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香港初の女性行政長官は親中派だが習派にあらず

中国権力闘争の余波が、7月の返還20年記念式典を揺らす

2017年3月29日(水)

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香港の行政長官選挙では親中派の林鄭月娥が、世論調査で高い支持を集めていた曾俊華を大差で破ったが…(写真:ロイター/アフロ)

 先週の日曜日は香港の行政長官選挙であった。2014年秋の“雨傘革命”はまさに、この選挙において“普通選挙”を実施しようと願った反政府運動、反中国運動であり、結局は挫折したのだった。なので、今回の選挙は約1200人の「選挙委員」による間接選挙のままである。結果から言えば、中国共産党中央が推していたとされる、元政務官の林鄭月娥(キャリー・ラム)が、香港大学の世論調査で56%とラムより27ポイントも高い支持率を誇る曾俊華(ジョン・ツァン)候補にダブルスコアの大差で勝利し、香港初の女性行政長官となった。世論調査の支持率と選挙結果が違うのは、米国大統領選挙の例もあるので、不思議なことではないが、米国選挙と違うのは、世論調査結果が操作されているのではなく、選挙結果の方が“コントロール”されているということだろう。しかもそのコントロールバーを握っているのは中国である。

 中国への返還から20年目、選挙結果から香港の行方を考えてみたい。

777票にまつわる噂と汚れ役の責務

 投票総数1194票、有効票1163票のうちキャリー・ラムの得票は777票。対抗馬のジョン・ツァンは365票。香港本土派が最も期待を寄せていた元裁判官の胡国興はわずか21票。ラムのスロットマシーンのジャックポットのような得票数は何かを暗示しているのかもしれない。七の広東語発音が、侮蔑語の発音と似ていることから、選挙管理当局がひそやかな抵抗の気持ちを込めて、この得票数にした、などという噂も流れた。

 しかしながら、同じく行政長官選に出馬した親中鷹派の葉劉淑儀(レジーナ・イップ)と比べれば、政務官として、それなりに真面目に仕事をしてきた有能な官僚という印象もある。彼女の不人気は、「雨傘革命」が発生したとき、梁振英(CY・リョン)行政長官に代わって、メディアで政府の立場を発言し、学生代表らと対面したときの譲歩を拒否した強面の印象と、北京が露骨に後押していることがあるからだろう。だが、逆に言えば、一官僚としての立場と責務を自覚しての汚れ役を引き受けたわけで、少なくとも学生たちとの対面を逃げ回っていた行政長官よりもよっぽど、ましである。

コメント4件コメント/レビュー

事前の世論調査とほぼ真逆のダブルスコアの結果をみて、今回の行政長官選挙の胡散臭さを感じると共に香港の未来を悲観せざるを得ない。

福島氏も指摘するように、香港返還20年を迎え、習近平はこの選挙をきっかけにハードな対応に舵をきるようにみえる。選挙終了後、間髪入れず雨傘革命の主要リーダー9名を起訴したことは今後民主派を抑え込むということを明示したものだと思う。

このまま言論の自由や自由闊達な事業環境が失われていけば、外国人や外国企業も逃げ出すかもしれず、明るい展望は見い出せない。香港の若者達も絶望しつつあるようで、最近の調査では若者の半数は移住を希望しており、対象国の人気の筆頭は台湾らしい。

ただ、本件は日本にとっても他人事とはいえないのではないか。

南北朝鮮が瓦解の危機に直面しつつあり、朝鮮半島を巡る動乱が目前に迫る中、我が国会は森友学園騒動に湧いている。

野党は問題の本質を見極めず、単に政権批判に繋げたい思惑で首相夫人まで攻撃。疑惑の本筋を見据えれば本来は辻元議員を追求すべきあろうが、こちらは報道規制というのだから全く前代未聞、言語道断だ。

一連の野党の言動をみてみると、中共や南北朝鮮への利敵行動との疑念を捨てきれず、南北朝鮮のみならず中共政府の超限戦の魔の手が真綿のように日本の中枢やマスコミを締め上げつつあるのではないかと感じざるを得ない。

共謀罪のみならずスパイ防止法制定も喫緊の課題ではないか。(2017/03/29 14:06)

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「香港初の女性行政長官は親中派だが習派にあらず」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

事前の世論調査とほぼ真逆のダブルスコアの結果をみて、今回の行政長官選挙の胡散臭さを感じると共に香港の未来を悲観せざるを得ない。

福島氏も指摘するように、香港返還20年を迎え、習近平はこの選挙をきっかけにハードな対応に舵をきるようにみえる。選挙終了後、間髪入れず雨傘革命の主要リーダー9名を起訴したことは今後民主派を抑え込むということを明示したものだと思う。

このまま言論の自由や自由闊達な事業環境が失われていけば、外国人や外国企業も逃げ出すかもしれず、明るい展望は見い出せない。香港の若者達も絶望しつつあるようで、最近の調査では若者の半数は移住を希望しており、対象国の人気の筆頭は台湾らしい。

ただ、本件は日本にとっても他人事とはいえないのではないか。

南北朝鮮が瓦解の危機に直面しつつあり、朝鮮半島を巡る動乱が目前に迫る中、我が国会は森友学園騒動に湧いている。

野党は問題の本質を見極めず、単に政権批判に繋げたい思惑で首相夫人まで攻撃。疑惑の本筋を見据えれば本来は辻元議員を追求すべきあろうが、こちらは報道規制というのだから全く前代未聞、言語道断だ。

一連の野党の言動をみてみると、中共や南北朝鮮への利敵行動との疑念を捨てきれず、南北朝鮮のみならず中共政府の超限戦の魔の手が真綿のように日本の中枢やマスコミを締め上げつつあるのではないかと感じざるを得ない。

共謀罪のみならずスパイ防止法制定も喫緊の課題ではないか。(2017/03/29 14:06)

> 習近平は実はツァンを推したかったが、党内権力闘争に負ける形で習近平サイドが妥協した

失策続きで習近平の影響力が弱まってきた、というのだったら面白いのだが。
功績がまったく無いのに習近平は任期延長を画策しているとか。

中国国民にとっては「習近平になってから経済・治安・環境すべてが悪くなった」
という感じではないだろうか。

香港人にとっては、もっと最悪だろう。
習近平の失策で、経済的な影響は大きいらしいし。
政治的にはもう見る影も無い。

習近平はもう、あまりにも大きな失策ですでに歴史に名を残しているのかもしれない。(2017/03/29 12:06)

権力闘争の結果がどう転んでも共産党支配である限り覇権主義とその過程ですでに進行している対日戦略はいささかも揺るぎないものであろう。所詮「毒蟲対溝鼠」の戦いであることを認識しなければならない。翻って日本国内にも最近ゴタゴタが見えるが、こちらは権力闘争とも云えないレベルの低さであり、あいかわらず脳内がお花畑に占められている様な野党の動きは見苦しくて情けない。(2017/03/29 08:25)

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