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医療費の自己負担率を疾病別に:実態調査で試算

公的医療保険改革のコアは給付範囲の哲学の見直し(2)

2015年12月7日(月)

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 前回のコラムを参考に、疾病別の自己負担を導入し、公的医療保険の給付範囲の見直しを行ってみよう。

 まず、大雑把な医療費の分布を把握するため、厚労省「医療給付実態調査」(平成25年度)の第6表を利用し、入院外と入院の医療費の分布を確認する。

 入院外の医療費(診療報酬)の点数分布は以下の図表1の通りである。

図表1:入院外の医療費の点数分布
(出所)厚労省「医療給付実態調査」(平成25年度)第6表から筆者作成

 入院外の分布を見ると、「500点未満」が全体の39.0%、「500点以上1000点未満」が27.9%、「1000点以上2000点未満」が19.7%で、2000点未満が合計86.6%を占めている。これは、入院外の場合、1件の医療費が2万円未満である診療が全体の約85%を占め、全体の約40%が5000円未満の診療であることを意味する。診療報酬は基本的に「1点=10円」だ。

 他方、入院の場合は異なる。図表2が入院の医療費(診療報酬調剤報酬)の点数分布である。

図表2:入院に関わる医療費の点数分布
(出所)厚労省「医療給付実態調査」(平成25年度)第6表から筆者作成

 入院の分布を見ると、「20000点以上30000点未満」が全体の11.7%、「30000点以上50000点未満」が27.9%、「50000点以上80000点未満」が19.8%、「80000点以上」が15.9%で、20000点以上が合計75.3%を占めている。これは、入院の場合、1件の医療費が20万円以上であるケースが全体の約75%を占め、80万円以上であるケースも15.9%も存在することを意味する。診療報酬等も基本的に「1点=10円」である。

 このため、公的医療保険が担う基本的役割を堅持しつつ、財政再建を行うため、自己負担を引き上げる場合、最初に引き上げの検討対象となるのは、入院外の医療費であろう。

コメント2件コメント/レビュー

目的は同じだが、「医療費の自己負担率を疾病別に」では医療費は削減できない。平均して自己負担率を上げるのであれば減るだろうが、医療機関と患者が実際どの様に健康保険や医療保険を利用しているか分かっていないのではないか?医療機関は自己負担が少ない割に医療報酬の多い診察に振るし、患者は無駄と思っても自己負担が増えなければ不平は言わない。医療保険では手術で入院した時に同室だった男は、折角の入院の機会を最大限利用すべく、既に完治しているにも拘らず「まだ完治していない」と主張して退院に同意しなかった。病室で携帯電話は掛けまくるは、家族や知人は毎日遊びに来てワイワイガヤガヤやっていた。医者も看護師も分かっているのに退院させない。恐らく医療保険には国の予算は使われないだろうが、こういう悪質な行為も医療や保険制度をダメにしている。実質保険泥棒なのだから犯罪として取り締まらないと、ますます付け上がってエスカレートする。即ち、「性善説」に基づいた仕組みは「性悪説」に基づいたそれに完全に入れ替えないと日本は良くならない。折角良い仕組みを作っても、それの悪用を許さない厳格な態度が社会全体として共有されないと実質で良くならない事に良い加減で気付くべきだ。(2015/12/07 20:41)

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「医療費の自己負担率を疾病別に:実態調査で試算」の著者

小黒 一正

小黒 一正(おぐろ・かずまさ)

法政大学経済学部教授

1974年生まれ。京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。専門は公共経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

目的は同じだが、「医療費の自己負担率を疾病別に」では医療費は削減できない。平均して自己負担率を上げるのであれば減るだろうが、医療機関と患者が実際どの様に健康保険や医療保険を利用しているか分かっていないのではないか?医療機関は自己負担が少ない割に医療報酬の多い診察に振るし、患者は無駄と思っても自己負担が増えなければ不平は言わない。医療保険では手術で入院した時に同室だった男は、折角の入院の機会を最大限利用すべく、既に完治しているにも拘らず「まだ完治していない」と主張して退院に同意しなかった。病室で携帯電話は掛けまくるは、家族や知人は毎日遊びに来てワイワイガヤガヤやっていた。医者も看護師も分かっているのに退院させない。恐らく医療保険には国の予算は使われないだろうが、こういう悪質な行為も医療や保険制度をダメにしている。実質保険泥棒なのだから犯罪として取り締まらないと、ますます付け上がってエスカレートする。即ち、「性善説」に基づいた仕組みは「性悪説」に基づいたそれに完全に入れ替えないと日本は良くならない。折角良い仕組みを作っても、それの悪用を許さない厳格な態度が社会全体として共有されないと実質で良くならない事に良い加減で気付くべきだ。(2015/12/07 20:41)

「子供たちにツケを残さないために」
これは確かに重要な事ではありますが、「子供たちに残すツケ」はクニノシャッキン(国債残高)だけでしょうか?

むしろ、「病気になっても公はあてにならないから自分で民間保険に入らなくては」「老後の公的年金は十分でないから自分で積み立てなくては」というのこそ、巨大な「子供たちに残すツケ」なのではないでしょうか?

日銀が買い取ってしまえば消えてなくなるクニノシャッキンより永遠に孫子の代まで民間保険会社に貢ぎ続けなくてはいけない社会を残す方が、余程「子供たちにツケを残し」ていると思いますよ。(2015/12/07 14:31)

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