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「草の根民主」勝ち取った烏坎村に、再びの乱

村長逮捕に村民が抗議デモ。政争か、新たな胎動か

2016年6月29日(水)

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広東省・烏坎村の村長逮捕に村民が抗議デモ。子供たちも参加した(写真:ロイター/アフロ)

 広東省汕尾市の烏坎村で今月17日、異変が起きた。村民直接選挙で選ばれた村長(村民委員会主任)・林祖恋(銮)が“汚職容疑”で突如拘束されたのだ。だが、この“汚職容疑”を村民が信じることはなく、村長釈放を求めて村では村民3000~4000人が連日抗議デモを展開中だ。当初は外国メディア、香港メディアも村で現場取材を行ったが、現在はメディアは締め出されている模様。これは、中国の農村でありがちな単なる“群衆事件”の一つにすぎないのか。

 だが、この烏坎村は、ただの農村ではない。2011年から12年にかけて“烏坎の乱”と呼ばれた村民のデモによって自治を勝ち取り、旧共産党支部書記を追い出した。その後、林祖恋は党支部書記を兼任してはいるが、村の重要政策は村民大会という民主的な方法で決める、村内民主を実現。中国唯一といってよい“草の根民主の村”として、“烏坎モデル”と呼ばれるようになった。そんな村で、今何が起きているのか、それが何を意味するのか、考えてみたい。

道路を封鎖し、汚職容疑で逮捕

 今回の事件の経緯を振りかえってみよう。

 6月17日深夜、烏坎村に突然、大量の警察官がやってきて、道路を封鎖しはじめた。そして18日未明、村長の林祖恋を“汚職容疑”で拘束した。香港紙明報に、林祖恋の妻が語ったところによると、17日夜は林祖恋の友人の前東海鎮長が林家を訪れていたのだが、その親友が帰宅した直後を見計らって警官隊が家になだれ込んだ。親友に「携帯電話を忘れた」と言わせて、林家の玄関を開けさせると、着替える猶予も与えずに、ランニングシャツ一枚の恰好のまま彼を連行していったという。このとき警官たちは連行の理由も言わなかった。林祖恋は19日に村民大会を開き、21日に2011年の“烏坎事件”の原因ともなった土地強制収容問題の解決を求めて、上層部門に陳情にいくことを決定するつもりであったという。この陳情行動のため、林祖恋は自分が捕まったときに妻や子供たちに累が及ばないように離婚の書類にもサインしていたという。

コメント6件コメント/レビュー

毛沢東が農村では人口の0.1%を見せしめに殺すように支持した手法が拘束・逮捕で問題解決というのが今日再現されているだけでしょう。これが間違っていると声を上げると自分が粛清される、或いは誰かから密告されて粛清される。これを経験した世代が消える前に、若い世代が同じ経験をするということは中国が自らの発展の時計をこれから50年から60年止める事になるでしょう。この停滞を隠すために内外で紛争を起こす。正しく第二の文化大革命に地すべりが起こり始めているのでしょう。日本に火の粉が飛んでくることは避けられない。(2016/06/29 18:34)

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「「草の根民主」勝ち取った烏坎村に、再びの乱」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

毛沢東が農村では人口の0.1%を見せしめに殺すように支持した手法が拘束・逮捕で問題解決というのが今日再現されているだけでしょう。これが間違っていると声を上げると自分が粛清される、或いは誰かから密告されて粛清される。これを経験した世代が消える前に、若い世代が同じ経験をするということは中国が自らの発展の時計をこれから50年から60年止める事になるでしょう。この停滞を隠すために内外で紛争を起こす。正しく第二の文化大革命に地すべりが起こり始めているのでしょう。日本に火の粉が飛んでくることは避けられない。(2016/06/29 18:34)

いやはや、21世紀は中国の世紀だとか
米中で世界を主導するとか・・・

 本日のお噺しでは・・21世紀どころか、名主さんと一揆の衆とお代官様が跳梁跋扈する
江戸時代のようですねぇ。

圧倒的多数を占める中国の若い「無産階級」の生活レベルの維持を中国共産党が支えきれな
くなった時に、何らかの政治的変動が起こるかもしれませんね。

第一次世界大戦後、欧州で同じように若い無産階級から多数の犠牲者を出し、大衆の協力なくしては戦争継続も不可能であったという結果、結局は戦争を阻止できなかった有産階級は彼らの政治的要求を無視しえなくなった。

同じようになるでしょうか。(2016/06/29 17:31)

最近巷を賑わしている2017年秋の党大会に向けた習近平と李克強を中心とする団派の対立はこんなところにも現れてきているのかと思わずにいられない記事だ。

一方、今回の事件が権力闘争とは一線を画すものだとしても、こうした人民の権利要求がエスカレートする中で、徐々に抑えが効かなくなりつつあるとすれば、今後習近平はどう事態を収拾していくのかも注視を要する。

また、広東省で起きた事件であることももう一つ興味深い要素だ。

というのも、呉越同舟の故事もあるように、古い歴史を遡れば北のエリアとは国も言葉も違っていた広東省は、いわゆる中原ではなく黄河の北に位置する北京に対してはとりわけ対抗意識も強く、本流意識も強いと聞く。

その意味で、もし今回の事件をきっかけにこのような運動が広東省から北に広がることがあるとすれば、大きなうねりになる可能性を秘めている。であれば、習近平だけでなく、胡春華や汪洋を初めとする団派の力量も試されることになるのかもしれない。(2016/06/29 14:03)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長