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写真の決めポーズが「プロモの手段」になる時代

決めポーズの現代史(後編)

2015年8月8日(土)

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 写真メディアと決めポーズ(写真撮影時の姿勢・表情)の歴史を追いかけるコラムの後編です。前編ではカメラとカラー写真の普及期に登場した「ピースサイン」や「ガッツポーズ」、プリクラ(写真シール機)の普及期に登場した「eggポーズ」を紹介しました。後編の今回は、引き続き2000年以降の状況についてまとめてみます。

写メの時代(1)プリクラの影響力が継続

 ゼロ年代(2000年~2009年)に入ると、写真メディアの歴史に「写メ」という新メディアが加わることになりました。

 そもそも写メは「写メール」という商標の省略形です。2000年11月にJ-PHONE(ジェイフォン/現ソフトバンク)が、カメラ付き携帯電話J-SH04(シャープ製)を発売。同社はその翌年の夏季キャンペーンにおいて、写メールという広告コピーを使用したのです。写メはその省略形ということになります。ちなみに写メールは、のちに正式なサービス名(写真画像を添付できる電子メールサービスの商標)になりました。

 この写メールや写メといった表現が、一般では、携帯電話で撮影した写真(あるいはそれを添付したメール)の俗称になったわけです。このよう俗称化・普通名詞化する経緯は、プリクラ(商標である「プリント倶楽部」の略称)の経緯によく似ています。

 さて決めポーズの重要な担い手である若い女性の間では、写メが重要なコミュニケーションツールとなりました。実際ゼロ年代には、写メ関連の俗語が誕生しています。例えば現代用語の基礎知識は、写メの交換を意味する「写メ交」(初出は2007年版)という言葉を掲載しました。このような言葉の存在も、写メがコミュニケーションツールであったことを暗に示しています。

 なお本稿では、以下で便宜的に「写メの時代」という時代呼称を使います。しかし実際には、この時代も引き続き「プリクラ」文化から新しい決めポーズが登場していることに留意してください。

写メの時代(2)変顔

 変顔という言葉が登場した時期ははっきりしません。ただ筆者が調べた範囲で最古の用例は、2000年のスポーツニッポンの記事にありました(2000年6月3日「女子高生マニュアル/かおりちゃん 都立女子高2年の1日」)。したがって遅くとも2000年までには、この言葉が登場していたものと思われます。ただし記事内に登場する変顔は、プリクラを撮影する時の決め顔ではなく、友達の部屋で楽しむ遊びとして登場していました。

 プリクラと変顔が結びついた(筆者が確認できた範囲で)最古の用例は、女子高生の投稿を掲載した2005年の沖縄タイムズの記事でした(2002年6月2日「オピニヨン人:プリクラ かわいく撮りたい」)。この中で投稿者の女子高生は「いつもプリクラで変な顔が撮れてしまう。友達には『あんた変顔で撮るのうまい』と言われる」という趣旨の悩みを吐露していました(「」内は筆者要約)。この用例では、まだ「意図的に変な顔を作る」意味はありません。

 変顔に「故意」のニュアンスを発見できる最古の用例は、2003年の朝日新聞の記事にありました(2003年10月26日「ウチらのはやりモン:プリクラ 機種見分ける達人も」)。この記事の最後に「わざと変な顔で写る『変顔(へんがお)』もはやってるよ」(記事より引用)とあるのです。この用例は、確実に決めポーズとしての変顔であるといっていいでしょう。

 ちなみに変顔を取り上げる新聞記事が本格的に増えるのは、2010年代以降――後に紹介する「モバイル時代」以降――のことです。以下に新聞記事数の推移をグラフで示しておきましょう。ともあれ変顔という言葉は、写メ時代の初期までに成立して、プリクラ文化の中で育ち、モバイル時代に花開いた言葉、とまとめることができそうです。

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「写真の決めポーズが「プロモの手段」になる時代」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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