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中国「第十九回党大会」は無事に開催できるのか

暗殺を恐れる習近平、開催されてもなお混乱は不可避

2017年6月14日(水)

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 中国の秋の党大会を前に、中国国内がざわざわし始めている。まず、北京市や広東省の中枢および各省の政法委書記更迭などに代表される習近平人事の動き。そして軍内部に絶えない習近平暗殺およびクーデターの噂。社会で頻発する集団抗議の動き。以前にこのコラムでも紹介したことがある、米国に逃亡した“闇の政商”郭文貴の投じた“王岐山スキャンダル”の余波。権力闘争の行方は夏の北戴河会議(河北省の避暑地で行われる非公式会議)が終わるまで、何とも言えないが、何が注目点であるか、少し早めに大まかに整理しておこうと思う。

指導部人事の変数は三つ

 ニューヨークタイムズ華字版が先日、「第十九回党大会が直面する四大挑戦」と題する興味深い記事を掲載していた。筆者は中国共産党中央党校機関紙「学習時報」の元副編集・審査員で、今はフリーランス学者の鄧聿文。少し紹介したい。

 「今年秋の党大会(十九大)は、権力闘争(人事)、イデオロギー、改革、経済における四つの挑戦に直面する。核心部分は権力領域の挑戦であり、習近平が本当に党の指導者としての権威を備えることができるか否か、それが十九大で決定される新指導部人事で判明する。

 この指導部人事を決定する変数は、三つある。

 まず、習近平の反腐敗キャンペーンが人事をかき回す可能性がある。この反腐敗キャンペーンを評価するか否かは別にして、およそ誰もが腐敗の嫌疑をかけられ得る体制において、党内各派閥は、政敵を引きずり下ろすためにこの反腐敗キャンペーンの口実を利用する。党大会までの今後数カ月の間に党ハイレベルでどのような腐敗事件が暴露されたとしても、決して不思議ではない。

 二つ目の変数として王岐山が留任するか否か。これは一つの核心問題だ。7月で69歳の誕生日を迎える王岐山が、十九大で引退せず指導部に留任することは、すなわち従来の共産党秩序である政治局常務委員の年齢制限の慣例を破ることになる(この慣例破りが前例となって、習近平三期目続投の理由になる可能性がある)。

 三つ目の変数は、胡春華と孫政才という63年生まれの若き二人の政治ホープが政治局常務委員会(指導部)入りするか否か。二人は胡錦涛時代に育て上げられた第五世代指導者であり、もし彼らが指導部入りすれば、習近平の権力を牽制することになる。表面上、十九大が円満に成功し、党内の団結が喧伝され、勝利が宣言されても、人事がどうなるかによって、意味は全く変わってくる、というわけだ」

コメント9件コメント/レビュー

習近平は中国初の暗殺されたトップとなるかもしれませんね。そうすれば記録と記憶に残る中国トップになれますので、習近平としても願ったものとなるでしょう。。。(2017/06/16 09:07)

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「中国「第十九回党大会」は無事に開催できるのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

習近平は中国初の暗殺されたトップとなるかもしれませんね。そうすれば記録と記憶に残る中国トップになれますので、習近平としても願ったものとなるでしょう。。。(2017/06/16 09:07)

行き詰れば「外の危機」を演出することになるだろう。人民の目を朝鮮半島情勢に向ける事が一番容易い。次は、日本。「仕向けても大事にしない」と踏んでいるからだ。
南シナ海は、アメリカと角を突き合わせる事になるので慎重になるだろう。パキスタン・インド国境での紛争拡大は、インパクトに欠ける。あえてロシア国境の線を引き直すか。プーチン氏との裏取引が成立すれば、勢いよく花火合戦を演出する事だろう。
どれも、現政権が国内をある程度掌握していないとできない事だ。そのレベルまで中国共産党をまとめあげられるか。党大会の延期も視野に入って来ているのかもしれない。(2017/06/15 06:16)

十九大が無事開催されるかどうかはよくわからないが、少なくとも今後数年、中共政権が苦境に陥いる元凶はやはり経済問題だと思う。

中国の北朝鮮制裁のいい加減さに業を煮やした米国は、いよいよ北朝鮮貿易に深く関わる中国企業も名指しし出したし、ティラーソン国務長官に至っては原油供給の制限にまで言及し始めた。米中通商対話の100日計画期限が目前に迫る中、米国は今のまま中途半端な制裁で北朝鮮を温存する中共政権を経済面で締め上げていくのではないか。

経済政策の目玉である一帯一路構想も大々的な花火は上げたものの、今後難航することを想起させる事件等がいくつも発生している。パキスタン南西部で中国人2人がISに殺害された事件、中東の玄関口と目し経済的に肩入れしてきたカタールがイスラム教スンニ派のアラブ諸国から断交され身動きが取れない状態になっていること、インドネシアジャワ島での高速鉄道計画が住民との軋轢もあって遅々として進まないことで、ジョコ大統領も日本に期待し始めたことなど憂慮すべき材料は尽きない。

中国が期待するEUとの取引拡大に関しても、今月李克強が訪欧しメルケル首相とWIN WINを演出していたが、その熱も冷めやらぬうちにEUは中国製鋼板に対する反ダンピング課税を発表し、中国は猛反発するに至った。

また、何より経済問題で懸念されるのは債務拡大、資金流失、信用力低下による外貨不足問題だ。

最近の人民元相場管理手法の突然の変更や昨年来実施中の企業や個人の外貨送金規制の強化を見ても外貨流失や人民元下落をどれほど恐れているかが読み取れる。先週も新たに銀聯カード等のカード発行会社に対して特に海外での使用データの銀行への報告義務を通達したと発表され、少額といえども厳格に管理せざるを得ないという姿勢そのものが逼迫度を物語る。

習近平があと5年間国家主席を担うことになってもならなくても、中共政権の今後には相当な茨の道が予想されるだけに、日本人としては国内問題一掃のための乾坤一擲の対外危機演出がかなりの確率でありうることだけは決して忘れてはならない。(2017/06/14 15:24)

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