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弾圧と低賃金と闘う「中国新聞労働者」の受難

不安の中、ネットで地方ネタ探し、週100本執筆…

2016年2月3日(水)

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 中国の記者たちが日本やその他西側諸国の記者たちよりも、給料も少なく、権力からの圧力も強く、報道の自由もほとんどない厳しい環境に置かれ、"新聞民工"(ニュース労働者)と呼ばれる状況の中で奮闘していることは、拙著『中国のマスゴミ』(扶桑社BOOKS新書)でも紹介しているが、先月に米PRニュースワイヤー社が出した「2016年中国記者工作者の生存状況と業務習慣」というリポートが、なかなか考えさせられるので紹介したい。

 これは2015年11月から2016年1月にかけて、PRNがオンラインで中国の2万人の記者にアンケートをとって1477人から得た回答をもとにまとめたもの。この回答の少なさが、中国の記者の発言の不自由さを物語っているような気もするのだが、それでも西南大学新聞メディア学院など研究機関の協力や、数十人の大手メディアの著名記者らの聞き取りなども加えて、少なくとも労働環境の様子は垣間見える。

辞める理由は、収入の低さと未来の暗さと

 それによると、現在の中国の記者たちの主力は1985年以降に生まれた若者である。67.9%の記者が北京、上海、深圳、広州の4大都市出身で、うち北京出身の記者は41%を占めている。また男性が62.7%を占め、男性を中心とした業界である。

 80.6%が月収1万元(18万5000円)以下で、うち3割が月収5000元以下だという。このほか、6~10年のキャリアの記者と11~20年のキャリアの記者の間には、明らかな年齢やキャリアによる収入差がなく、31歳から50歳の記者で月収が2万元以上となるのは5%以下という。入社2年目の駆け出し記者の月収は2000~5000元で、社会部(総合)記者、教育・リクルート部門の記者収入は相対的に低い。

 記者を辞めたいとすれば、一番の理由は収入の低さであるという回答が58.8%に及ぶ。次に業界の未来に期待できない(43.6%)、報道の理想を実現できない(26.7%)と続く。多くの記者が給与に満足していない一方で、将来5年は記者稼業を続けたいとする回答は68.7%に上った。

コメント3件コメント/レビュー

中国が国家権力(警察暴力)による強圧的言論弾圧を得意とするのに比べると、この国はNHKと自民党との関係に見るように真綿で首を絞める方式の言論統制が蔓延しかけている。どちらも悲惨であることには変わりない。(2016/02/03 14:00)

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「弾圧と低賃金と闘う「中国新聞労働者」の受難」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中国が国家権力(警察暴力)による強圧的言論弾圧を得意とするのに比べると、この国はNHKと自民党との関係に見るように真綿で首を絞める方式の言論統制が蔓延しかけている。どちらも悲惨であることには変わりない。(2016/02/03 14:00)

共産主義は自由を犠牲にして平等を選んだ。しかし、今は、不自由で不平等の独裁主義。自由を犠牲にしたのに失業し、飯も食えない。近代国家ではない。経済成長の成果は独裁政権のポケットマネーで、札びらで他国を買い付けている。中国民は政権を倒せばよいのではないのか。(2016/02/03 11:02)

中国の記者たちの境遇には溜息が出ますねえ。もっとも、日本の大手メディアは、危険な場所での取材は全部外注のようだし、内製の記事にもメディア業界独特の内部の審査や自己規制があるようなので、待遇や社会的地位を別にすれば、中国の記者たちと本質的には変わらない業務環境にいるような気もする。情報の加工や発信する側の視点からではなく、受け取る側が信頼できるような記事を発信しているかどうかを問う立場からは、日本の記者と中国の記者と、どちらが情報受容者に対して誠実であるかは速断できないのではないだろうか。(2016/02/03 09:42)

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