクの高まりの根源には、冷戦終結後から続いてきた米国一極集中の時代から、少なくとも経済規模においては、当面は中国、そして将来はインドも交えた多極化の時代へのシフトがある。

 こうしたパラダイムの移り変わりが始まったばかりであり、移行期特有の不安定さがあること。また、将来の多極化の姿が一体どういうものかが見えないことからの不透明さがあること。これが、現在のリスク増にも影響している。

 この議論は、大体1945年ごろからの100年を俯瞰しつつ、2000年代の当初20年程度について語る、ということになる。

 さて、この100年の根源的な流れをベースにしつつ、20年の時間軸で議論をしていても、当然、具体的な課題を語る中で、ロシアのプーチン政権の姿勢、あるいは中国の習近平政権の完全な権力掌握に向けた動き、といった1~2年単位での動きのような短めの時間軸の議論が、重層的に絡み合ってくる。

 さらには、中東情勢やアフリカの今後といったように論点が拡がると、欧米列強の植民地化という数世紀にわたる長い時間軸での歴史的背景、あるいは第一次・第二次大戦後の欧米列強による人為的国境線策定という、歴史的ではあるが短い時間軸について、時間軸が揺れ動くことになる。

 最初に挙げた100年の時間感覚が一番の下敷きになっていて、まさに複数の時間軸と時代の変化を、同時に感じているという感覚だ。

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「複数の時間軸に立たないと本質を捉えられない国際情勢や経済動向」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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