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台湾をめぐる米中対立が激化、その行方は?

強まる中国の外交圧力、相次ぐ台湾との国交断絶

2018年5月30日(水)

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台湾と断交したブルキナファソは、中国と国交を樹立した(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 米中関係の駆け引きで、半島問題と通商問題がクローズアップされているが、もう一つ大きな駆け引きが動いている。台湾問題だ。特に米国議会が台湾旅行法を2月末に可決して以降、中国の台湾への圧力外交がすさまじい。台湾旅行法可決直後、中国が英字紙チャイナ・デイリーを使って「戦争の可能性」にまで言及して警告。企業には巨大市場にものをいわせて中国台湾の表記徹底を通達した。またバラマキ外交によって5月だけで台湾と断交させた国家は2カ国となった。

 一方で、トランプ政権は安全保障担当の大統領補佐官に、親台湾派で反中最右翼のジョン・ボルトンを起用して以来、台湾支持の立場を徐々に鮮明にしてきた。米国は台北で6月に落成式を迎える新在台湾事務所の警備に海兵隊を派遣するという話もあり、国防権限法に基づく軍艦の台湾寄港や軍高官の台湾訪問もちらつかせ始めた。台湾をめぐる米中対立はどこに向かうのか。

 台湾の外交関係は4月から5月にかけて激変した。2016年12月にサントメ・プリシンペとの断交が発表され、2017年6月にパナマとの断交が決まった。今年5月1日にはドミニカ、同月24日にブルキナファソが台湾との断交を発表している。中国はブルキナファソに500億ドルの経済援助を持ち掛けてきた。

 台湾外交部長の呉釗燮は、責任を取って辞任の意向を蔡英文総統に伝えたが、慰留されて現職に留まることになった。蔡英文政権になって台湾と断交した国はこれで4カ国。台湾と国交を維持している国家は過去最少の18カ国となった。台湾外交部長は中国の金銭外交が台湾の友好国を奪った、と批判するが国家同士にもともと友情はなく、あるのは利害関係だけである。カリブ海や西アフリカの小国にとってチャイナマネーの魅力に抗うことは難しい。

 3月末にはバチカンも中国との国交回復に動く、という情報が流れたが、これは台湾の司教団のバチカン訪問を伴う必死の働きかけと、バチカンの掲げる信仰の自由の建前を中国側は宗教白書で真向から否定したことで、ぎりぎり踏みとどまったかっこうになった。だが、これも時間の問題かもしれない。次はパラグアイが断交に踏み切るのではないかという予測もあり、台湾の国際生存空間がじりじりと狭まっている。

 また中国は外国の航空会社に台湾表記を「中国台湾」と表記するように4月25日に通達。一カ月以内に応じない場合は行政罰を課すとの圧力を加え、通達を受けた44社のうち18社がすでにこの要請を受け入れた。残りの26社は技術的問題を理由に、変更期限の延期を申し入れているが、7月25日までには変更するとみられている。米国はこれに対して猛抗議を行っている。

コメント42件コメント/レビュー

もう日本は腹をくくるべきだ。
台湾問題を他人事として背を向けたままでは日本の戦後は終わらない。
日本政府とすべての日本人は、台湾政府と台湾の本省人に、未済の責務がある。

日本は、米国と豪州を含む英連邦それにできればEUを説得し、台湾との国交を同時再開すべきだ。
その際に能動的に中国との断交をする必要はない。
要は、中国が対抗措置を採るなら世界の孤児になることを覚悟させるだけの国数をかき集めることだ。中南米やASEAN、インドなどにも日本に続くよう根回しすべきだが、まずは先進諸国を説得し切ることが必須条件だ。
中国の出方次第では、米国とともに台湾との軍事同盟の輪も構築すべきだ。

もちろん中国との間で政治的・経済的・軍事的対立は避けられないだろう。日本はその矢面に立つことを宣言しなければ各国の説得もおぼつかない。
だが腹をくくらねばならない。肥大化する中国の現実を見るに、台湾と日本に残された時間は多くない。北朝鮮問題より優先順位は上かもしれない。
日本の利益のみならず、敗戦国日本の戦後を終わらせ、責任ある普通の国に戻るために、台湾問題の解決に積極的に働くべきだ。
過去のことだから、今更だから、責任から逃れられるという考えは捨てよう。何よりも良識ある日本人はそのことを忘れられず、良心に痛みを覚え続けている。

本省人を捨てなければならなかった日本、国民党を見放した米国、香港を見捨てた英国、どれも近い将来起きる凶事を予感しながら「しかたがない」と宥和策を採用した。

重い心の負債を返すべき時が来たのではないか。(2018/06/12 14:52)

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「台湾をめぐる米中対立が激化、その行方は?」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

もう日本は腹をくくるべきだ。
台湾問題を他人事として背を向けたままでは日本の戦後は終わらない。
日本政府とすべての日本人は、台湾政府と台湾の本省人に、未済の責務がある。

日本は、米国と豪州を含む英連邦それにできればEUを説得し、台湾との国交を同時再開すべきだ。
その際に能動的に中国との断交をする必要はない。
要は、中国が対抗措置を採るなら世界の孤児になることを覚悟させるだけの国数をかき集めることだ。中南米やASEAN、インドなどにも日本に続くよう根回しすべきだが、まずは先進諸国を説得し切ることが必須条件だ。
中国の出方次第では、米国とともに台湾との軍事同盟の輪も構築すべきだ。

もちろん中国との間で政治的・経済的・軍事的対立は避けられないだろう。日本はその矢面に立つことを宣言しなければ各国の説得もおぼつかない。
だが腹をくくらねばならない。肥大化する中国の現実を見るに、台湾と日本に残された時間は多くない。北朝鮮問題より優先順位は上かもしれない。
日本の利益のみならず、敗戦国日本の戦後を終わらせ、責任ある普通の国に戻るために、台湾問題の解決に積極的に働くべきだ。
過去のことだから、今更だから、責任から逃れられるという考えは捨てよう。何よりも良識ある日本人はそのことを忘れられず、良心に痛みを覚え続けている。

本省人を捨てなければならなかった日本、国民党を見放した米国、香港を見捨てた英国、どれも近い将来起きる凶事を予感しながら「しかたがない」と宥和策を採用した。

重い心の負債を返すべき時が来たのではないか。(2018/06/12 14:52)

台湾は国号をどう意識しているのでしょうか?
中華人民共和国にとって邪魔なのは、戦勝国の中華民国でしょう。
自身が戦勝国として正当性を嘘でも成り立たせるためには、中華民国の吸収しか方法はないでしょう。
それは中華民国の行政府である台湾の無血開城であり、一度、戦闘行為に入れば中華人民共和国の正当性が難しくなると思います。
しかし、台湾が台湾として独立するなら、話は違ってくるでしょう。
そうなると中華民国の正統な後継で、中台が同列で争うことになり、台湾は相当不利になるのでは?
そんなことを、ツラツラと考えました。

しかし、日本の大手マスコミはこれらの事をどれだけ、理解しているのか?
日本にとって、とても重要なことなのに、モリカケ野党に終始する今の大手マスコミは自ら標榜する公益性を大いに毀損している。
その中での本コラムは本当にありがたいと思っています。
次回も期待して待っています。(2018/06/02 11:30)

台湾と中国は別の国であることは論を待たない
一中一台(1つの中国、1つの台湾)
1つの中国を認めたわけでなくて、(中共が、そう主張するのは)それを理解し尊重するといってるにすぎなく、言ってみればただの方便。(2018/06/02 10:17)

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