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北京で18年ぶりに発生「6万人集団陳情」の裏側

「法輪功以来」「マルチ主催者逮捕」「弱者大行進」…

2017年8月2日(水)

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仕掛けたのは胡春華か、習近平か(写真:ロイター/アフロ)

 7月下旬、北京で18年ぶりに大規模な民衆の集団陳情が発生したことは、日本メディアでも報じられた。善心滙という組織が陳情元だ。動画サイトに、その様子の映像が何本もあがっているが、数千人から6万人規模が最高人民検察院前や大紅門など四か所に集まった模様だ。ネットに投稿された現場映像をみれば、車いす姿の男性や老人らが社会的弱者が中心で、涙声で義勇行進曲をうたいながら陳情する様子は異様であり、何かしら背景がありそうな気にもさせられる。1999年に北京で発生した法輪功の集団陳情事件以来の規模といわれる事件の裏側に何が見えてくるだろう。

義勇行進曲を合唱、泣き叫びながら

 事件は7月23日から24日にかけて起きた。北京大紅門国際会展中心、最高検察院、天安門広場などに群衆が続々と集まり、座り込みを始めた。メディアの注目を集めたのは北京市中心部の最高検察院前で数千人規模だったようだが、南郊外の北京市豊台区の大紅門あたりでは数万規模に膨れ上がり、地下鉄が臨時封鎖され、千人以上の公安警察が出動し大量のバスを用意して強制排除し、逮捕者60人を上回る大事件となった。彼らは善心滙の投資者であり、善心滙の法定代表人で現在公安当局に拘留中の張天明ら幹部の釈放を陳情するために、全国各地から北京に結集していたのだった。善心滙の発表では、およそ6万人規模の集団陳情だったという。

 車椅子姿や身障者が目立つ集団で、国歌である義勇行進曲を合唱しながら、「習近平万歳」「習近平:法に基づいた適時の解決を合理的に求める!」「邪悪は正義に勝てない」などといった横断幕を掲げ、スローガンを叫び、まるで葬式行列のように泣き叫びながら、「張天明は善人です」「彼を釈放して」と訴えていた。それはまるで新興宗教のようでもあり、1999年4月25日の法輪功の中南海包囲事件の再来をみるようでもあった。権力闘争の天王山ともいえる北戴河会議、秋の党大会を前にしたこの時期の北京でこれほどの規模の集団陳情が起きるなど、その背景を勘ぐらずにはいられない。

コメント3件コメント/レビュー

本テーマの北京のデモが象徴しているのかもしれないが、中国は今世紀に入ってから最も混沌とし不安定な時代に突入したように見える。この最も難儀な時期にたまたま習近平が中共政権のTOPを務めていることが、最後は劇的なハードランディングをもたらすのではないかという危惧を拭えない一つの要因だ。

建軍90周年の軍事パレードを異例にも元々戦車の訓練場だった内モンゴルの草原で行い、他の6名の幹部を北京に残したまま一人閲兵式に臨んだ習近平の迷彩服姿を見て何かふと滑稽さを感じた。(彼ほど迷彩服が似合わない軍司令官はいないのではないか)

現時点では混沌として先が見えにくい原因の最たるものは北朝鮮問題と経済(債務)危機だ。そして双方に米国の甚大な影響力が関与している。

全米をカバーするICBMの打上げを誇示する北朝鮮への軍事力行使を容認する米世論はもはや過半に達した模様であり、共和党支持者だけでは7割を超えたと報道されている。中国に失望したトランプの直近の言動からは今後の対中政策が今春とは真逆の方向へ舵が切られる気配を窺わせる。通商政策に絡む話し合いも100日計画と呼ばれた蜜月期間が終了し、今秋からは相当厳しいものになることは避けられまい。

そんな中、日本人が自覚しなければならないのは、中国が絡む危機はどんなものであれ地政学的見地からも避けようがなく、そしてその被害は朝鮮半島を巻き込んでとてつもなく甚大なものになる可能性があることだ。朝鮮半島の軍事危機やリーマンショック級の経済危機(どちらかが起きれば誘因となり時間差で同時に起こる蓋然性も高い)もいつ来てもおかしくないはないという覚悟と準備が必要ではないか。(2017/08/02 15:03)

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「北京で18年ぶりに発生「6万人集団陳情」の裏側」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

本テーマの北京のデモが象徴しているのかもしれないが、中国は今世紀に入ってから最も混沌とし不安定な時代に突入したように見える。この最も難儀な時期にたまたま習近平が中共政権のTOPを務めていることが、最後は劇的なハードランディングをもたらすのではないかという危惧を拭えない一つの要因だ。

建軍90周年の軍事パレードを異例にも元々戦車の訓練場だった内モンゴルの草原で行い、他の6名の幹部を北京に残したまま一人閲兵式に臨んだ習近平の迷彩服姿を見て何かふと滑稽さを感じた。(彼ほど迷彩服が似合わない軍司令官はいないのではないか)

現時点では混沌として先が見えにくい原因の最たるものは北朝鮮問題と経済(債務)危機だ。そして双方に米国の甚大な影響力が関与している。

全米をカバーするICBMの打上げを誇示する北朝鮮への軍事力行使を容認する米世論はもはや過半に達した模様であり、共和党支持者だけでは7割を超えたと報道されている。中国に失望したトランプの直近の言動からは今後の対中政策が今春とは真逆の方向へ舵が切られる気配を窺わせる。通商政策に絡む話し合いも100日計画と呼ばれた蜜月期間が終了し、今秋からは相当厳しいものになることは避けられまい。

そんな中、日本人が自覚しなければならないのは、中国が絡む危機はどんなものであれ地政学的見地からも避けようがなく、そしてその被害は朝鮮半島を巻き込んでとてつもなく甚大なものになる可能性があることだ。朝鮮半島の軍事危機やリーマンショック級の経済危機(どちらかが起きれば誘因となり時間差で同時に起こる蓋然性も高い)もいつ来てもおかしくないはないという覚悟と準備が必要ではないか。(2017/08/02 15:03)

福島さんの末尾のご指摘を見て、習近平による人民解放軍の大閲兵式の意味がわかった。そもそも、人民解放軍は党の「暴力組織」であり、党に万一のことがあるなら中国人民に対し銃口を向けなければならない存在である。これこそ鄧小平が示したことであるが(天安門)、習近平自身も、その際に父親が執ったとされる態度はともかくとして、鄧小平同様、原則通りにふるまうぞという注意を2回の閲兵式を通じて喚起したのだろう。(2017/08/02 11:15)

中共人民は軍人恩給など、お金絡みだと大規模陳情へ至る様ですね。
諸国の諜報機関は参考になる結果だったのではないでしょうか。(2017/08/02 08:24)

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野口 悠紀雄 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問