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拍手は?トイレは?「全人代」の意外な見どころ

「習近平の不満」と「習近平への不満」が醸す不安感

2016年3月9日(水)

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全人代でお辞儀をする李克強と、隣に座る習近平。誰が拍手をしたのか、しなかったのか、健康状態はどうか、読み取るべき情報がそこかしこに(写真:ロイター/アフロ)

 中国の全国人民代表大会(全人代)が5日開幕した。一足先の3日に開幕した全国政治協商委員会とあわせて両会と呼び、日本では国会のようなもの、と紹介される。だが、はっきり言って、政策や法案の中身は前年の秋までに決められており、その審議も採決も議員に相当する人民代表や政協委員が自由に議論したり反対票を投じられるようなものではないので、政策決定上はほとんど意味のない一種の政治儀式である。

 では、なぜ世界各国のメディアが、わざわざ現地に赴き、この無意味そうな儀式を懸命に取材するのかというと、一つには現場にいなければ分からない、政権の“空気感”を確認したいという思いがあるだろう。なにせ、中国の最高指導者たち政治局常務委員7人が人民大会堂の大ホールのひな壇に揃うのである。その表情やしぐさすべてが、外国人記者たちにとっては普段得られない情報である。今年の全人代の見どころを、いくつか拾っていきたい。

「健康」は?「関係」は?「核心」は?

 まず全人代では、中国の指導者たちの健康状態をチェックするのが記者たちにとっては結構重要な仕事である。今年の全人代の初日に行われる李克強首相の政府活動報告のときに話題になったのは、お辞儀したときに見えた李克強の頭頂部の髪がずいぶん薄くなったことだった。

 そして、李克強が政府活動報告を読み終えて席に戻るとき、出席者は全員拍手するのが慣例なのだが、隣に座っていた習近平は拍手をしなかった。それどころか視線を合わせたり会釈したりすることもなかった。胡錦濤政権時代、温家宝が首相として政府活動報告を読み上げたときは、席に戻ったときに胡錦濤と温家宝は握手をするのが常であった。

 この全人代開幕日の政府活動報告宣読は、拍手を入れるタイミングまで、事前に決められている。今年、拍手が起きたのは45回。去年は51回。2014年も50回以上だった。今年はかなり拍手が少なかった。こうしたことから、記者たちは習近平と李克強の関係がかなり冷え込んでいること、ストレス負けしているのはおそらく李克強の方であること、習近平自身はこの政府活動報告の内容(政府活動報告は李克強が起草)にかなり不満を持っていそうなことなどを推測するのである。

コメント6件コメント/レビュー

今年の全人代は、厳しい経済情勢と習近平独裁体制の下で、重苦しい雰囲気が支配していたとのことでした。一方16年方針の中身を見れば、財政出動と構造改革と雇用対策が以下の様に組み合わされるなど、十分に評価できる部分があると思う。

一部で期待されていたリーマンショック後の08 年11 月に発動された4 兆元の景気対策の再現は想定されていないが、積極的な財政政策は一段と強化され、16 年の財政赤字は15 年予算比5,600 億元増の2 兆1,800 億元、財政赤字のGDP 比は同様に2.3%→3%へ拡大する。財政赤字の拡大分の大半は減税や料金等の引き下げに充てられる。
「過剰生産能力の解消」は雇用との兼ね合いが重要で、中央財政は1,000 億元の特別奨励・補助資金を拠出し、過剰生産能力の解消に取り組む企業の従業員の再配置・再就職支援に重点的に充てる。

日本政府は5月のG7伊勢志摩サミットに中国を招待すべきだろう。李克強首相が「16年政府活動報告」を説明すれば、16年方針は国際公約に近いものとなり、G7首脳は一安心するだろう。中国の評価は高まるし、議長国の日本の外交手腕も評価されるはずだ。何よりも李克強首相も習近平主席の目を気にしなくても良いので気が楽かもしれない。(2016/03/09 21:12)

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「拍手は?トイレは?「全人代」の意外な見どころ」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今年の全人代は、厳しい経済情勢と習近平独裁体制の下で、重苦しい雰囲気が支配していたとのことでした。一方16年方針の中身を見れば、財政出動と構造改革と雇用対策が以下の様に組み合わされるなど、十分に評価できる部分があると思う。

一部で期待されていたリーマンショック後の08 年11 月に発動された4 兆元の景気対策の再現は想定されていないが、積極的な財政政策は一段と強化され、16 年の財政赤字は15 年予算比5,600 億元増の2 兆1,800 億元、財政赤字のGDP 比は同様に2.3%→3%へ拡大する。財政赤字の拡大分の大半は減税や料金等の引き下げに充てられる。
「過剰生産能力の解消」は雇用との兼ね合いが重要で、中央財政は1,000 億元の特別奨励・補助資金を拠出し、過剰生産能力の解消に取り組む企業の従業員の再配置・再就職支援に重点的に充てる。

日本政府は5月のG7伊勢志摩サミットに中国を招待すべきだろう。李克強首相が「16年政府活動報告」を説明すれば、16年方針は国際公約に近いものとなり、G7首脳は一安心するだろう。中国の評価は高まるし、議長国の日本の外交手腕も評価されるはずだ。何よりも李克強首相も習近平主席の目を気にしなくても良いので気が楽かもしれない。(2016/03/09 21:12)

1今まで、大目に見ていた香港の出版者をこともあろに外国で拉致して、中国に移送・拘禁する。
2群臣(他の最高幹部の合議)によって主席に推し上げられた身でありながら、個人崇拝を推し進める(胡錦濤・江沢民両氏は最高実力者鄧小平のご指名による)
3そして福島さんが日経ビジネスに寄稿された中での
主席就任前に最高幹部に書き送ったと香港情報が伝える驚くべき対日対米外交認識

以上より・・・あの主席は大中国を統べる政治家というより、タダの田舎の共産党幹部のオッサンじゃあるまいか?
どうにも・・・やってることが、時代錯誤じみてないか
との疑念が湧くのですが
主席任期の折り返し点を来年に控え「個人崇拝」や「思想統制」が出てきたということは、何らかの政治闘争を
これから仕掛けると言う前触れでしょうか?(2016/03/09 19:31)

こういう記事は福島氏くらいしか書いてくれないので貴重である。まあ、外国人記者にも漏れ伝わってくる不満とはどういうものか具体的に知りたいというそれこそ欲求不満もあるが。
しかし、中国の言う「核心」とは唯一無二のものを指すというのは本当か?領土に関してはなんでもかんでも手当たり次第「核心的利益」とのたまっているように思えるが。(2016/03/09 14:21)

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三品 和広 神戸大学教授