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『炎黄春秋』停刊宣言は中国の良心の断末魔

右派知識人排除の先に待つのは、絶望への下り坂

2016年7月27日(水)

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 1991年の創刊以来、中国知識人の良心を代表するとして愛読されてきた中国の改革派雑誌『炎黄春秋』がついに停刊に追い込まれた。おそらくは文革発動50周年に関する5月号の記事が最終的なきっかけとなったのだろう。習近平政権になってから何度も停刊危機がささやかれたが今年7月17日になって、社長だった杜導正の署名で停刊声明が出された。過去25年19回にわたって当局から圧力を受け続け停刊の危機に瀕しながらも耐え続けた雑誌が、このタイミングで停刊に追いやられた背景に何があったのか。炎黄春秋停刊から見えてくる中国の未来を考える。

当局による雑誌社乗っ取り

 停刊声明は、このような文面だった。

 「7月12日、中国芸術研究院が一方的に炎黄春秋雑誌社との契約書「中国芸術研究院と炎黄春秋雑誌社協議書」を破毀し、わが社指導機構の総入れ替えを宣言したことは、憲法第35条が与えた“公民の出版の自由”の権利を厳重に侵犯するものである。また明確にわが社の人事、出稿、財務における主権を約定している協議書にも違反している。7月15日、中国芸術研究院が派遣した人員がわが社に強硬に侵入すると、『炎黄春秋』のオフィシャルサイトのパスワードを盗み取り変更し、我らが雑誌の基本的編集出版条件を喪失させた。

 これに鑑み、炎黄春秋雑誌社委員会の討論を経て決定したことは、きょう7月17日即日停刊し、今後いかなるものも『炎黄春秋』名義で発行する出版物は、“本社”と関係ないこととする」

 これはどういうことか。炎黄春秋の主管は一昨年から国務院文化部直属機関である中国芸術研究院となり、その主管機関の研究院がいきなり25年間、社長を務めていた杜導正を解任し、人員を派遣して、編集局を占拠し、雑誌社の資産800万元を差し押さえ、資料や荷物を勝手に運び出し、オフィシャルサイトのパスワードを奪い勝手に変えて、雑誌社から編集権、出版権を奪ったわけだ。そして幹部、編集者を総入れ替えして、雑誌の性質を完全に変えてしまおうと試みたということだ。ちょうど杜導正が妻を看取り、体調を崩して入院したスキをついての、当局による雑誌社乗っ取り事件である。

コメント14件コメント/レビュー

センセーショナルな記事だ。タイトルからして読者の不安を駆りたてる。「中国の良心」とは一体何なのだろう。また,なんだったのだろうか。おそらく,時とともに変化してきたのではないか。「毛沢東の良心」「周恩来の良心」「鄧小平の良心」「趙紫陽の良心」「江沢民の良心」「胡錦濤の良心」そして「習近平の良心」。時代ごとの「指導者の良心」が「国家の良心」に反映されやすい国だと思ってきた。「君子豹変す。」ともいう。そういうお国柄かもしれない。機をみて,良心をも切り替えていくのだとすれば,背筋が寒くなるような恐ろしい「合理主義」の国であり,政治の国だ。『炎黄春秋』停刊宣言が「人民の中国」という理想を保護にするための布石にならないことを祈る。(2016/08/01 09:12)

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「『炎黄春秋』停刊宣言は中国の良心の断末魔」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

センセーショナルな記事だ。タイトルからして読者の不安を駆りたてる。「中国の良心」とは一体何なのだろう。また,なんだったのだろうか。おそらく,時とともに変化してきたのではないか。「毛沢東の良心」「周恩来の良心」「鄧小平の良心」「趙紫陽の良心」「江沢民の良心」「胡錦濤の良心」そして「習近平の良心」。時代ごとの「指導者の良心」が「国家の良心」に反映されやすい国だと思ってきた。「君子豹変す。」ともいう。そういうお国柄かもしれない。機をみて,良心をも切り替えていくのだとすれば,背筋が寒くなるような恐ろしい「合理主義」の国であり,政治の国だ。『炎黄春秋』停刊宣言が「人民の中国」という理想を保護にするための布石にならないことを祈る。(2016/08/01 09:12)

中国の夢とか言い出した辺りから、今までの体制よりも何かもっと踏み込んだことをやらかしそうだなとは思ってました。
中華民族の偉大なる復興と言っているのですよ。“復興”ということは、今はまだ元の状態ではないと。では、元の状態とはいつのことを言っているのか。それは明言しないと。
受け取り様によっては、復興の名のもとにどんどん周辺国に打って出るぞと宣戦布告しているようなものでしょう。そして事実、南シナ海や東シナ海でやりたい放題です。
明確に敵意丸出しの「イスラム国」よりたちが悪い。
外側に対してこれだけ強気に出ているので、内側の体制批判につながる芽は摘んでおくというところでしょうか。(2016/07/29 17:33)

やはり,近平は中国の北朝鮮化を目論んでるわけですね.しかし.北朝鮮が米中露3大国の隙間で生き永らえることができるのに対して,中国は膨張するしか道はない.日本も欧米も理解しているのだろうか?(2016/07/28 13:18)

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