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病人をまたいで帰宅した日

春一番に不測の事態への向き合い方を考える

2016年2月26日(金)

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 東日本大震災から5年が過ぎようとしています。私は幸いにもこれまで被災した経験はないのですが、例えば関東・東海地方でも、いつ大きな地震が起きてもおかしくない状況にあるといった話を聞きます。阪神淡路大震災を経験された遙さんの、不測の事態への心構えなどを教えてください。(30代女性)

遙から

 災害というものを“当事者”として経験したことはこれまでなかった。

 もちろん阪神淡路大震災は経験したし、東日本大震災の余波も何度か経験したが、私に“当事者”という感覚はなかった。

 たった一日。あの、春一番が吹いた日にそれはあった。

瀬戸大橋の春一番

 その日、私は高知県で講演をする予定だった。会場は山間部にあり、岡山県から瀬戸大橋を在来線で渡り、車で延々走り、その村へ行く。多くの皆さんに来ていただけると聞き、楽しみにしていた。

 が、前日、日程表を見ていて虫の知らせのようなものを感じた。
 「この在来線に、乗りたくない…」。

 ネットで他の往路がないか調べたが、岡山駅から高知まで車で3時間、迎えに来てもらうとなると企画会社に負担を強いる。飛行機は便がない。選択肢はない。

 当日、岡山で在来線に乗り換えしばらく走った後だった。車内アナウンスが流れ電車が止まった。

 「突風のため、瀬戸大橋が渡れません。風が止んだら順次、前の電車から走ります」

 私は四国の企画会社の担当者に電話し状況を伝えた。瀬戸大橋事情は地元担当者が最もよく知るはずだ。

 「もし順調なら講演開始の何分前に現場到着予定でしたか」
 「50分前です」
 「なら、電車が停止しても、動き出すまで50分は猶予がある。様子を見ましょう」

 実際、運転士はいつでも発車できるよう運転席にじっと座ったまま前を睨んでいる。下手に降りて電車が出発してもいけない。

 停止から10分後、「出発します」という車内アナウンスと共に動き出した。

 「動きました」
 「よかったー」

 安堵の会話を担当者と電話で交わした。

 が、直後にまた「突風のため停止いたします…」のアナウンス。判断を迫られることになった。

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「病人をまたいで帰宅した日」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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