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「NHK国谷裕子キャスター降板」に思う

"いやーな雰囲気"は本気の証

2016年1月29日(金)

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 NHK「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子さんが降板されると聞きました。凛とした姿勢が好きでよく番組を拝見していましたので残念です。理由がいろいろ取り沙汰されていて、もやもやした気持ちが消えません。(40代、女性)

遙から

 「女性を応援する」「女性が活躍する社会」――そうしたスローガンを沈鬱な面持ちで聞き流している女は私だけだろうか。そう思わずにはいられないNHK「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子氏の降板確定だった。彼女が番組を通じて発信する情報は、彼女自身のパーソナリティ、理念なしには成立しないと視聴者ならお気づきだろう。構成台本であらかじめ書けることには限界がある。台本を超えて、突っこんで聞きたいことが彼女にはあった。そして、そこがこの番組の見どころだった。

闇の中で考える

 忘れられないのは2008年、新銀行東京の経営危機をめぐる問題で石原慎太郎都知事(当時)に迫った時だ。「よろしくね~」的態度で登場した知事に向かって厳しい質問を重ね、不機嫌を隠さない知事になおも追及を続けた。番組の最後で「ではまた」と締める国谷さんが汗だくだったのが、目に焼き付いて離れない。この人は命を削るように仕事をしている。相手を怒らせることを承知で、相手にとって最も嫌なことを質問している。そのせめぎ合いに全力で臨む真剣さが、汗の量に表れていると感じた。

 私自身(比べるのも失礼な話だが)、トーク番組に出演後、衣装を脱ぐ時に「これほど汗をかいたのか…」と自分で驚くことがある。本番中はそれほど話のやり取りに集中している。喫茶店で4時間喋っても汗はかかない。公開の場で、相手が怒るとわかっている質問をして、怒らせる。その怒りの矛先が自分に向けられる。そういうことがどれほどのストレスか、私にも少しだけわかる。

 彼女の降板理由と噂されているのが、集団的自衛権をめぐる問題で菅義偉官房長官をゲストに迎えた回だという。

 降板確定後のメディアを見る限り、「しかし、しかし」と執拗だった、とか、菅氏がまだ喋っている途中に番組が終わり、NHKが後でえらく叱られたとかいう話も流れているが、菅氏は否定している。

 とするならば、あれほど優秀で度胸も勇気もあり、20年以上番組に貢献し、幅広い年代の人々に受け入れられている稀有なキャスターが降板する理由は闇の中だ。SMAPの解散報道と似ている。本当のところは外からではわからない。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

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「「NHK国谷裕子キャスター降板」に思う」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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川野 幸夫 ヤオコー会長