• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“魔物”のロケットエンジン、LE-9開発に挑む

H3プロジェクトマネージャー、JAXAの岡田匡史氏に聞く(その2)

2015年10月5日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 商用市場に挑んで30年。いまだその端緒をつかむかどうかの段階の日本のロケットビジネスが、宿願達成を賭けて今年から開発を始めるのが新型基幹ロケットの「H3」だ。

 開発の成否はなによりも、H3用の全く新しい第1段用エンジン「LE-9」の開発がうまくいくかどうかにかかっている。ところが、ロケットの歴史は、つねにエンジン開発の難航が付き物。海外も、もちろん日本も、何度となく爆発事故を経験している。そして、開発スケジュールの遅延に苦しむことになる。

 LE-9はどうか。現在日本が運用しているH-IIAロケットの第1段用エンジン「LE-7A」は、2段燃焼サイクルというエンジンサイクルを採用している。それに対してLE-9は、安全性に優れるエキスパンダー・ブリード・サイクルへとエンジンサイクルを変更した。が、これは本質的に小型のエンジンに向いた形式で、推力150トンfというLE-9のような大型エンジンへの適用は、世界で初めてだ。

 世界で初めて、というのは、誇らしくもあるが、ロケットの場合は特に、大きな不安要素でもある。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、安全かつ予定通りにLE-9を開発するためにどのようなことを行っているのか。また、そうやって完成させたH3をどうやって世界の商業打ち上げ市場に押し出していくのか。前回に引き続き、岡田匡史・H3プロジェクト・マネージャーに話をお聞きする。

(前回はこちら

LE-9が採用したエキスパンダー・ブリード・サイクルはエンジンが簡素になる上、爆発事故を起こしにくいという特徴がありますが、その一方で「小型エンジンに向いている」とロケットエンジンの教科書にも書かれている形式でもあります。

岡田:そうです。エキスパンダー・ブリード・サイクルは、ターボポンプを駆動する高温ガスを燃焼室壁面から吸熱することで作ります。エンジン推力を大きくするには、燃焼室を長くして、壁面の面積を稼がなくてはなりません。

2000年代初頭に三菱重工業が独自に検討を始めた段階では、「LE-7Aと同じ100トンfちょっと」という構成でしたね。それがだんだん大きくなって、H3の検討過程では「第1段に2基でエンジン推力は170トンf近くまで大型化」という案まで出ていました。外野から見ていて「それは本当に大丈夫なのか」と思えたのですが、150トンfというのはどの程度の余裕を見た大きさなのでしょうか。

コメント1

「宇宙開発の新潮流」のバックナンバー

一覧

「“魔物”のロケットエンジン、LE-9開発に挑む」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック