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党大会前の軍幹部粛清は、政敵排除か実戦準備か

後任に中越戦争経験者、火種は南シナ海かインドか北か

2017年9月6日(水)

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「中越戦争」経験者登用の理由は…(写真:Bridgeman Images/アフロ)

 いったい何が起きているのか。党大会前に党中央軍事委員会メンバー4人が一気に失脚、更迭された。王岐山が6月22日から8月23日まで動静が不明で、きっと誰か大物が失脚するのだろう、といわれていた。王岐山が“大虎”を失脚させる前は、必ず動静が不明になる、というのがこれまでの慣例であった。7月14日に孫政才が失脚したあとも、王岐山は姿を隠し続けていたので、次は誰か? ひょっとして江沢民か? みたいな噂が飛び交っていた、と思ったら、なんと解放軍の統合参謀本部参謀長(旧総参謀長)の房峰輝や、2017年1月に退任するまで10年以上海軍司令の地位にいた呉勝利を含むエース級の上将たちが、8月30日までに失脚していた。習近平が軍制改革に切り込んで以降、軍内には習近平に対する反感がくすぶっていたが、この反感の芽を党大会前に根こそぎ排除しようということだろうか。

 誰が失脚したか。房峰輝、呉勝利、そして政治部主任の張陽。張陽の部下だった杜恆岩(退役上将)。また空軍司令の馬暁天もすでに更迭されている。いずれも上将、軍で一番高位であり200万兵士のなかで30人あまりしかいない実力者だ。しかも房、呉、張、馬の4人は党中央軍事委員会(11人)の現役メンバーである。

 房峰輝、張陽は胡錦涛が特に信頼していた上将たちで、ひそやかに「国軍派=解放軍に国家の正規軍としての位置づけを望む派閥」であったと噂されるので、習近平の目指す解放軍掌握、党の私軍化にとっては邪魔な存在になりえた。しかし、習近平が全面的に支持していたとみられる海軍、空軍トップの呉勝利と馬暁天までが失脚、更迭されたというのはどういうことだろう。

まず軍内胡錦涛派を排除

 RFI(フランス国際放送華字ニュース)によれば、房峰輝はすでに失脚した軍長老、郭伯雄と近しい仲であったことが理由とされたもようだ。房峰輝は一般に、2009年の建国60周年軍事パレードの総指揮を務め、中央軍事委主席・胡錦涛を補佐した胡錦涛派テクノクラート軍人として知られているが、90年代に蘭州軍区にいて、蘭州軍区指令員の郭伯雄の寵愛を受けていたといわれている。1998年には少将に昇進、蘭州軍区21集団軍軍長の重職に就き、その後、北京軍区指令に抜擢されるのだが、このときも郭伯雄の強い推薦があったとされる。香港明報紙の報道によれば、2014年に徐才厚が汚職容疑で取り調べを受けたのち、郭伯雄にも汚職の疑いが出てきたとき、房峰輝は北京民族飯店で郭伯雄の家族と一緒に食事をしながら、「誰が老首長(軍内で使われる上官への敬称)に手を出そうとも、私が守って見せますよ」というような発言をしていた、らしい。

コメント16件コメント/レビュー

CCTVでは牢獄に捉えられた腐敗官僚を成敗する番組が大うけ!民衆に媚びながら着実に権力の基盤を強化する習近平です。弊社スタッフたちは喜んで見ているようですので大衆には受け入れらている様子はわかります。(2017/09/12 14:29)

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「党大会前の軍幹部粛清は、政敵排除か実戦準備か」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

CCTVでは牢獄に捉えられた腐敗官僚を成敗する番組が大うけ!民衆に媚びながら着実に権力の基盤を強化する習近平です。弊社スタッフたちは喜んで見ているようですので大衆には受け入れらている様子はわかります。(2017/09/12 14:29)

一人のために多くが恐怖を感じながら生きて、不自由な生活を強いられるのは間違いです。非民主的な裁量で生命も脅かされるのは間違いです。古代国家を今再建して何が得られるのか。一人の支配者のための国づくりは、古代思想以外のなにものでもない。民主化革命を期待します。(2017/09/07 16:53)

誌面の暗殺については、ミサイルで主席を爆殺と言うのは、どうにも・・・ほかに
もっと確実で表向き海軍に累が及ばぬ方法を取るのでは?成功しても責任追及は免れず、
政治的に思わぬ方向へ作用しないとも限りません。本当でしょうか?

 それは措いといて、習主席はナゼそんな大きな権勢を持てたか?さらに言えば、中国
共産党内の権力はどのように形成されるのか?
 津上俊哉氏の近著では副主席の時代から中南海を半ば仕切っていた。とのことですが
そんなキレ者の評価と4月の米中会談でシリア攻撃を告げられても、反論無くチョコ
ケーキを黙々と喰べ続けたと言う話はギャップがあり過ぎます。必要な場合は
ソ連共産党幹部と臆せず論戦を繰り広げて屈しなかった鄧小平とは違う。

 官僚国家の場合、権力はカネ(予算充当権)と人事加えるなら内規制定権を掌中に収めた
ものですが、習主席は地方での統治実績は可もなく不可もなしだったというし、
 金融・交通・通信・資源エネルギー・軍・公安をバックにしているわけでもない。
(バックが無いのは毛沢東も同様でしたが敵を仕立て闘争、権力に転化する天才でした)
 そんな習主席がどうやって権力を作り上げたのか?就任前後は江沢民と曽慶紅の庇護
とその後は反腐敗の摘発と脅しだけで「権力」を確立できたのか?

 それとも、常務委員の多数決と派閥配慮のぬるま湯政治はもはや限界であり、毛沢東
流の独裁強権政治が求められていると言う共産党主流の意志でもあるのでしょうか?
わかりにくいです。(2017/09/06 21:48)

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