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中国、バチカンと交渉決裂?

司教任命権をめぐる習近平政権の宗教政策

2018年4月11日(水)

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3月31日、中国・北京にある政府に認可された教会で賛美歌を歌う合唱団 (写真:AP/アフロ)

 イースターを前にした3月下旬、中国の代表団がバチカンを訪れローマ法王庁サイドと司教任命権をめぐる歴史的合意に署名するのではないかという報道が、バチカン地元紙はじめ宗教紙、英米紙に駆け巡っていた。だが、その後、一週間たっても、その“歴史的合意”がなった、という報道はなかった。おそらく中国とバチカンの話し合いは物別れになったと思われる。その証拠に、中国のインターネットサイトで、聖書の販売が全面禁止になったり、バチカンに承認されているが中国共産党には承認されていない福建省の司教が嫌がらせのように一時拘束されたりした。そして4月早々、中国当局は1997年以来、二度目となる中国“宗教白書”を発表した。習近平政権はこの白書で、初めて“宗教の中国化”なる概念を強く打ち出した。“宗教の中国化”とは何なのか。その延長線上に、中国とバチカンの国交正常化はありうるのだろうか。習近平政権の宗教政策について整理してみたい。

両者妥協しがたい司教任命権問題

 バチカンと中国は国交正常化を目指して、一昨年当たりから本格的な交渉が進められていた。今年3月からバチカンと中国がそれぞれの国宝級美術品を交換して相互に芸術巡回展を開催するのも、こうした“芸術外交”を通じて、国交正常化に向けた政治的空気を醸成するのが狙いだと見られていた。

 中国は1951年以来、バチカンと断交状態にある。バチカンが台湾(中華民国)との国交を維持していること、そして宗教の自由が守られていない中国と宗教国家であるバチカンが国交を結ぶにあたってはいくつかの譲れない対立点があることが、両国の国交正常化交渉の妨げとなっていた。

 だが、中国にしてみれば、台湾の国際社会における孤立化を進めるには、台湾との国交を維持している唯一のヨーロッパ国家であるバチカンとの断交工作が一番効果的だ。対台湾外交包囲網を完成させ、台湾統一に向けた重要な布石という意味で、中国側は習近平政権になってからにわかにバチカンとの国交正常化に意欲を見せるようになっていた。

 一方、バチカンにしてみれば、中国は潜在的にもっとも多くのキリスト教信者が存在する最後の宗教フロンティアだ。公式のカトリック信者は600万人ということだが、非公認キリスト教徒となるとすでに1億人を超えるともいわれている。

 だが、この両者の間には、双方にとってなかなか妥協できない問題があった。その筆頭問題が司教任命権である。世界中、カトリック教会の司教の任命権はバチカンにあるが、それを認めていないのが中国である。中国ではすべての宗教は共産党の指導に従うことになっており、党の頭越しにバチカンが司教を任命することなど容認できるわけがないのだ。具体的に言えば、中国には現在カトリック司教が77人おり、うち53人についてはバチカンと中国共産党、ともに承認している。だが17人についてはバチカンが承認するも、共産党は認めていない。一方、7人の共産党が承認した司教は、バチカンによって破門された。この7人は先月、バチカンに対して寛恕を請い、破門撤回請求中という。

コメント33件コメント/レビュー

当初、バチカンがバカチンに見えてしまった。それはともかく、枢機卿が赤い免罪符を売ることにならなくてとりあえず一安心。
それにしても……

>政治の上から宗教界を指導して、中国共産党の指導を擁護し、社会主義制度を擁護する

うん、何を言っているかさっぱり解りません。宗教を否定しているシステムを、どうして宗教が擁護しなければならないのでしょうね?(2018/04/13 14:51)

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「中国、バチカンと交渉決裂?」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

当初、バチカンがバカチンに見えてしまった。それはともかく、枢機卿が赤い免罪符を売ることにならなくてとりあえず一安心。
それにしても……

>政治の上から宗教界を指導して、中国共産党の指導を擁護し、社会主義制度を擁護する

うん、何を言っているかさっぱり解りません。宗教を否定しているシステムを、どうして宗教が擁護しなければならないのでしょうね?(2018/04/13 14:51)

今や共産主義が宗教なんですから、それって宗教戦争の前触れかな?、「宗教は民衆の阿片である」ならば「共産主義は為政者のアヘン」じゃないですか?(2018/04/12 22:17)

西の帝国・ローマの皇帝は「第一人者」であって、つまりは市民のトップである『人間』だったから、神の下に降るのは別に変でもなかった。でも中国の皇帝を意味する「天子」は至高の概念である「天」に選ばれた存在だから、ある意味「キリスト」に近い位置づけとも解釈できる。そんな「天子」への階梯を上る習さんに、現世的力で圧迫する手段も無しに上位の権威を受け入れろ、ってのは無理筋じゃないかな?とか思う。(2018/04/12 21:52)

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