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「松居劇場」と「藤吉劇場」を関西風味で

「儲かってまっか」じゃダメなのか

2017年12月22日(金)

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質問

今年は(今年も?)いわゆる不倫騒動がいろいろありましたね。対応の仕方もいろいろですが、どのようにご覧になりましたか。芸能界的には下世話ながら「話題になればよし」という面もあるのでしょうか。これまであまり関心もなく…という感じだったのですが、年明けから広報的な仕事を担当することになり、いわゆる危機管理というか企業イメージ対策的な観点から関心を持った次第です。(30代女性)

遙から

 私は自分の感性がおかしくなったのではないだろうかと首を傾げるほど、世間の感性とは真逆のものを感じている。

 世間で共有されている価値観めいたものを前提として、番組のコメンテーターたちは発言する。番組もおおむね自分達の意見がテレビの向こう側の世間と共鳴しているはずと信じて何やらを口にしているはずだ。

 つまりは美しいとされているものを「美しい」と口にし、醜いとされているものを「ああ醜い」と口にする、といった具合に。それが私は自分で「真逆だ」と慄然となったのが、その、不倫騒動だった。

違和感への違和感

 それは、同日に放送された、松居一代氏の離婚勝利宣言記者会見と、藤吉久美子氏の不倫騒動記者会見だった。

 情報番組でのコメンテーターたちの反応はおおむね、松居氏の出来事を「ああ醜い」と言い、藤吉氏夫婦を「ああ美しい」と言った。

 はて。私にはそれらが真逆に感じて仕方がないのだ。

 まず、松居一代氏の会見については、記者の「なぜ、"勝利"と位置づけるのか。おかしいではないか」といった問いについて、彼女の「相手側とのことがあって、発言に制限がある」といった言葉を私は重視した。自由に発言できない背景がある。が、そのうえで勝利だと宣言することを理解してくれと要求する彼女に記者は「一番大事なものは何か」と問い、「財産だ」と答えた瞬間、番組内ではざわつきが起こる。やっぱりカネかと。そこに着地することも、それを口にすることも、自分達にはあり得ない、といった嫌悪感めいた価値観が番組に満ちる。

 私は違った。

 離婚訴訟について自分の財産を守れたこと。それを指して"勝利"と位置づけることに、私はなんら違和感を覚えないし、当然だと思う。

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「「松居劇場」と「藤吉劇場」を関西風味で」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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