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金正男暗殺は中朝“仮面夫婦”関係を変えるのか

国内政争と対米関係が絡む混沌下、中国の選択は…

2017年2月22日(水)

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金正男暗殺は中朝関係にどんな影響を与えるのか(写真:AP/アフロ、2001年5月撮影)

 北朝鮮の流浪の王子、金正男は、日本人の愛人をもち、偽造旅券で東京ディズニーランドを楽しみ、赤坂のコリアンクラブの上客でもあったという、その日本びいきぶりと、記者とメールでやり取りにも応じる気さくさと、愛嬌のある容貌と、意外に開明的で視野の広い知性も備えていて、日本のネットユーザーの間で「俺たちのマサオ!」と結構人気があった。その金正男がマレーシアで、謀略小説さながらの方法で白昼、空港で暗殺された。いや、殺されたのは影武者で、偽装暗殺だった、俺たちの正男は生きている!という人もいる。とりあえず本当に暗殺されたとして、このことは中朝関係になにか影響があるのだろうか。

11人が関与、3か月前から準備か

 まず、事件の概要について、少し整理しておこう。

 北朝鮮の最高指導者、金正恩の異母兄である金正男はクアラルンプール第二国際空港の自動チェックインカウンターで、2月13日午前9時、暗殺された。マレーシア警察の記者会見によれば、事件には11人が関わっているとみられ、うち4人が逮捕された。残り7人の男は逃走中。

 金正男の検死解剖は15日に行われているが、目下、毒物の検出結果を待っているところで、死因となった毒物は確定していない。

 わかっていることは、インドネシア籍女性のシティ・アイシャ容疑者(25)が前から正男に何か話かけ、ベトナム籍のドアン・ティ・フォン容疑者(28)が後ろから手をまわし、顔に何かを擦り付けた。倒れた正男は空港職員に助けを求め、空港内の診療所に足を運び応急手当を受けたのち、市内の病院に搬送されたが死亡した。正男は金哲名義のパスポートで今月6日にマカオからマレーシア入りし、事件当日の13日午前10時50分の飛行機でマカオに戻る予定だった。死亡が確認されたのは午前11時ごろだった。

 逮捕されたのはこの女容疑者2人と、シティ・アイシャ容疑者のボーイフレンドのマレーシア男性と、主犯格とみられる北朝鮮籍のリ・ジョンチル容疑者(46)。指名手配を受けている7人の男のうち5人は朝鮮人で、その名前と年齢は判明。すでにマレーシアから出国している。この5人以外の2人の男の身元については、手がかりとなる情報提供を呼び掛けている。写真から判断すると朝鮮人らしい。

 暗殺計画は3カ月前から準備されていたもようで、リ・ジョンチルが二人に犯行を指示したとされる。ドアン・ティ・フォン、シティ・アイシャ両容疑者はともに自称ネットアイドルで、犯行当日に知り合ったという。シティ・アイシャの家族が日本のテレビメディアに答えたところによると、日本のテレビ番組のために「お金持ちにいたずらをしかける」仕事を依頼され、インドネシアのショッピングモールでも、いたずらを仕掛けて、報酬をもらったことがあるようだ。リ・ジョンチルは金日成大学卒業のエリートで、抗がん剤などを製造する製薬会社に勤務、クアラルンプール郊外の高級マンションに妻子とともに暮らしていたという。

 だが一部韓国メディアでは、この女たちも含めて北朝鮮の特殊部隊、工作員だとする説も報じている。

コメント17件コメント/レビュー

実に三十万人以上も動員して行われる三月の米韓合同軍事演習は、いわば関東軍特種演習だろう。刺激されて北朝鮮がICBMでも打ち上げれば、演習は即座に実戦となる。
ここにいたって、米国や中国から北朝鮮分割統治案がリークされつつある。金正男をかつぐ宮廷クーデタのラインが消えたことで、中国が米国に妥協したのではないだろうか。
米国主導の強硬手段を認めるかわりに、その後の処分は中国にまかせる。共同統治でなんとか立ち直った北朝鮮は、中国の戦略的信託統治にうつったのち、多分米軍の半島全面撤退を条件に、中国指導下で韓国と統一させる。統一朝鮮は親中国ながらスイス式の武装永世中立国を目指す。

日米海洋同盟にとって半島を失うことは痛手だが、致命的ではない。むしろ台湾の方が重要であの大きな島は死守しなくてはなるまい。中国に半島をゆだね、その立て直しに時間がかかる間に、中国国内でなにか「動き」が出てくる可能性もある。(2017/02/28 07:23)

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「金正男暗殺は中朝“仮面夫婦”関係を変えるのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

実に三十万人以上も動員して行われる三月の米韓合同軍事演習は、いわば関東軍特種演習だろう。刺激されて北朝鮮がICBMでも打ち上げれば、演習は即座に実戦となる。
ここにいたって、米国や中国から北朝鮮分割統治案がリークされつつある。金正男をかつぐ宮廷クーデタのラインが消えたことで、中国が米国に妥協したのではないだろうか。
米国主導の強硬手段を認めるかわりに、その後の処分は中国にまかせる。共同統治でなんとか立ち直った北朝鮮は、中国の戦略的信託統治にうつったのち、多分米軍の半島全面撤退を条件に、中国指導下で韓国と統一させる。統一朝鮮は親中国ながらスイス式の武装永世中立国を目指す。

日米海洋同盟にとって半島を失うことは痛手だが、致命的ではない。むしろ台湾の方が重要であの大きな島は死守しなくてはなるまい。中国に半島をゆだね、その立て直しに時間がかかる間に、中国国内でなにか「動き」が出てくる可能性もある。(2017/02/28 07:23)

 しかし、互いに相手を利用しあうその「仮面夫婦」、在韓米軍の撤退及び米韓安保体制
の廃棄については一致して、賛成するでしょう。もちろん、それからアトは同床異夢。

 キタは中国からの束縛を離れ、自国と自身の身の安全を図るためにも南進統一を目指す
でしょうし。
 中国は韓国と北朝鮮両国を 並んで召し、使い、忠節と勤伺を両国で競わせるという
王朝さながらの体制を理想しているでしょう。

(追記)今回の中国社会科学院の専門家の意見として、韓国に左派政権が誕生しても
米韓関係が損なわれるところまではいくまい。という意見を紹介されておられましたが
興味深いです。
もちろん伝統的な中鮮関係を維持したいという保守派や瀋陽軍閥が書かせたのかも
しれませんが。

しかし、北朝鮮の核とミサイルは決算の時が近づきつつあると思います。おそらくは
国としては残るでしょうが、指導体制はどうなるか、予断を許さないと思います。(2017/02/23 10:03)

福島氏の今回のレポートは、まとまりが悪くて何を言いたいかよくわからない。

最終ページで「中朝関係に関する見立て」と称して6つの短文を並べているが、①は根拠を示していないし、③は根拠となる「新華社レポート」なるものの内容を紹介していないので読者の判断がつかないし、②と⑤は互いに矛盾している。
今回レポートへの読者の評価がなぜ高いのか、自分には大変不思議。中国国内の事件を分析するいつもの鋭さが全く見られない。国際関係論は氏の得意とするところでは無いのだろう。

中・朝・韓・米の関係はあまりに流動的で、現状分析も将来予測も極めて難しい。そのことをこの記事で福島氏自身が明らかにしてしまった感がある。

今回の金正男氏暗殺と弾道ミサイル実験に対応する中国と米国の動向予測は、2/23付の鈴置高史氏の記事がはるかに明瞭で踏み込んだ分析なので読者はそちらを参考にすべきだろう。(2017/02/23 08:03)

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