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中国サイバーセキュリティ法が狙うネット主権

「中国式社会管理」をネット世界に適用する野望露わに

2017年6月7日(水)

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 6月1日から中国のサイバーセキュリティ法が施行された。ちょうど、天安門事件28周年記念の6月4日前ということもあって、一気にネット規制が強まったことは多くの人が実感したことだろう。具体的には、これまで何とかつながっていたVPNがつながらなくなったとか、中国のツイッター型SNS・微博に外国のIPアドレスから写真や文章を投稿しようとしたら、投稿できない、とか。天安門事件の季節が過ぎれば緩むのか、あるいは秋の党大会を過ぎれば緩むのか、それとも当面、このような状態が続くのか、わからない。私自身、6月末から若干の仕事を抱えたまま中国旅行にいく予定があるので、中国のネット環境の不自由さがこれから、どうなっていくのか、ものすごく気になるのである。いったい、このサイバーセキュリティ法によって、中国ネットはどのように変わるのか。

処罰対象は「党以外」、密告も奨励

 まず、この法律がどのようなものか、概要を説明しよう。

 全部で7章79条。公民の個人情報を侵害する罪に対して罰金や拘留の基準を示したほか、ネットの実名登録制、ネット詐欺への懲罰、ネットを使っての社会主義制度や国家政権転覆の煽動、国家の名誉を傷つけるような言論の規制も盛り込まれた。さらにネット運営者の守秘義務、不作為による情報漏洩に対する具体的罰金、拘留規定なども盛り込まれた。ただし、中国においては、法律はすべからく共産党の指導に基づくものであるから、党が企業や個人情報を侵害することについては、なんら法に触れることはない。

 この法律で、公民の個人情報を攻撃する“敵”として“外国組織”や“個人”が挙げられており、外国からのサイバー攻撃に対する防衛力を高めることも目的とされる。また急激に増えているネット詐欺など新型ネット犯罪活動を厳しく取り締まる根拠ともなる。さらに、違法サイトやネット安全を損なうサイトやネット企業に対する公民の密告通報も奨励されている。

コメント13件コメント/レビュー

「海外のIT企業、EC企業は中国に進出しづらくなり、世界最大のネット市場は中国企業の独壇場ということになる」
今更ですね、GoogleやAmazon, twitter, facebookがそのまま上陸していれば、現在の中国IT企業が存在しえたかどうか。
最初は中国に入ってこれない海外のサービスをぱくるだけで数億人のユーザーを集めることができた、というだけのことですからね。(2017/06/07 13:46)

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「中国サイバーセキュリティ法が狙うネット主権」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「海外のIT企業、EC企業は中国に進出しづらくなり、世界最大のネット市場は中国企業の独壇場ということになる」
今更ですね、GoogleやAmazon, twitter, facebookがそのまま上陸していれば、現在の中国IT企業が存在しえたかどうか。
最初は中国に入ってこれない海外のサービスをぱくるだけで数億人のユーザーを集めることができた、というだけのことですからね。(2017/06/07 13:46)

第5世代移動通信(5G)の時代を目前に控え、今後様々な機能がインターネット上で融合することを考えると世界規模である程度統一化された考え方や規制が必要かもしれないとは思うが、それを中共政権が主導するというのであれば論外だ。中国国内で日々現出するリアルな世界でのご都合主義的専制をそのままサイバー空間でも運用することが予想されるだけに影響は甚大であり由々しき問題だ。

今後中国では文化大革命や天安門事件などの共産党が触れたくない歴史的問題ばかりか、パナマ文書のように共産党指導部の醜聞に属する話題も永遠に抹殺されるよう制御されるだろう。

先に制定された反スパイ法と連携させ、共産党の気に入らない企業や人物はことごとく難癖をつけて摘発され、最終的には排除されるようになるのではないか。

中国で活動する外国企業にも甚大な影響が出ると思うのだが、米国のIT企業などはどう対処するつもりなのか。ただ、対峙するのは一党独裁の共産党政権であり、一民間企業ではほとんど太刀打ちできないのは自明の理だ。グーグルのように撤収の道しかないのかもしれない。

トランプ大統領や先進各国の政治指導者は事の重大さを理解し、中共政権の横暴をこれ以上許さぬよう対中政策を早急に議論するべき時だろう。加えて世界経済を主導するウォール街やグローバル企業の指導者達は金に目が眩んで自らの価値観や挟持を捨て去ることのないよう各国政府と連携し、ポリシーを持って対応してもらいたいと思う。

さもなければ、近い将来、自由な生存権とマネーのどちらが人類にとって重要なのかという究極の選択を迫られる日が訪れることにもなりかねないと危惧する。(2017/06/07 13:20)

中共はネット規制をやり切れると思っているようだが古来、大陸ではクチコミが尊重される土地柄だけに、人の口を封じる事は出来まい。実際にはネット上でガス抜きされていた政府への不満が、実際の行動に移されるとは考えないのかな?
あと、私ごときが言うのもなんですが、福島さん旅先では気をつけてくださいね。(2017/06/07 12:34)

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