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中国の管制室は“黒髪ふさふさ”

大型開発で育った若い技術者たちの宇宙ベンチャー市場参入が始まる

2016年11月16日(水)

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(前回から読む→「中国が宇宙で見せた技術力と“商売上手”っぷり」)

 11月3日の新型の大型ロケット「長征5」の打ち上げ成功で、中国のSNS「微博」では4枚組の写真が出回った。

 そのうち2枚は、2003年に中国初の有人宇宙船「神舟5号」が打ち上げられた際の、管制室の様子。1枚は今年9月15日の宇宙ステーション「天宮2号」打ち上げ時の管制室。そして最後の1枚は長征5初号機打ち上げ時の管制室の様子だ。

 2003年の時、管制室は年配の技術者でいっぱいだった。が、今年の2つの打ち上げで管制室に詰めていたのは、40代以下の若手だったのである。2003年の2枚の写真は、白髪や頭髪が後退した中年以上で占められ、今年の2枚は黒髪ばかり――この組写真は、中国の宇宙開発において、この10年で世代交代が急速に進んだことを示している。

中国のSNS「微博」で投稿されていた管制室の画像(もっとも大きい画面は2003年のもの。右の画面の上から、2003年、2016年9月、11月)

 そして中国の宇宙開発がひとつの峠を越えた今、若い技術者の中から、宇宙ベンチャーを起業する者が現れ始めた。日本は、新世代の長征ロケットの、圧倒的な技術的成果に驚いている場合ではない。次は、長征開発で鍛えられた若い世代の起こす中国発の宇宙ベンチャーが、日本の宇宙産業のライバルとなるのだ。

大規模計画のために多数の若い技術者が動員され、技術を磨いた

 「長征5/6/7」の開発で、中国は急速な経済成長を背景に、一気に3種類のロケットを開発するという戦略を採用した。これら3機種は可能な限り共通の部品を利用してはいるものの、それぞれに異なる衛星フェアリング、3種類の直径の胴体、そしてなによりも4機種もの液体ロケットエンジンの同時開発を行う必要があった(詳しくは前回参照)。

 「ロケットエンジンを開発するなら、まず、ポケットを札束で一杯にしておけ」という言葉がある。それほどコストがかかることを覚悟せよ、ということだ。なので普通は、前の世代で開発したロケットエンジンをそのまま流用するなどして、複数同時開発は避ける。特にブースターや第1段で使用する大型のロケットエンジンでは、同時かつ複数を並行して開発することはなかなかない。

 日本は現在開発中の「H3」ロケットで、第1段用「LE-9」エンジンと第2段用「LE-11」エンジンの同時開発を検討したが、予算と人的リソースの不足と、リスク低減のためにLE-11開発をあきらめて、H-IIA/Bロケット第2段が使用している「LE-5B」エンジンを流用することにした。

 それに対して今回、中国は長征5/7のブースターと長征6/7の第1段に使用する「YF-100」エンジン、長征5の第1段に使用する「YF-77」エンジン、長征5の第2段用「YF-75D」エンジン、長征6/7の第2段用の「YF-115」エンジンと、4種類ものエンジンを一斉に開発した。このうちYF-75Dは、長征3ロケット第3段用の「YF-75」エンジンの改良型だが、残る3種類は完全な新規開発である。

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「中国の管制室は“黒髪ふさふさ”」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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