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ご相談
周りに嫌われるのが怖くて、つい「いい子の発言」をしてしまいます。いつも本音で話せる人になれたら、と思うのですが、現実にはなかなか難しいです。(20代女性)

遙から
誰が結婚しようが、どのタレントに第2子が生まれようがあまり興味のない私だが、恋愛結婚報道にかまびすしい芸能界ネタから、"マーケットを探る"という研究はできるもので、そこから学べることもある。今回はたまたま「堀北&山本電撃結婚」に至る、40通のラブレター、新幹線でのサプライズプロポーズといった、ドラマティックな出来事を番組で扱った。そこで、恋を結婚に発展できなかった、あと一歩で逃した熊切あさ美さんと共演した。スタッフの抜け目のないキャスティングを横目に思い浮かんだ"マーケット"についてのあれこれを、少々整理してみたい。
「いい女のなり方を勉強します」
番組冒頭、堀北真希さんの結婚に至る経緯をパネルで振り返るシーンで、熊切さんが言ったひと言に私はひっかかった。
彼女はこう言った。
「いい女のなり方を勉強します」
…なんだその殊勝さは。いい女? 結婚をあと一歩で逃した女はいい女ではなく、ゲットした女はいい女か。自らを卑下し、心中穏やかではいられないであろう他人の結婚話を前にして「勉強します」と言えるいい子ちゃんに、「そんないい子だから取られたんだよっ!」という本音は言わずにおいた。「いい女のなり方」というのも何やら収まりの悪い言い回しだが、これも言わないでおく。
情報では堀北さんは頑なにケータイ番号を教えなかったという。ちなみに熊切さんに聞くと「すぐ教えた」と照れながら言った。
…すぐ教えた。なんの引っ張りも思わせぶりもなく。
堀北さんはグループでの飲み会も「私、そういうの行かないんで」と山本さんのお誘いを断ったという情報だった。
熊切さんに聞いてみる。
「誘われたら、すぐついて行った?」
「すぐ行きました」
「……」
互いを見つめ合って、女同士ならではの情けない顔をした。
相手を好きになった自分の気持ちに正直に、と考えれば、すぐに電話番号を教え、誘われたら迷わずついていく、は彼女にとっては正答なのだろう。でも結果、付き合っているつもりが「別れました」と公表されてしまった。かたや、40通のラブレターに返事もせず、誘いにも乗らず、連絡先も教えなかったら、たまらなくなった男性からプロポーズされた。女と男、人と人のことだから、何が正解と言えるはずもないが、こと「結婚に向けた自分マーケティング」的に考えれば、彼女にとっての教訓はありそうだ。