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日本製の民間機は再び世界に羽ばたけるか

53年ぶりの国産旅客機、初飛行までを振り返る

2015年11月12日(木)

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伴走機の、航空自衛隊T-4練習機を従えて、県営名古屋空港から離陸するMRJ初号機(撮影:松浦晋也)

 1962年8月30日、第二次世界大戦後、初となる国産旅客機「YS-11」が名古屋空港から初飛行した。そして2015年11月11日朝、2番目となる国産旅客機「MRJ」が、同じ名古屋空港から飛び立った。

 MRJは安村佳之機長、戸田和男操縦士、他3名の計測担当技術者が搭乗して、県営名古屋空港から離陸。太平洋上の防衛省訓練空域で、左右の旋回、上昇、下降、および着陸の模擬飛行を実施したのち、午前11時2分に同空港に着陸した。脚は飛行中も下げた状態で固定。主翼のフラップとスラットも下げ位置で固定。最高速度は時速280km、最高高度は1万5000フィートだった。安村機長は初飛行後の記者会見で、「着陸模擬時に気流が荒れたが機体は安定しており、機のポテンシャルの高さを感じることができた」と語った。

 これからは主に米国内で型式認定のための飛行試験を進め、2017年春からカスタマーへの機体納入を開始する予定だ。岸信夫・三菱航空機副社長は記者会見で「スケジュールはきびしいが、変更(これ以上の延期)は考えていない」と述べた。

非常に静かなエンジン

 実際の飛行を見た第一印象は、「非常に静かだ」に尽きる。県営名古屋空港には、定期便でMRJと似たサイズのエンブラエルE170/175が就航しており、MRJの初飛行前後も忙しく発着していたが、MRJはE170/175比べると明らかに一段階騒音レベルが下がっている印象だ。

ハンガーに進入してくるMRJ。最新のギアードターボファンエンジンを装備する。

 これは最新のギアードターボファンエンジン、米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)の「PW1200G」を採用した効果だ。最近のジェットエンジンは、タービンに扇風機の羽根車のようなファンを直結して、噴射するジェットの周囲を包むように大量の空気を流すようにしている。大量の空気を押し出すことで推力を増強すると同時に、噴射ガスを空気の流れで包むことで騒音も低減するわけだ。この形式をターボファンエンジンという。

 ターボファンエンジンは、タービンとファンが同じ回転速度で回る。これに対して、ギアードターボファンは、タービンとファンの間に歯車をかませて、ファンのほうがよりゆっくり回るようにする。するとタービンとファンを、それぞれ最適の回転速度で回すことができるようになり、エンジンの効率は上がり、騒音も一層小さくなる。しかし、軽量かつ信頼性の高い歯車機構を作ることはなかなか難しく、旅客機用のエンジンとしては、このP&Wのエンジンが初めてだ。

 MRJがPW1200Gを採用したことは、当初リスク要因ではないかとの懸念もあった。が、初飛行の音を聞く限り、信頼性を担保できれば大きなセールスポイントとなりそうだ。

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「日本製の民間機は再び世界に羽ばたけるか」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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