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北朝鮮のミサイル、固体推進剤で脅威度急上昇

粘り強い開発と日本の工作機器が可能にした技術

2017年2月21日(火)

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 北朝鮮は2月12日午前7時55分(日本時間)、 朝鮮半島の付け根の西側にあたる平安北道・亀城(クソン)市の飛行場から弾道ミサイル「北極星2号」を発射した。ミサイルは朝鮮半島を西から東に横断して高度550kmに到達し、発射地点から約500kmの日本海に落下した。

 「北極星2号」は、昨年8月に発射実験に成功した潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)「北極星1号」の陸上発射型らしい。ここで注目すべきは北極星2号の推進剤だ。「北極星1号」に引き続き、「北極星2号」は、固体推進剤を使用していたのである。

北極星2号発射の様子(朝鮮中央テレビからキャプチャー)。一度圧搾空気で上に打ち出してから、空中で着火している。噴射炎と噴煙は間違いなく固体推進剤特有のものだ(※本文参照)。

 固体推進剤は、ミサイル内に充填した状態で長期の保管が可能で、その状態から着火すればすぐに打ち上げることが可能だ。意味することは重大である。北朝鮮は、小さいながらも“火を付けたらすぐに飛んでいく”有事即応型の陸上発射型弾道ミサイルを手に入れたのだ。弾道ミサイルを車両に乗せて移動し続ければ、ミサイル配備状況の監視は難しくなる。発射準備態勢に入ったところを叩く、という、従来の液体燃料を使ったミサイルでは可能だった対応ができなくなるのだ。

 ここで、北朝鮮が小型の核弾頭の開発に成功すれば、日本は「どこにいるか分からない、命令一下すぐに発射できる核ミサイル」の射程内に、国土の主要部分が含まれることになる。

 「北極星2号」の実験成功で、朝鮮半島の情勢は新しい段階に入ったと考えねばならない。容易なことではないが、周辺国は、なんとしても北朝鮮の核兵器開発を止める必要がある。

 今回は「ロケット開発」の視点から、この事態に至るまでを振り返ってみよう。

弾道ミサイルの推進剤は、液体から始まって固体が主流に

 ミサイルやロケットの推進剤は、大別して液体推進剤と固体推進剤の二通りがある。

 液体推進剤は、燃料と酸化剤(地上のエンジンでの、空気中の酸素に相当する)が別々の液体で、ロケットエンジンの燃焼室内で混合・燃焼させて燃焼ガスを噴射して推力を得る。

 「いざというときにすぐ撃ちたい」=有事即応性が重要なミサイルでは、窒素と水素の化合物であるヒドラジン、あるいはヒドラジンと硝酸を混ぜた赤色硝酸を推進剤に、四酸化二窒素を酸化剤に使用する。これらは常温で液体なので、ミサイルに詰めた状態である程度の期間は待機できる。しかし、同時にこれらの推進剤は毒性があり、かつ腐食性も強い。このため、長い間入れておくとタンクが傷むので、無制限に充填しっぱなしというわけはいない。充填作業自体も危険性が高く、取り扱いが難しい。

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「北朝鮮のミサイル、固体推進剤で脅威度急上昇」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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