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「あかつき」成功を支えた教育機能が弱体化

「宇宙開発をワンセットで学ぶ」環境を維持せよ

2015年12月9日(水)

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12月7日朝9時22分、金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入のロケット噴射が成功したことを知り、宇宙研の管制室では拍手が起きた(写真:JAXA)。が、管制室は徐々に“学生の領分”でなくなりつつある。

 12月3日、1年前に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」が地球近傍に戻ってきてスイングバイを実施した。この原稿を書いている12月7日現在、精密な軌道決定を実施中だが、ほぼ間違いなく目的地の小惑星「リュウグウ」に向かう軌道に乗ったようである。

 また、12月7日には、5年前にエンジン故障により金星周回軌道投入に失敗した金星探査機「あかつき」が、5年の“宇宙放浪”の末に再度金星に接近、今度は姿勢制御用の小推力のスラスター(エンジン)を20分も噴射するという裏技を使って、金星周回軌道投入を実施した。こちらも金星周回軌道に入ったか否かの判断は9日夕刻になる予定だが、これまでのところ異常はなく、無事に金星を巡る軌道に入ったようである。

 12月の最初の週に、日本の太陽系探査にとってめでたい話が2つ続いた格好だが、そう喜んでもいられない。というのも、科学衛星・探査機を管制する、神奈川県相模原市の、宇宙航空研究開発機構(JAXA)・宇宙科学研究所の管制室から、学生の姿が消えつつあるのだ。

東京大学・宇航研以来の伝統が育んだ現場教育

 「JAXAは国立研究開発法人なのに、学生がいるとはこれいかに」と思う方もいるだろう。そこには歴史的な経緯が存在する。

 JAXAの正式名の後半、宇宙科学研究所は、1955年に糸川英夫・東京大学教授が発射実験を行ったペンシルロケットにルーツを持つ。糸川研究室が他研究室の協力を得て始めたロケット研究は次第に大型化し、1964年に東京大学・宇宙航空研究所(宇航研)へと発展した。宇航研は、1970年に最初の衛星「おおすみ」の打ち上げに成功。以後は年1機のペースで科学衛星を打ち上げるようになった。その後、科学衛星も大型化し、予算の規模も大きくなったために1981年に東大から独立して、文部省・宇宙科学研究所となる。この時に東京大学・駒場キャンパスから、現在の相模原市に移転。

 その後2001年の中央官庁統合に伴い、文部科学省・宇宙科学研究所となり、さらに2003年の宇宙三機関統合で、JAXA・宇宙科学研究本部となった。2010年には名称を元に戻し、JAXA・宇宙科学研究所となっている。

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「「あかつき」成功を支えた教育機能が弱体化」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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