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ポスト習近平候補の孫政才が失脚、「次」は?

“お友達人事”ゴリ押しで、「院政」にも布石

2017年7月19日(水)

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重慶市書記を解任された孫政才。習近平のライバル追い落としが着々と進む(写真:ロイター/アフロ)

 ポスト習近平の地位に近いとみなされていた共産主義青年団ホープの一人、孫政才が突然、重慶市書記を解任された。後任は貴州省書記であった陳敏爾。重慶市は直轄市であり、これで之江新軍(習近平派)のエースとみなされる陳敏爾の政治局入りは確実となった。孫政才は取調べのために党中央に北京へ呼び出されているとか。だとすれば、ただの解任ではなく、失脚である。秋の党大会、およびその前の水面下の調整機会にあたる北戴河会議の直前に起きた突然の人事の背景を考えてみる。

重慶市書記任命「嫌がらせ人事」の果てに

 孫政才は広東省書記の胡春華とともに1963年生まれの若き共産主義青年団派(共青団派)のホープとして、習近平の次の総書記ポストに一番近いとみなされていた官僚政治家だった。2012年11月、彼を重慶市書記に選んだのは習近平だ。それは共青団の有望株である孫政才に対する嫌がらせだといわれていた。

 当時の重慶は、薄熙来事件によって不安定化していた。「打黒」という反腐敗キャンペーンで権力強化を図っていた薄熙来自身が失脚すれば、当然、薄熙来に失脚させられた中級官僚たちが名誉回復を求める。この陳情、事後処理に市政はてんやわんやの混乱状況で、こういう状況の重慶市政を担ったとしても、出世につながるような経済成長も民生改善も望めない。習近平の狙い通り、孫政才は薄熙来事件事後に明け暮れて、まともな市政運営ができなかったといわれている。ちらりと聞いた話では、薄熙来事件処理のあまりの多忙さに、孫政才はちょっと鬱ぎみであったとか。

 ロイターなどの報道を参考にすれば、孫政才は14日に召集された重慶市党幹部会議で解任が宣言され、同日北京で行われていた全国金融工作会議に出席中のところを拘束されて、目下、取り調べを受けているらしい。後任の陳敏爾は、この会議において、習近平の核心的地位を維持することが我々の主要政治任務だ、と語ったとか。

 中国の公式報道では、孫政才の解任と取調べの理由については説明されていない。ただ、前触れはあった。重慶市公安局長の何挺が4月に汚職で失脚していた。これで重慶の公安局長は三代続けて失脚しており、当時は、風水が悪いんじゃないか、と噂されたほどだ。何挺の汚職と孫政才との接点はあまりないように思われた(むしろ張徳江との関連が噂されている)が、監督不行き届きで孫政才の政治局常務委入りには影響するのではないかともいわれていた。いずれにしろ、習近平が仕掛ける権力闘争に利用されるスキはあった。

コメント14件コメント/レビュー

中国の権力闘争は今も昔も同じことの繰り返しですね。
ところで、その勢いも経済発展に左右されるのでしょうが、実際のところ中国の実情はどうなのでしょうか。AIIBを持ち上げドイツと手を組んで世界制覇を成し遂げるという論調もあれば、実際は三峡ダムも崩壊寸前でハリボテ経済の終焉も近いという向きもありますが。(2017/07/20 15:32)

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「ポスト習近平候補の孫政才が失脚、「次」は?」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中国の権力闘争は今も昔も同じことの繰り返しですね。
ところで、その勢いも経済発展に左右されるのでしょうが、実際のところ中国の実情はどうなのでしょうか。AIIBを持ち上げドイツと手を組んで世界制覇を成し遂げるという論調もあれば、実際は三峡ダムも崩壊寸前でハリボテ経済の終焉も近いという向きもありますが。(2017/07/20 15:32)

福島さんの文章を読むと、中国共産党内の権力闘争は、ほとんどヤ*ザの跡目争いのようなもので、その人の才能や資質は二の次・三の次だと理解できます。
法律もトップの意向でいくらでも曲げられるので、あって無いようなものですし、もうほとんど修羅・羅刹の国ですね。

また、国民を顧みない思想も理想もない者がトップになり、己の私利私欲・権力維持のために法を曲げて政敵やかつての仲間をも粛清する。
三国志や史記などで描かれているようなことがリアルタイムで進行しているとは、なかなか感慨深いです。

企業でもそうですが、組織において実績や資質のない人が上のポストに就いたり出世することほど組織を弱体化させるものはありません。
中国共産党は、このまま静観していても5年か10年でかなり弱体化するのではないでしょうか。(2017/07/20 02:17)

マルクスレーニン主義・毛沢東思想・鄧小平理論・習近平・・ナンでしょうね?「大綱」か「指針」か?
まぁそれは措いといて、彼習主席の求める党。理想とする体制はナンでしょう?

 私が勝手に思うに、毛沢東が今の中国共産党を作った。パリ・モスクワ帰りのインテリや
コミンテルンに服従する人間でなく、農民出身であるがゆえに強権で党の自立独立性を確立
しひ弱なインテリの党内民主主義なぞ叩き潰し、明の太祖のように自分を中心とする
絶対支配体制を敷いた。党内官僚制度実権派すら自分を掣肘するものとして敵視し打倒し
自分が必要とする存在としてのみ存続を許した。
 こうした姿勢を次の鄧小平も深く尊敬していた。つまり毛沢東と鄧小平は凡て(の派閥)
を統べる皇帝であった。
 江沢民は皇帝鄧小平の傀儡であったが、皇帝にならず私権と私利のため作った上海閥
の長となる。改革開放に乗っかって拡大する上海閥の牽制のためか皇帝鄧小平が最後に
指名したのは共青団の胡 錦濤でした。彼もまたすべての派閥を超越した皇帝ではなかった

 その後太子党と上海閥の談合により誕生したのは習政権であるが、その彼が皇帝を目指
すという。派閥均衡型でなく、すべての派閥を従属できるのか?

 そのために党の規律委員会だの司法だの警察だの報道宣伝だのを抑え他の派閥を制圧
利権(シノギ)を取上げて自派に移し、軍区から戦区制へと改編、軍権掌握を進める途上

しかし、彼は毛沢東・鄧小平のようなカリスマではなく。江沢民のような経済アゲアゲの
時代でもない。しかも、権力ばかりか利権まで吸い上げるとなると。反発は強力でしょう?

出来るのですか?一時的に出来ても共産党全体から力を削ぐごとにならないか(2017/07/19 23:02)

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三品 和広 神戸大学教授