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「貨幣戦争」中国の本当の敵は誰か

欧米の投機筋? 日本のマイナス金利? それよりも…

2016年2月17日(水)

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 中国で最近の経済系ホットワードは「貨幣戦争」ではないだろうか。中国人民銀行総裁の周小川が外貨準備高を“弾薬”にして、人民元の空売り攻勢を仕掛けようとする外国投機筋を迎え撃つ姿勢を示したため、2月15日には人民元はここ10年余りで最大の上昇幅を記録したとか。2月以降の中国メディアの記事も「貨幣戦争」というワードが散見され、金融政策の“軍事化”というか、妙に勇ましい論調が多い。確かに軍事と金融こそが、国家の具体的“力”であり、その力を外国と争うという意味で、これは戦いだ。では、中国の敵は誰なのか、勝者は誰になるのだろうか。

欧米主要金融勢力集団の陰謀?

 中国で「貨幣戦争」と言えば、2006年からベストセラーになった宋鴻浜の著書シリーズを思い出す。日本でも翻訳されているので、ご存知の方も多いだろう。彼は、米国のリーマンショックなどの予想を的中させ、米ビジネスウィーク誌が選ぶ中国で最も影響力のある40人(2009年)の一人にも選ばれた。

 彼の描く「貨幣戦争」とは、有り体に言ってしまえば、欧米国際金融陰謀論だ。中国にとっての敵は欧米主要金融勢力集団となる。彼の著書『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う』(武田ランダムハウスジャパン)では、彼らが将来的に中国に攻撃を仕掛ける手法についても予測していた。

 国家の辺境は陸の境、海の境、空(宇宙)の境のほかに金融の境があり、いずれの境の防衛も大事だが、中でも金融の境を攻撃され崩されれば、政権は必ず倒れる。清の滅亡は、英国金融資本の攻撃によって、中国の銀本位制が崩されたからだ、という。領土領空を守るように、金融の国境を守れなければ、いかに富国強兵をやろうとも工業が盛んになろうとも、国家は亡びるのだ。

 そして、宋鴻浜の予言通り、いよいよ今年、通貨戦争の狼煙が上がった、ということになる。

コメント18件コメント/レビュー

人民元の流動性についてのくだりなど中国当局の雇われ識者のご高説には失笑を禁じえない。まあ、金融の専門的な見解はともかく、人民はこぞって元をドルに替えたがり国の指導者たちはこぞって海外にドル資産を蓄える。いったいそんな人民元のどこに基軸通貨となりうる信用があるというのだろうか。(2016/02/23 19:22)

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「「貨幣戦争」中国の本当の敵は誰か」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

人民元の流動性についてのくだりなど中国当局の雇われ識者のご高説には失笑を禁じえない。まあ、金融の専門的な見解はともかく、人民はこぞって元をドルに替えたがり国の指導者たちはこぞって海外にドル資産を蓄える。いったいそんな人民元のどこに基軸通貨となりうる信用があるというのだろうか。(2016/02/23 19:22)

 中国の「識者」たちの分析は「元」を世界の中心通貨に置いたかのような分析ばかりで、非常に滑稽です。SDR通貨5つの1つに採り上げられたということは、当たり前ですがSDR通貨の中心に据えられたという事ではありません。中国の「識者」の自意識過剰はちょっと痛々しすぎます。(2016/02/19 08:58)

タダ、投機筋もバカではないので、
彼らは彼らの確たる見通しを以って行動してるはずです

おそらく、コトの真実の一端を知るに至ったからでしょう。帳簿の暗黒大陸・統計の暗黒大陸である中国大陸でもそもそも、財政金融当局者にだけ・・極少数の限られたエリート政策立案者だけがメイクされていない真正真実の数字が上げられて、これを知って居るのでしょうか??
最悪、本当の数字は誰も知らず。把握して居ないって言うことはありえないでしょうか?そのばあい、宣伝がらみの数字や、希望的観測の数値を元に、対処行動を決定することにはならないですかね?

一例を挙げれば、その「中国の外貨準備高」も一般に公称して居る数字はかなり「盛られている」数字ではないかと見ている専門家は多いそうです(2016/02/17 20:29)

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三品 和広 神戸大学教授