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くつろぐことは難しきかな

地方の大型ホテルにて

2017年10月13日(金)

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何を食べれば…

 三日目。バイキング会場でお馴染みの銀の大蓋を開ける。今日も焦げ目のないベーコンがいる。そっと蓋を閉じる。隣の蓋を開ける。今日も焼いたのか煮たのかわからないソーセージが。そっと蓋を閉じる。

 目玉焼きは今日もしっかり熱が行き渡り、すっかり固くなった黄身がこちらをじっと見ている。山盛りのキャベツは何だか細かく切り過ぎじゃないかと思ったのだが、最近の流行なのだろうか。

 地元の新鮮な食材!みたいなものがあったらいいのになあ、という願いはかなわず、ふと頭に浮かんだのは、ごく普通の喫茶店で出してくれるモーニングセットだった。嗚呼、焼きたてトーストのバターの香りが恋しい…。

 自分の順応性のなさを嘆きつつ、「さて、これから何を食べて過ごそうか」というストレスがまた1つ。

 レストランを見渡すと、10人くらいの客がバイキングを食し、もう終了間近だというのに、ほとんどの食材が大皿に残されていた。ああ、もったいない…。ああ、またいらぬストレスが…。

 バイキング以外に夜は鍋料理などもあるのだが、こちらはぐんと高額になる。まあ、ホテルのしっかりした食事が割高なのは仕方がないと、ちょっと歩いたところにある料理屋に行ってみた。ホテルと同じ料理が半額以下だった。値段の分、食材に差があるのかもしれないが、それほどの違いは感じない。

 なら、食事はその店で、といきたいところだが、交通量の多い国道沿いで、歩道もなく、街灯もない。すぐ脇をびゅんびゅん走り抜ける車に気をつけつつ路肩を歩く。向かいから人が来ると、車に警戒しつつすれ違う。暗く慣れない夜道で足元にも気を使う。何だか気が休まらない…。

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「くつろぐことは難しきかな」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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