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やはり残るインダストリー4.0の違和感

本当に第4次産業革命になるのか

2015年10月26日(月)

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 さて、前回に引き続き、「インダストリー4.0」の話をしよう。前回(インダストリー4.0がピンと来ないワケ)では、ドイツを例に取り、雇用にどのような変化をもたらすかについて書いた。今回はもう少しダイレクトに、産業にとってどのような収支メリットが発生しそうかに触れてみたい(前回と同様、BCGの欧州の専門家グループによる、ドイツ、特にその製造業についてのインダストリー4.0のインパクト分析に基づく)。

 結論から申し上げれば、これから5~10年という幅の中で顕在化しそうなメリットは、まずドイツの製造業のトータル生産コストの5~8%に当たる約12兆円から約20兆円のコスト低減。そして、ドイツの総生産額の1~2%に相当する約2兆6000億円から約5兆2000億円の売り上げ拡大が想定されている。

 冒頭の図表1に示したように、コスト削減の大部分は、自動車、食品・飲料、そして機械関連の業界における加工費用の減少からもたらされる。いわゆるマスカスタマイゼーション、すなわち顧客の要望に応じた多品種少量生産を低コストで行うことが可能になる。それが最大要因だ。

 コスト削減を業界別に見ると、実金額のインパクトは、製造業生産額の2割以上を占める自動車業界からのもの。そして生産性拡大余地があり市場も大きい食品・飲料関連業界からのもの。この2つがかなりの割合を占めるとされている。下の図表2に自動車業界のメリットの詳細も掲げておくので、ご参照いただきたい。

 また、売り上げ拡大の方は、図表3に示すように自動車、食品・飲料業界に加えて、ファクトリーオートメーション業界などの機械関連業界からのものが大きい。インダストリー4.0が、製造現場の生産性改革を大きな狙いの1つとしているのだから、当然だろう。

 ドイツで言えば、シーメンスやベッコフ、日本で言えば、オムロンや三菱電機。こういったFA関連企業のうち、この流れに即した製品を適切なタイミングで出していける企業が市場拡大のメリットを享受できるということであろう。

 さて、これらの分析を眺めていて思うのは、やはり「第4の産業革命」とはやされるようなジャンプ感が感じられない、ということだ。

 コスト、売り上げの改善として、20兆円とか5兆円という数字は、なかなかのインパクトがあるものだ。

 しかし、インダストリー4.0がデータアナリティクスやロボティクスの進化を通じて、産業革命に匹敵するインパクトをもたらす、というふうには思えないのだ。

 この気持ち悪さを解くカギは、時間軸と技術変革の屈曲点にあると思う。

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「やはり残るインダストリー4.0の違和感」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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