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習近平「野望人事」と米中関係を読み解く

副主席、副首相、外相人事が意味することとは

2018年3月7日(水)

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劉鶴が副首相になるか注目が集まる(写真:ロイター/アフロ)

 国家主席の任期制限を撤廃した習近平の憲法改正について、トランプ米大統領は「(習近平は)大したもんだ。いつか我々も(終身制を)やってみたいもんだ」と絶賛したそうだ。政権内部に厳しい対立があり、思うように指導力が発揮できないトランプにしてみれば、習近平のスピード集権はちょっとうらやましいらしい。米国の大統領は連続二期8年の制限があるし、なにより4年ごとの選挙で有権者の審判にさらされるので、米国大統領の独裁化はなかなか難しい。ちなみに、この発言はフロリダでの共和党スポンサーたちが主催する午餐会でのもので、そこにいた人たちはトランプのこの発言に拍手喝采した。その拍手後にトランプが続けて「彼(習近平)は中国百年来の最も権力のある国家主席である。私が中国を訪問したときは、彼らの対応は極めてよかった」と語ったとか。

 昨年12月に発表した国家安全保障戦略で、中国とロシアを、「技術、宣伝および強制力を用い、米国の国益や価値観と対極にある世界を形成しようとする修正主義勢力」と名指しして、かなり挑発的な言葉で戦略的ライバルと位置づけた一方での、「習近平持ち上げ発言」が本音なのか、皮肉なのかは別として、日本として気になるのは、米国と中国の今後の関係である。5日に開幕した全人代(全国人民代表大会)では、政府人事が決定されるのだが、その人事案から中国の対米戦略、米中関係の行方を少し考えてみたい。

王岐山と劉鶴に注目

 今回の全人代人事の注目点は、一つは王岐山が国家副主席になるかどうか。二つ目は劉鶴が副首相になるかどうか。この二つの人事は、習近平野望人事ともいえる。

 王岐山人事から説明すると、党中央の職務を完全引退した王岐山を国家副主席に起用することで、いわゆる党中央の定年制と関係なく国家の要職について、権力を維持できる前例がつくれる。昨年秋の第19回党大会では、習近平の野望の一つであった「党主席制度復活」はかなわず、王岐山の政治局常務委員残留による「68歳定年制」の内規も崩すことができなかった。それどころか、王岐山の党中央職完全引退は、どれほど優秀であっても、68歳定年制内規は崩れないという、逆の証明になってしまった。

 そういう意味では第19回党大会は、決して習近平の「完全勝利」ではなかった。この党大会で妥協を余儀なくされた部分について、全人代において習近平野望憲法と習近平野望人事を実現させて巻き返しを図ろうというところだろう。王岐山が党中央職を完全引退した上で国家副主席職につき、しかも権力、影響力を発揮できれば、習近平が総書記任期を68歳で引退したあとも、少なくとも国家主席職を継続でき、しかも終身国家主席でいることも可能となる。

コメント24件コメント/レビュー

ベーシックインカムが現実味を帯びて議論に登る現代、農民工でさえ餓死の危険はない中国で国家の政治・経済的破綻が20世紀的な「革命」を誘発し政府転覆に繋がると考えるのは誤りなのだろう。北朝鮮でさえ民衆が担う「革命」は起きない。デモは抑圧され、クーデターは起こりえたとしても次の独裁を生むだけ。中国の現体制は想像以上にダラダラと続という前提のもとに、日本は付き合っていくしかないのだと思う。(2018/03/20 17:24)

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「習近平「野望人事」と米中関係を読み解く」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

ベーシックインカムが現実味を帯びて議論に登る現代、農民工でさえ餓死の危険はない中国で国家の政治・経済的破綻が20世紀的な「革命」を誘発し政府転覆に繋がると考えるのは誤りなのだろう。北朝鮮でさえ民衆が担う「革命」は起きない。デモは抑圧され、クーデターは起こりえたとしても次の独裁を生むだけ。中国の現体制は想像以上にダラダラと続という前提のもとに、日本は付き合っていくしかないのだと思う。(2018/03/20 17:24)

やはり現在の共和党右派政権、彼らに政策を提供しているであろうヘリテージ財団や戦略国際問題研究所の最終的目標は、古典的な「大陸包囲」だろう。
しかしニコラス・スピークマンの時代とはことなり、ロシアが目標ではなく、やはりユーラシア最大の社会主義国家が目標なのだろう。

キタの核問題もその一環としてとらえる必要がある。

習氏の権力集中に対し、アメリカは沈黙を守っている。一方で鉄鋼に高関税をかけることが決定し、TPP復帰も言いだした。つまり米国も、人民中国における権力集中、言論統制、人民圧迫を「腐敗堕落を促進するもの」として黙認しているのではないだろうか。(2018/03/09 09:06)

アメリカの民主主義が衆愚主義に落ちぶれていく中で、また自由資本主義が行き詰った中で、中国の実験とも言うべき、「良い社会を目指す独裁」は衆愚政治よりはましに見えたり、また国家資本主義は自由資本主義に勝るのではないかと見えたりしますが、歴史はそれは一時的なものでしかないことを教えるように思います。
あの大きい国で、あのスピードですすんで、破綻したらと考えると、正直考えたくありません。なんとかソフトランディングして欲しいものです。(2018/03/09 05:05)

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