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「良心的知識人」の相次ぐ自殺が示す中国の混沌

もはや「うつ病による自殺」では覆い隠せない

2016年7月13日(水)

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 顔見知りの人の不審な死というのは、心をざわつかせる。それも立て続けとなると、気になってしかたない。

 共産党理論誌「求是」の朱鉄志・副編集長が6月25日に自殺した。求是編集部の地下にある駐車場で首をつったという。会合の場でお会いしたことがある。私が新聞社をやめた翌年の春節、フリーランスになった旨を知らせる言葉をそえて春節カードを送ったら、「どこでお会いしましたか。覚えていないのだが」と、返事を添えたカードが返ってきた。律儀な人であった。うつ病の気があったと言われていた。

 その前の6月18日、元外交官の呉建民氏が湖北省武漢で午前4時、交通事故で死亡したのも衝撃を受けた。武漢大学での講義のための移動中、中央分離帯に衝突、同乗の教授も死亡し、運転手は負傷した。原因は運転手の睡眠不足、疲労による運転ミスだといわれている。

 お二方とも特に親しいわけではないが、北京駐在記者時代には一度となくお会いし、名刺を交わした。比較的、外国人記者に受けのよい、開明派の知識人である。そういう改革派、開明派の知識人の死というのが、結構最近多いような気がする。そう思いはじめると、本当に自殺なのか事故死なのか、気になってくる。

開明派の渾身のヨイショ原稿

 朱鉄志について、簡単に紹介したい。

 1960年吉林省通化生まれ。北京大学哲学科を卒業し、随筆家・雑文家として、また「紅旗」や「求是」など共産党中央誌で編集者として、活躍した。その筆致はユーモアと思索に富み、魯迅文学賞も受賞したことがある。もちろん優秀な党員である。

 思想的には開明派、改革派であるが、習近平政権になってからは2014年8月12日に「習近平総書記に文風(文学スタイル)を学ぶ」と題した、渾身の習近平ヨイショ原稿なども寄稿している。私が記者として駐在していた当時の原稿と比べると“らしくない”ものが多かった気がする。彼は、「紅旗」記者時代、左傾思想、毛沢東主義を批判してきた雑文の大家、牧恵の薫陶を受け、少なくとも習近平政権前は、党の封建主義的な部分を批判していたし、改革開放と自由を重視していた。

コメント17件コメント/レビュー

共産党が前衛として良導する独裁国家には「道を過たぬよう世論を喚起する良心も知性も」不要なんですな。ノイズは要らないのです。ひたすら共産党の指令通りに動けば宜しいのかと。
そんな国で朝日は何をしていたの?公式報道を伝えていただけです。日本でしている事と違うのはなんででしょう?(2016/07/14 18:49)

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「「良心的知識人」の相次ぐ自殺が示す中国の混沌」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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共産党が前衛として良導する独裁国家には「道を過たぬよう世論を喚起する良心も知性も」不要なんですな。ノイズは要らないのです。ひたすら共産党の指令通りに動けば宜しいのかと。
そんな国で朝日は何をしていたの?公式報道を伝えていただけです。日本でしている事と違うのはなんででしょう?(2016/07/14 18:49)

静かなる第二文化大革命の前進。自殺から始まって密告・吊し上げにどれくらいの速度で至るか。そして、その人数がどれほど増えるか。その反動が周辺国との紛争となり、国威発揚として使われる。今、地球上で自然災害の以外で最も危険なものが中国共産党でしょう。(2016/07/14 09:02)

中国における知識人の自殺の個別事例として興味深く読んだ。一方で、人口も日本の11倍だから年間30万人の自殺者(日本の警察発表での分類を適用した場合の「自殺者」)がいても可笑しくないと考える。日本では警察庁が全国で年間三万人前後と発表するが、彼の国ではそもそも自殺に関する国家統計など存在するのかどうか? 次回の記事ではその辺も報告して貰いたい。国家による対人民抑圧度とうつ病発症率との関係を疫学的視点から調査して貰えれば{サラリーマン時代に、上司のパワハラで同僚がうつ状態に陥り自殺した事例を間近に見た者として}嬉しい。(2016/07/13 23:14)

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