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スペースX、ロケット「再利用打ち上げ」に成功

「できるところから、大胆に、したたかに」コスト低下狙う

2017年4月3日(月)

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第1段を再利用したファルコン9の打ち上げ(画像:SpaceX)

 イーロン・マスク率いるスペースXが、また宇宙開発の歴史に新たな一歩を刻んだ。ロケット第1段再利用の成功である。

 同社は、2015年12月に、「ファルコン9」ロケット第1段の逆噴射による着陸・回収に成功し、その後も回収の実績を積み重ねてきた。今回は、昨年4月に1回使用して回収した第1段を再度打ち上げに使い、もう一度回収することに成功した。これにより、同社が狙う「第1段を回収・再利用する」という技術が実現可能であることは実証された。

 次なる焦点は「本当に回収・再利用によって、打ち上げ価格の低減が可能か」「打ち上げ価格が低減できるなら、何回の再使用が可能で、どこまで引き下げることができるか」に移る。

 スペースXは、米東部時間3月30日午後6時27分(日本時間31日午前7時27分)、通信衛星「SESー10」を搭載したファルコン9ロケットを、フロリダ州の米航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターから打ち上げた。打ち上げは成功し、第1段も、沖合いに展開していたプラットホーム船に着陸・回収された。SES-10は、ルクセンブルグの衛星通信会社SES社の衛星で、打ち上げ時重量は5.3トン。欧州のエアバス・ディフェンス・アンド・スペース社が製造した。ファルコン9としては通算32号機。同ロケットの最新バージョン「ファルコン9 フル・スラスト」としては13機目になる。

衛星フェアリングも洋上で回収

 今回の打ち上げでは、2016年4月18日に国際宇宙ステーション(ISS)向け無人貨物輸送船「ドラゴン」を打ち上げた際に使用し、回収された第1段が再度使用された。過去には、スペースシャトルの固体ロケットブースター(SRB)のように着水した固体ロケットを再利用した例はある。が、ロケット噴射によって着陸・回収した衛星打ち上げ用ロケット第1段を、再度利用して打ち上げを実施したのは世界初である。

 さらに今回、スペースX社は、打ち上げ時に衛星を保護するフェアリングも洋上で回収に成功したと発表した。フェアリングは、要はカバーなのだが、製造コストは約600万ドルだ。こちらも第1段と同様に再利用を目指すとしている。

 スペースXは2011年に、ロケット噴射により第1段を回収し、再利用する構想を発表。実験機「グラスホッパー」、同「ファルコン9R Dev」による実験を経て、2013年からはファルコン9打ち上げで、分離後の第1段を使用した実験を開始した。姿勢制御、逆噴射、軟着水などの試験を続け、2015年12月に最初の第1段回収に成功(参考記事:「今度はロケット、イーロン・マスクがまた革新!」)。以後、現在までに8機の第1段を回収することに成功している。今回再打ち上げに使用したのは2回目に回収に成功した第1段だ。

 今回の成功を受けて、イーロン・マスク同社CEOは、Twitterで「次の目標は、24時間以内の再飛行だ(Next goal is reflight within 24 hours.)」と表明した。

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「スペースX、ロケット「再利用打ち上げ」に成功」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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