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韓国の最大手労組が労働市場改革で政府に妥協

他の労組と野党の怒りは収まらず

2015年9月16日(水)

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 韓国政府の労働市場改革案を巡って、1年近く続いた政府、企業、労働組合の代表が集まる労使政委員会が9月13日の夜終わった。この交渉は2014年10月政府が案を出し、同年12月から始まった。2015年4月に労働組合代表の韓国労働組合総連盟が交渉決裂を宣言したため、いったんは中断した。しかし、8月に同総連盟が労使政委員会に復帰し、9月8日から交渉が再開していた。

 労使政委員会は労働政策に関する大統領の諮問委員会である。労使政委員長、雇用労働部(部は省)長官、韓国経営者総協会(日本の経団連のような団体)会長、韓国労働組合総連盟委員長の4人で構成する。

 労使政委員長は9月13日の夜、韓国労働組合総連盟委員長が政府の案を受け入れ、具体的な手続きや立法については今後協議するかたちで妥協したと発表した。だが、労使政委員会で合意がなったにもかかわらず、労働市場改革案を巡る議論はまだ続いている。メディアもネットも、政府が出した労働改革案に対する賛否両論を騒がしく紹介している。

 交渉が継続していた9月11日、政府と与党のセヌリ党は、労使政委員会で合意に至らなくても、政府がまとめた改革案通りの労働市場改革を9月14日から始めると立場を表明した。このことから複数の韓国メディアは、韓国労働組合総連盟が政府とセヌリ党の圧力に負けて合意したのではないかと報じている。

 労使政委員会に参加していないもう一つの大手組合連盟である、全国民主労働組合総連盟は「労働市場改悪阻止のため11~12月に総ストライキを行なう」と予告した。

 野党の新政治民主連合は「政府のしたいようにするなら、なんのために今まで交渉を続けたのか」と猛反発している。

 韓国政府がまとめた労働改革案は、(1)すべての公共機関と551の民間事業場に賃金ピーク制を導入する、(2)派遣労働者・特殊雇用職の産業災害を認める案をまとめる、(3)勤労時間の短縮及び通常賃金の範囲を明確にする――といった内容だ。

 賃金ピーク制は定年を延長する代わりに一定年齢に達したら賃金を削減すること。通常賃金とは勤労者に定期的に支払う賃金のことで、平均賃金の最低限度、解雇予告手当、時間外勤務手当、有給休暇手当、出産前後休暇給与を算定する基礎となる。このほかに、一定期間が過ぎた派遣労働者を非正規職のまま、より長く雇用できる方向での法改訂も予定している。

 この改革を推進するために、韓国政府は勤労基準法、派遣勤労者保護法、期間制及び短時間勤労者保護法、雇用保険法、産業災害保険法の5つを改訂しようとしている。チェ・キョンファン副総理は「古い慣行を改善して雇用を増やすのが、政府が労働市場改革を進める目的だ」と説明した。

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「韓国の最大手労組が労働市場改革で政府に妥協」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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