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香港立法会選挙、「本土派6議席獲得」の意味

「香港自決」掲げる新勢力、北京の「恐怖政治」と対峙

2016年9月21日(水)

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最多投票を獲得した土地正義連盟党首の朱凱廸。「予算案を否決できる勢力となって、北京との交渉を目指す」(写真:ロイター/アフロ)

 少し前の話になるが、香港の立法会選挙が9月4日に行われた。雨傘革命後、初めての立法会(香港議会)選挙として国内外でも注目された選挙だ。結果は既報の通り、親中派(建制派)が過半数を維持したものの3議席減らし、反中国派(非建制派)が30議席を獲得、法案の否決に必要な議席の3分の1(24議席)以上を維持できた。

 今回の選挙で特筆すべきは、やはり本土派(独立派、自決派)と呼ばれる雨傘革命後に生まれた、新政治勢力の若者が6議席獲得したことだろう。この6議席が多いか少ないか、その評価は分かれるが、これまで全く存在しなかった本土派という勢力が議会に誕生したこと、しかも最年少当選者、最多得票数当選者ともに本土派であったことの意味は決して小さくない。

「香港自決」掲げる新勢力が台頭

 従来の議会における反中国派の主流は、民主派と呼ばれる民主党を中心とする勢力だが、彼らはあくまで2047年まで維持されるとした一国二制度の枠組み内で香港の民主・自治を守る考えであり、香港返還時に与えたられたミニ憲法・香港基本法に忠実だ。

 だが、この新しい政治勢力は一国二制度の枠組みを越えて、香港の未来を香港人が決める香港自決を掲げ、中国と英国が作って香港に与えた基本法も、香港人が新しく作り変えるべきだと主張している。中国にとっては決して座視できない主張を掲げているのである。このことが、今後の香港にどのような変化をもたらすのだろう。

 香港の立法会選挙の仕組みを少しだけ説明しておく。

 定数は70議席、4年ごとに選挙が行われる。直接選挙で35議席、職能別に35議席がそれぞれ選ばれる。直接選挙は香港島、九龍西、九龍東、新界西、新界東の5選挙区に分けて行われる。職能別議席は、産業界議席(30議席)と区議会(5議席)に分かれ、産業界議席は、金融、建設業、教育、法律、医療などの産業界ごとに候補を立て、その産業界ごとの職能団体者の投票による間接選挙で選ばれる。

 産業界は中国経済との関係から圧倒的に親中派議員が多くなるし、立候補者が少なく選挙自体が行われない無投票当選で決まる場合もある。区議会議席は、香港の地方区議の中から立候補を募り、有権者が区に関係なく直接投票する。つまり香港有権者は基本的に2枚の投票権(直接選挙枠と区議会議席枠)を持つ。職能団体に属する有権者はこれに加えてさらに1枚、3枚の投票権を持つことになる。

 主に民意が反映されるのは、直接選挙枠35議席と区議会枠の5議席だ。直接選挙枠の選挙法は比例代表制・最大剰余方式(有効投票数を定数で割った基数で、得票数を割った数字の大きさで当選順位を決めていくやり方)。

 今回の有権者登録は378万人で、直接選挙枠の投票率は58%で前回よりも5ポイント高い過去最高を記録した。直接選挙枠35議席のうち、民主派が獲得した議席は13議席、本土派が6議席、親中派が16議席。職能代表枠35議席のうち民主派は10議席、親中派は24議席、無党派が1議席。反中国勢力は合計して30議席という内訳だ。

コメント7件コメント/レビュー

香港情勢は「中国の窓」だと思うので,ここでの民主化運動の状況は中国の今後を占うカギだと思っている。なかなか詳細なレポートはいつもながら敬服する。中国はどうなるのだろうか。習近平はもう少し日本図とうまくやることを考えていると思ったのだけれど,江沢民の亡霊(生霊?)に取りつかれたのだろうか。香港に対する態度が想像以上に固いのに驚かされた。習近平の本音を探るのは大変だろうが,中国共産党がどう香港と対していくのかもっと知りたいと思った。合わせて,香港や大陸の人たちがどう考え,感じているのか,政府とのかい離がどこまで進んでいるのかなども知りたい。今後とも,野心的な記事を期待します。(2016/10/03 15:25)

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「香港立法会選挙、「本土派6議席獲得」の意味」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

香港情勢は「中国の窓」だと思うので,ここでの民主化運動の状況は中国の今後を占うカギだと思っている。なかなか詳細なレポートはいつもながら敬服する。中国はどうなるのだろうか。習近平はもう少し日本図とうまくやることを考えていると思ったのだけれど,江沢民の亡霊(生霊?)に取りつかれたのだろうか。香港に対する態度が想像以上に固いのに驚かされた。習近平の本音を探るのは大変だろうが,中国共産党がどう香港と対していくのかもっと知りたいと思った。合わせて,香港や大陸の人たちがどう考え,感じているのか,政府とのかい離がどこまで進んでいるのかなども知りたい。今後とも,野心的な記事を期待します。(2016/10/03 15:25)

>当選後は意見・立場を異にする政党との共闘点も見出そうと、それぞれが真剣に考えている。なぜ日本の若者の政治運動に、こうした変容や成熟が生じなかったのかと思う。

そんな若者がいたとしても、日本の大人、ことにメディアやインテリ源ちゃん達が認めません。残念ですけどね。(2016/09/22 10:39)

感想など

一般の個人では捕捉できない香港等の政治の動き等も、定期的に伝えてくれるジャーナリストは福島さん位だと思う。大変、感謝している。

正直中国については、分からない部分も多いが、動きについて行こうと努力しようと思う。ネットで関連情報を収集し、キャッチアップを続ける作業が、新しい動きを理解する上で、必要な作業だと思う。

断片的であっても関連事項の記憶が重なり、個々の繋がりが見えてくれば、次の局面での理解や予想の助けとなる。台湾の情勢も気になるところだが、福島さんのコラムを通じて、台湾情勢にもキャッチアップしたいと考えている。

NHKをはじめとするメディアへの要望になるが、香港や台湾、アジアの若者の活動を定期的に紹介するドキュメンタリー番組を作ったらどうかと思う。特に、アジアの若者の姿をもっと日本人に伝えて欲しい。また、中国関連のテーマも、福島さんの様に、切り込んで欲しい。(2016/09/21 17:22)

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三品 和広 神戸大学教授