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“宇宙ビジネス”のコストを下げる「第2段」

H3プロジェクトマネージャー、JAXAの岡田匡史氏に聞く(その3)

2015年10月6日(火)

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 日本の宇宙開発30年来の悲願、衛星打ち上げの商用市場本格参入の切り札、新型基幹ロケット「H3」。開発について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史・H3プロジェクトマネージャーにお話をうかがってきた。今回はその最終回となる。

 筆者は、第2段ロケットの強化と、種子島の打ち上げ基地としての環境整備が、市場参入でライバルと勝負するには欠かせないのではないかと考えている。本当にそうなのか、率直にうかがってみた。

(前回はこちら

H-Iロケット第2段に使ったLE-5(推力10.5トンf)以降、H-II第2段のLE-5A(同12.4トンf)、LE-5B(同14トンf)と、改良のたびに推力を向上させてきましたが、今回はどうしますか。

岡田:推力向上は考えていません。

来る11月24日に初飛行を行うH-IIA用の「高度化第2段」の技術を入れ込むのでしょうか。

岡田:H3は高度化第2段の打ち上げプロファイルを踏襲します。ですから第2段の3回目の噴射を行って静止トランスファー軌道の近地点を持ち上げて、静止軌道に入る際の衛星側スラスターを使った増速量を減らし、その分衛星の負担を減らします。高度化第2段の技術開発はH3にとっても大切な第一歩です。

ロシアは、何度も噴射可能な上段を保有していて、これまでも衛星を直接静止軌道まで送り届けるという打ち上げを実施しています。より技術開発を進めて、第2段による衛星の静止軌道直接投入も検討しているのでしょうか。

岡田:それは今のところ考えていないですね。

収益にモロに効く「静止軌道への乗り移り」

 H-IIAの「高度化第2段」の意義については説明が必要だろう。

 静止軌道への打ち上げでは、ロケットは衛星を静止軌道一歩手前の「静止トランスファー軌道」に投入する。静止軌道は赤道上空3万6000kmの円軌道。対して静止トランスファー軌道は地球に一番近い近地点高度が250km前後、遠地点高度が3万6000kmの長楕円軌道だ。衛星は静止トランスファー軌道の遠地点で、自ら装備したエンジンを噴射して、静止軌道に乗り移る。

 ところで地球は完全な球形ではなく、よって静止軌道の衛星は安定しない。放置すると軌道がずれていくので、一定の位置を保つにはロケット噴射で、時々軌道を補正する必要がある。補正するために噴かす補正用推進剤が枯渇した時、それが静止衛星の寿命ということになる。

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「“宇宙ビジネス”のコストを下げる「第2段」」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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