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ある英語の辞書が載せた「先輩」の妙な語意とは

2015年11月28日(土)

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 筆者は某所でこんな不思議な情報を耳にしました。「日本語の『先輩』という言葉を、一部の英語話者が理解するようになった」「しかし、どういうわけか『senpai=私のことに気づかない人』という意味になっている」というのです。

 「そんな馬鹿な」と思いながら、グーグルでsenpaiというキーワードを入力すると、とある読者投稿型の英語辞書サイトが真っ先に見つかりました。そのサイトが掲載していたsenpaiの意味を調べると、なるほど確かに「Someone who will never notice you」(あなたのことに決して気づくことのない人)という説明が登場するのです。

 ただ問題は情報の信憑性です。サイトの名はUrban Dictionary。英語圏のネットサービスに詳しい人ならピンと来ることでしょう。このサイトにはジョーク・皮肉・感想の類(たぐい)がよく投稿されるのです。例えば、このサイトでObamacare(オバマケア=米医療制度改革法の通称)を検索してみてください。ここでは詳しく述べませんが、言葉の「解説」というよりは、辛辣な「批評」と思える文章を発見できると思います。

 以上を踏まえたうえで結論を先に申し上げると、前述したsenpaiの意味はジョークによる投稿だと思われます。

 ただどうしてUrban Dictionayにこんなジョークが投稿されたのか。そもそも「私に気づかない人」がなぜジョークなのか。その経緯が気になるところです。

 今回の「社会を映し出すコトバたち」は「先輩」という言葉がどのような経緯で英語の「senpai」になったのか、また前述したジョークがどのように誕生したのか、分析してみましょう。

そもそも「先輩」とは何ぞや?

 まずは先輩という言葉について復習しておきましょう。なにしろ英語には、先輩に相当する概念がないのです。「外国の人に先輩の意味をうまく説明できず困ってしまった」という話も、個人的に聞いたことがあります。まずは外国人に説明できる程度に先輩の概念をまとめておきます。

 先輩という概念を理解するためには「輩」(ともがら・やから・なかま・ハイ)という漢字を理解するのが近道です。

 この漢字はもともと、軍隊で車馬(しゃば=車をひく馬)が隊列を組んで並んでいる様子を表したもの。中国の古い漢字辞典「説文解字(せつもんかいじ・西暦100年に成立)」には「車馬の百両を『輩』という」との記述があったそうです。そしてその戦闘集団の一単位を「同輩」と呼んでいました。このことから輩には「同じ立場のグループに属する要素」というイメージが存在します。

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「ある英語の辞書が載せた「先輩」の妙な語意とは」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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