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マイナス金利なら、もう日銀に国債は売らない!

2016年2月12日(金)

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 欧州でマイナス金利の導入が相次いでいる。2012年7月にデンマークの中央銀行が世界に先駆けてマイナス金利に踏み切って以降、欧州中央銀行(ECB)、スイス、スウェーデンの順で中央銀行が実験的にマイナス金利を導入した。ECBとスウェーデンは量的金融緩和策も実施している。

 このような状況の中、日本銀行は1月29日、政策委員会・金融政策決定会合で、日本の歴史上初となるマイナス金利導入を決定。2016年2月16日から適用する。マイナス幅は▲0.1%である。デンマークの▲0.65%、ECBの▲0.3%、スイスの▲0.75%、スウェーデンの▲1.1%に比べて、その幅は小さい。

 マイナス金利政策が物価や貸出金利、投資に及ぼす影響がどれほどの効果をもつか、ECBなど欧州の経験をみても不確かな部分が多い。それにもかかわらず日銀が導入を決定した背景には、マネタリーベースを未曽有の規模に拡大したにもかかわらず、2%のインフレ目標を達成する見込みが立たず、量的・質的金融緩和の限界が明らかになりつつあったことがあると考えられる。

 では、マイナス金利政策に期待は持てるのか。結論を先に述べると、残念ながらそれはない。

 日銀は今回、欧州(スイスやデンマークなど)が既に導入したのと同様の階層方式を採用した。民間金融機関が日銀に預ける預金(以下「日銀当座預金」という)を3層に分割し、それぞれにプラス金利(0.1%)、ゼロ金利、マイナス金利(▲0.1%)を適用する(図表1参照)。

図表1:マイナス金利と3層構造の仕組み
(出所)日本銀行資料

 日銀の公表資料によると、日銀当座預金の3層構造は次の通りである。まず「基礎残高」。これにはプラス金利を適用する。その額は「昨年1年間の当座預金の平均残高(約210兆円)」だ。

 次に、「マクロ加算残高」にはゼロ金利を適用する。これは「所要準備額・貸出支援基金と被災地支援オペの合計額(約40兆円)に、日銀当座預金のマクロ的増加を勘案して裁量的に定める『マクロ加算』を加えたもの」をいう。そして、マイナス金利を適用する「政策金利残高」だ。この政策金利残高は「日銀当座預金-基礎残高-マクロ加算残高」と定義される。

 マイナス金利政策で重要なカギを握るのは、日銀が裁量的に定める「マクロ加算」の幅や、マイナス金利の幅である。もしマクロ加算が0兆円であれば、マクロ加算残高は40兆円になる。日銀当座預金が260兆円であれば、上述の定義により、政策金利残高は10兆円(=日銀当座預金260兆円-基礎残高210兆円-マクロ加算残高40兆円)となり、この部分にマイナス金利が適用される。

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「マイナス金利なら、もう日銀に国債は売らない!」の著者

小黒 一正

小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

法政大学経済学部教授

1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。専門は公共経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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