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銅鑼湾書店事件、「ノーと言える香港人」の告発

中国の強権に屈せず、香港の核心価値を守れ

2016年6月22日(水)

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中国当局に拘束されていた香港銅鑼湾書店の店長・林栄基が香港に戻り、会見を行った(写真:AP/アフロ)

 中国当局により昨年10月以降から拘束されていた香港銅鑼湾書店の店長・林栄基が6月14日に釈放され香港に戻った。この事件で失踪した関係者5人のうち、香港に戻ったのは彼が4人目。“ひき逃げ犯として自首”して中国中央テレビ(CCTV)上で涙ながらに罪を認めたオーナーの桂敏海以外は全員戻ってきたことになる。もし、林栄基が先の3人同様、沈黙を守っていたら、この事件は真相不明のまま、香港に言い知れぬ不安を残しつつ風化していたかもしれない。

 だが、彼は16日に香港で記者会見を開き、この失踪事件が「中央専案組」と呼ばれる特別捜査チームによって実行された、中国当局によって仕掛けられた事件であることを暴き、中国当局による「一国二制度つぶし」であることを告発したのだった。

 この会見以降、香港はハチの巣をつついたようになっている。親中香港メディアは林の発言が民主派議員に操られた嘘であると批判する一方、香港市民の間では林栄基擁護デモも発生。いったいこの事件の真相はどこにあるのか。そして香港の行方は。林栄基の記者会見やインタビューの内容を振り返って検証してみたい。

ひきつった笑顔がもたらす恐怖

 銅鑼湾書店の事件の概要そのものは、過去の拙コラム「香港銅鑼湾書店『失踪事件』の暗澹」や「中国の『越境拘束』、タイや香港で続発の脅威」を参照してほしい。

 失踪した5人のうち、銅鑼湾書店の親会社である巨流傳媒有限公司の社長の呂波が今年3月4日、経理の張志平が3月6日、そして英国国籍で、大株主の夫で店主の李波が3月24日に釈放されていた。

 この事件について、先に釈放された関係者はほとんど口をつぐみ、唯一、李波が釈放後、香港フェニックステレビや星島日報など“親中派メディア”の取材を受けている。

 李波は、桂敏海の取り調べに協力するために自ら望んで中国本土に渡ったと主張し、自分が中国当局に拉致されたわけでも、失踪したわけでもないと強調。自分も妻も政治に利用されたくないので、これ以上、メディアは大騒ぎしてくれるなと釘を刺した。このときのインタビューで見せた李波のひきつった笑顔は、香港人たちを恐怖に突き落とした。李波はその後、なぜか英国国籍放棄の手続きをとった。

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「銅鑼湾書店事件、「ノーと言える香港人」の告発」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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