• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国「一帯一路」サミット、米国参加の狙いは?

“中国の天敵”ポッティンガー代表派遣の思惑を読む

2017年5月17日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

米国代表団を率いたのはマット・ポッティンガー国家安全保障会議アジア上級部長。ウォールストリートジャーナルの元中国特派員で“中国の天敵”だ(写真:新華社/アフロ)

 習近平政権の今年最大の国際政治イベント・一帯一路(シルクロード経済圏構想)国際協力サミットが5月14日、15日に行われた。陸のシルクロードと海のシルクロード沿線国約60カ国を中国主導で一つの経済圏とするという大風呂敷の構想の実現に向けた初の国際会議だ。開幕日に北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を行うという嫌がらせに遭遇するも北朝鮮も代表団は派遣しているし、本来利害が対立するはずのロシアの大統領プーチンも参加している。なにより、オバマ政権時代は徹底無視であった米国が代表団を派遣したことが、世界を驚かせたことだろう。資金ショートの問題などがあり、暗礁に乗り上げかけているかに見えた一帯一路だが、トランプ政権の方向転換、親北親中派の韓国新大統領の登場もあって、国際社会の風向きは中国に有利なように変化しているようにもみえる。一帯一路の行く先を今回のサミットから占ってみたい。

習近平への“朝貢”を喧伝

 今回の“一帯一路サミット”の目的は、一帯一路の推進以前に、習近平が党大会前に、国際社会の自分への肯定感をアピールして国内権力闘争を有利にもっていきたいという狙いが大きい。こういう国際イベントを盛大に開き、あたかも中国が国際社会の中心であるというイメージを中国人民および党員たちに印象づける。習近平の下にあたかも朝貢国のような国々の元首が集うという構図をCCTVなどを通じて国内に喧伝することは、習近平個人のメンツを満足させるだけでなく、今後の権力闘争の追い風にもなるのだ。

 国家元首が参加するのは29カ国・組織でG7の中では、今年のG7サミットの議長国・イタリアのジェンティローニ首相だけ。だがこれをもって一帯一路に先進国が関心を寄せていない、といえるかというとそうでもなく、およそ130カ国・組織が今回のサミットに代表団を送り込み、しかも、当然無視すると思われていた米国や北朝鮮まで代表団を派遣したことは、国際社会の予想を上回った規模になったということだろう。

コメント12件コメント/レビュー

一帯一路とTPPを比較するのはややミスリーディングな気がする。一帯一路は「地政学的コンセプト」であり、比較するなら「Pivot to Asia」の方が適当ではないか。(TPPはPivot to Asiaを経済面で支える具体的政策の一つ)

その上で言うと、一帯一路は、目玉となる具体的政策であるAIIBやシルクロードファンドが何を目指しているのか不明で、仮にこのままであれば早晩フェードアウトしてしまうだろう。途上国の世銀に対する不満は大きく、AIIBを中国が発表した際には大きな期待を集めた。しかし、AIIBが世銀の抱える問題にどう対処するのか、という点はいまだに不明なままである(むしろ、AIIBは出来の悪い世銀/ADBのようになりつつある)。

民間資金は世界中で溢れており、途上国に足りないのは政府の政策プロジェクトの企画・構築・運営能力とそれを支える公的資金である。中国が途上国開発に関してグローバルなリーダーシップを発揮するには、この問題を解決するために、世銀と異なる中国独自のアプローチを示す必要がある。今のAIIBは、プロジェクトの民間資金ポーションを肩代わりする、あるいはADBにプロジェクトを分けてもらう、という存在に過ぎない。シルクロードファンドにも、途上国開発の本質的な問題を解決する、という意思は見えない。

日本は、当面、一帯一路からは少し距離を置きつつ、その進展を是々非々で見ていれば良いのではないか。中国が本当に面白いイニシアチブを打ち出したら、そのときこそマジメに参加の是非を検討すれば良いように思う。(2017/05/18 14:50)

「中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス」のバックナンバー

一覧

「中国「一帯一路」サミット、米国参加の狙いは?」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

一帯一路とTPPを比較するのはややミスリーディングな気がする。一帯一路は「地政学的コンセプト」であり、比較するなら「Pivot to Asia」の方が適当ではないか。(TPPはPivot to Asiaを経済面で支える具体的政策の一つ)

その上で言うと、一帯一路は、目玉となる具体的政策であるAIIBやシルクロードファンドが何を目指しているのか不明で、仮にこのままであれば早晩フェードアウトしてしまうだろう。途上国の世銀に対する不満は大きく、AIIBを中国が発表した際には大きな期待を集めた。しかし、AIIBが世銀の抱える問題にどう対処するのか、という点はいまだに不明なままである(むしろ、AIIBは出来の悪い世銀/ADBのようになりつつある)。

民間資金は世界中で溢れており、途上国に足りないのは政府の政策プロジェクトの企画・構築・運営能力とそれを支える公的資金である。中国が途上国開発に関してグローバルなリーダーシップを発揮するには、この問題を解決するために、世銀と異なる中国独自のアプローチを示す必要がある。今のAIIBは、プロジェクトの民間資金ポーションを肩代わりする、あるいはADBにプロジェクトを分けてもらう、という存在に過ぎない。シルクロードファンドにも、途上国開発の本質的な問題を解決する、という意思は見えない。

日本は、当面、一帯一路からは少し距離を置きつつ、その進展を是々非々で見ていれば良いのではないか。中国が本当に面白いイニシアチブを打ち出したら、そのときこそマジメに参加の是非を検討すれば良いように思う。(2017/05/18 14:50)

やはり万人受けするように面白おかしく記事が書かれています。日本が参加するからには日本の国益になることが大前提であり、他国の援助をすることも回りまわって日本のためになることです。
まず参加しないことには始まりません。筆者が言われるようなことは当たり前で用心して慎重に行動する必要があると思います。日本がこれからどのように立ち回るかは、これからの展開次第と思います。主導権を握るのは時期尚早であり暫くは参加した上で様子見ではないでしょうか。二階幹事長は政府の人間ではないので国の代表ではありませんし、何の拘束力もありません。どれだけリップサービスしても問題無いし、効果的だと思います。(2017/05/18 13:20)

この一帯一路サミットの不気味さ。
あきらかに米中戦争の開戦のきっかけになる可能性もありそう。

ぶっちゃけ北朝鮮問題も、米国の中国牽制の一種の意味もあるだろうし、
米国も米中戦争のきっかけにする気持ちも多分にあるはずだ。

米国内の中国に取り込まれた輩の抵抗活動も活発化しており、
もうなにがなんだか。(2017/05/18 03:49)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

お客様が低価格に慣れてきている。

片岡 優 ジェットスター・ジャパン社長