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宇宙活動法成立で「護送船団大遭難」の危機?!

日本の役所は「人民解放軍(のいいところ)」に学べ

2016年11月30日(水)

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H-IIAロケット29号機の打ち上げ(2015年11月24日)、三菱重工業が初めて海外から受注した静止衛星の商業打ち上げだ(搭載しているのはカナダ・テレサット社の通信放送衛星「Telstar 12 VANTAGE」)。この打ち上げは、従来からのJAXA/三菱重工による打ち上げのスキームを使って行われたが、これまではそれ以外の会社組織が日本において打ち上げを行おうとした場合の法的な根拠がなかった(写真:松浦晋也)。

 現在開催中の第192回国会で、宇宙開発に関する2つの法案が可決、成立した。

 「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律案」と「 衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律案」だ。このうち、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律案」は「宇宙活動法」という仮称で、長い間検討されてきた(以下、宇宙活動法と記述する)。

 民間企業が本格的に宇宙におけるビジネスを展開するためには、「このようなことをすればビジネスができる」と法律で規定する必要がある。

 法律がなければ、やり放題ではあるが、逆に周囲から文句も付け放題となり、円滑かつ継続的なビジネスは難しい。「こうすれば、このような活動を行える」という法律を作ることで、民間の行う宇宙活動が正当なものだと、国が法的に保証しなくてはならない。

 日本は、2008年に宇宙基本法を施行し、宇宙開発に対する国としての態度を法律として明文化した。が、基本法は理念と基本体制を記述するものであって、具体的な個々の施策は別途法律を制定する必要がある。

 宇宙活動法が成立したことで、やっと打ち上げビジネスを日本で本格的に行う下地ができたわけである。

 が、問題点もまた大きい。宇宙活動法は「こうすれば、このようなことができる」といった、新規参入により産業を活発化する方向ではなく、「これこれをするにあたって、あれをしてはいけない、これをしてはいけない」という、国による事業の規制を主軸に起草されているのである。

法文に並ぶ許可の数々

 法案の具体的な条項を見ていこう。

 法律の目的は第1条で「我が国における人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に係る許可に関する制度並びに人工衛星等の落下等により生ずる損害の賠償に関する制度を設けることにより、宇宙の開発及び利用に関する諸条約を的確かつ円滑に実施するとともに、公共の安全を確保し、あわせて、当該損害の被害者の保護を図り、もって国民生活の向上及び経済社会の発展に寄与すること」と定義している。

 つまり、この法の第一目的は「宇宙の開発及び利用に関する諸条約を的確かつ円滑に実施する」ことで、次が「公共の安全の確保」と「当該損害の被害者の保護」、経済社会の発展は3番目なのである。

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「宇宙活動法成立で「護送船団大遭難」の危機?!」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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