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11日朝、日本、世界最小ロケットで衛星打ち上げ

47年前の打ち上げ方法を最新技術でリファイン

2017年1月10日(火)

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注:本記事は10日公開のものです。11日朝に予定されていた打ち上げは予定時間の3分前に延期となりました。

 メルセデス・ベンツ1台とだいたい同じ重さの、小さな、しかし興味深いロケット打ち上げが1月11日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)・内之浦宇宙空間観測所から行われる。「SS-520」ロケット4号機による東京大学の超小型実験衛星「TRICOM-1」打ち上げだ。SS-520の4号機は直径520mm、全長9.54m、全備重量は2.6トンしかない(メルセデス・ベンツSクラスの「S300hロング」は車両総重量2.505トン)。

 ちなみに昨年12月20日に同じ内之浦から打ち上げられたイプシロンロケット2号機は、小型と言いつつも重量が95.4トンある。

ランチャー上に姿を現したSS-520ロケット4号機。サイズの小ささが伺える(1月9日、内之浦宇宙空間観測所にて。撮影:松浦晋也)

 これまで世界で公開されている衛星打ち上げの記録を見ると、今回の打ち上げは史上最小のロケットによる衛星打ち上げなのである(軍事打ち上げなど非公開の打ち上げで、より小型の打ち上げが実施されている可能性はなきにしもあらずだが)。そして、今のところ公開情報レベルでの「世界最小の衛星打ち上げロケット」の記録は、日本が保有している。1970年2月11日に日本初の衛星「おおすみ」を打ち上げた「ラムダ4S」ロケット5号機だ。ラムダ4Sは、重量9.4トンの4段式ロケット。23.8kgのおおすみを打ち上げた。

 ラムダ4SとSS-520・4号機の打ち上げ手法はやや異なるが、基本の考え方は同一だ。よく似た、しかし進歩した手法で、もっと小さな衛星(打ち上げるTRICOM-1は重量3kgの超小型衛星)を打ち上げるより小型のロケット――ラムダ4SとSS-520・4号機の大きさの違いは、47年の歳月がもたらした技術革新の結果なのである。

衛星打ち上げのために第3段を付加

 本来のSS-520は、衛星打ち上げ用のロケットではない。1970年代に開発された固体推進剤1段式の観測・実験用ロケット「S-520」に、同じく固体推進剤を使う第2段を付加した2段式の観測・実験用のロケットだ。140kgの観測機器や実験機器を高度800kmまで届けることを目的としている。ロケットは姿勢制御を行わずに、尾部のフィンによる空気力学的な安定と、ロケット本体をコマのように回転させることによるスピン安定で姿勢を保ち、ロケットの噴射終了後は放物線を描いて高度800kmに到達し、そのまま自由落下して最後は海面に落ちる。落下するまでの時間を使って、宇宙空間を観測したり、高真空や無重力といった宇宙環境を利用した実験を実施する。

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「11日朝、日本、世界最小ロケットで衛星打ち上げ」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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